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MoonLit  作者:
Black Moon
96/105

第19話「瞳に映った世界」

読んでくださる方に、合う作品であることを祈りつつ。


2018/03/06 誤字修正。

「ドラキュラ聞け! コイツの出来ることは、お前も……」


 新たに現れたクロノスと言う名の敵は、親父と呼んだ相手を何の躊躇ためらいも無く破裂させた。


「余計なことを……」


「な、なんだ? 仲間じゃ……息子じゃないのか?」


「そうだ、だから何だ?」


「何なんだ、お前は!」


 クロノスは、右手を顎に付け首を傾かしげ「少し足らんな、出直すか」と呟いた。


「逃がすか!」


 鷹也は、瞬時に詰め寄り斬り掛かるも、捉えることが出来ず、一瞬にしてクロノスは遥か上空へ。

 再び、クロノスに向かい飛んだが、空気に融けるように消え去った。


「ど、何処だ? 何処に行った?」


 その時、鷹也は激しい眩暈めまいに襲われる。


「な、なんだ? せ、世界が……ゆがんで……」


 その歪んだ景色に堪え切れず、目を閉じる。



 眩暈が止み、再び目を開けた時、凍って身動きが取れなくなっていた。


 え?

 あいつら、なんで?

 夢……だったのか?

 それとも、さっきのが夢なのか?


「いくぜ、ドラキュラ! 俺のブレイズは、太陽よりも暑いぜ!」

 

 この台詞、前にも……正夢でも、見ていたというのか?


 唱えられたブレイズと言う名の法術は、鷹也を中心に海岸沿い2キロを一瞬にして蒸発させたのだが、ローブが鷹也を守り、火傷を負うことさえ無かった。


 よし、動ける。

 ん? やつらより、大きなジンを感じる!


 その気配を追って見上げた先には、眩暈の前に対峙した敵、クロノスの姿が在った。


 正夢を……見てた訳じゃなかったのか?

 そう言えば……確か、フェリオスという名の赤毛が『時が』どうとかって言ってたな。

 あいつは、時を操るのか?


 信じ難い話ではあるが、その答えでしか現状を納得する事が出来ない。


 そ、そんな相手に、俺は勝てるのか?

 駄目だ、今はそんな事よりも!


 鷹也は、翼を大きく広げると蝙蝠の翼は抜け落ち、新たに白い翼が現れる。


 あいつは、危険だ!

 あいつから、らないと!


 深呼吸を一つした後、覚悟を決めて、クロノスへ一直線に向かう。

 鷹也は、全ての力を右腕に集中させ、クロノスを背後から貫いた。

 それを見て「よし!」とフェリオスが言った、その瞬間。

 再び、世界が歪曲する。


 ま、またか!


 戻された時間は、僅かに3秒前、クロノス貫く直前だった。


「お前の浅はかな悪知恵に、気付かんと思うか?」


 そう言って半身をズラされ、鷹也の右腕はクロノスでは無く、フェリオスの胸を貫いた。

 鷹也は、フェリオスを貫いた右腕を抜き、クロノスに対峙する。

 クロノスは、再び「まだ、足らんな……」と、顎に手を当て小首を傾げた。


「何を言っている?」


「試してみるか……」


 その言葉で、鷹也は原子分解されてしまう。


「さぁ、アンデッドのDNAよ、再びその身を戻し、神気じんを高めよ!」


 すると、鷹也の原子は空中で渦を巻くように集まり、再び、元の姿へ。

 裸体でうずくまる鷹也を眺め、クロノスは不服そうに「ただ、元に戻っただけか……」と呟いた。


 鷹也は、迷いながらも闘う覚悟を決め、剣を探す。

 すると突如として、鷹也の手元に剣が現れた。

 突然現れた剣に動揺したが、首を振って我に返り、慌てて剣を掴むと、裸のままクロノスへと滑空し、剣を振る。

 振られた剣が、クロノスに届いたと思った瞬間、時間が逆行する。


 な、なんだ?


 自分の意志とは関係なく、動いてきた経緯をなぞるように戻って行き、死んだ筈の二人までもが生き返った。

 再び、正常に時間が動き出した時、青い髪の男に蹴り飛ばされ、砂浜を転がる。

 使徒の二人がクロノスと闘い始めたが、間も無く、青い髪の男は灰になった。


「ドラキュラ、一旦休戦だ! 手を貸せ! 俺が奴を食い止める、お前は神気を高める事に集中しろ!」


 ジンを高める?

 どうすれば、高まるんだ?

 妖気と同じか?


 幾ら集中しても、神気を高める事が出来ない。

 そうこうしている内に、再び、時間が逆行し、青い髪の男が生きていた時間まで戻った。


 ジンが移ったのか?

 あいつ、そんなことまで出来るのか!

 不味い! 赤い髪のヤツまで捕まった!


 ジンは未だ僅かだったが、構わずクロノスへと向かい、蹴り飛ばした。


「何してやがる! さっさと変換しろ! さもないと、前のように上手くは行かんぞ!」


「上手く? 上手くなど行ってない!」


「なに?」


「何もやっちゃいないんだ。ヤツは俺を見て『足らない』と言って、時間を戻した」


「足らない?」


「教えてくれ、どうやれば早くジンに変換出来る?」


「チッ! 知るかよ、そんな事! 仕方ない、時間を稼いでやるから、剣を貸せ! お前は集中してろ!」


 だが、剣を呼び寄せようとするも、剣は来ない。


「ダメだ、さっきは来たのに!」


「クソが! 物質転送程度で、そんなに神気を使うのかよ……神気の使用量? そうか! リワインドを選んだのは、リープの方が神気を使うからだ! 違うか! 親父!」


 そう呼ばれた者は、既に飛ばされた先に居おらず、目の前に立っていた。


「それがどうした?」


「さては親父、もう先が見えねぇんだろ?」


 先が見えない?


「なら何故、コイツの蹴りを喰らった?」


 未来が……見えるって事か?

 それとも経験しておいて時間を戻し、未来が見えると言っているのか?

 どっちだ?

 前者なら、一生、攻撃が当たらないぞ。


 フェリオスは推理を始め、自分はクロノスの寿命を延ばす為の喰い物だと結論付けた。


「喰い物? 俺が?」


「流石だな、フェリオス。だが、それを知ったところでどうなる? 何も出来まい?」


「否、そうでもねーさ。十分な時間稼ぎには成った!」


 鷹也は剣を呼び、フェリオスに投げた。

 受け取ったフェリオスは、剣を構える。


「炎の使徒フェリオス、して参る!」


 そう言って、横に振られた剣は、鷹也の首を刎はねた。


 な、何故だ……何故、俺を……。


 視界がせばまり、暗闇に包まれ、思考は停止する。

 それは鷹也にとって、眠っていたというより、気絶していたような感覚だった。

 再び意識が戻った時、視界が広がった世界に、フェリオスは居らず、ただ一人、クロノスだけが立っていた。


 あいつ(フェリオス)が居ない……られたのか?

 だが、取り込まれた感じはしないな。


 クロノスが両手を広げた時、鷹也は分解されたことを思い出し、剣を呼ぶ。


 来い!


 フェリオスの手から、こぼれ砂浜に突き刺さって居た剣が、鷹也の右手へ転移する。


 あの原子分解だけは、喰らってはいけない!

 その前に、攻撃を!


 剣を振ったが、半身でかわされると、そのまま背後へ回られ、右肩を掴まれた。


「させるか!」


 鷹也は、己の身体もろともクロノスを切り裂くと『コイツの出来ることは、お前も……』と言ったフェリオスの言葉を続ける。


 出来るんだろ、俺にも!

 戻れ!


 切り離された筈の下半身が、上半身へと戻る。


「妥協に、妥協を重ねざるを得んとはな……出直すとするか」


 クロノスは、瞬間移動で鷹也との距離を取るように遥か上空に浮かぶと、目を閉じ両手を広げる。


「今度こそ、逃がさん!」


読んでくれて、ありがとう。


エアーズロックに、向かったアレスター。

だがそれは、巧妙に仕掛けられた罠だった。


次回「方舟」


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