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MoonLit  作者:
Once In A Blue Moon
73/105

第24話「覚醒」

ゲ! もう4時やんけ!

やっべー、もう曜日は、月曜だと言うのに!


それでは、読んでくださる方に、合う作品であることを祈りつつ。


 或る日、或る時、何の前触まえぶれもなく、それは起こった。

 此の星にとって、天変地異に匹敵するほどの出来事であったにも関わらず、とても静かな変化だった。

 正しい表現をすれば、変化というよりも、進化と言う方が相応ふさわしい。

 しかし、進化という言葉ですら、その範疇はんちゅうを超えた、別次元の出来事だったのである。


 何かの影響を受けたのか?

 それとも、因果なのか?

 その原因は、対象となった本人ですら、知り得なかった。

 或る男に与えられた、唯一無二ゆいいつむにの進化。


 ――ただ、こうなれば良いと考えただけで、実現する世界。


 こうして男は、この星で最初の神と成った。


 男は、その変化を"覚醒かくせい"と名付けたが、その後、百年経っても、千年経っても、男と同じ"目覚める者"が現れることは無かった。



「フェリオス! ブレイズを撃て!」


 親父は、見ている筈だ!

 ブレイズを止めに入らないということは、容認していると考えていい。

 逆に、それほどの相手、つまりは、コイツが標的だったということだ。


 グレイスは、ブレイズの攻撃範囲から逃れるため、急上昇する。


「いくぜドラキュラ、俺のブレイズは、太陽よりも暑いぜ!」


 グレイスは、異常に汗を掻いていた。

 ブレイズが起こす熱の所為せいでもあったが、脳裏に浮かんだ仮説がグレイスをおびえさせていたからだった。

 鷹也がブレイズを耐えれるとは思えない、しかし、その恐怖が行動に現れていた。

 フェリオスが間になるように、ブレイズから避難、否、鷹也から逃げたのである。


 終われ、終わってくれ!


 フェリオスの右手から放たれた火球が、凍って動けない鷹也を襲う。

 その火球が発する熱は、燃やすと言うよりも蒸発させるほどのもので、鷹也を中心に凡そ2kmが、一瞬で消え去った。

 海岸であったため、水蒸気が立ち籠め、濃霧で辺りが見えなくなる。


 ヤツの神気じんは消えた……終わったか……。


 グレイスは、まるで自分が闘っていたかのように、疲れ果て、大きく息を吐いた。


「そうだよ、幾らなんでも、そんな訳はないんだ」


 グレイスは、自分の仮説が考え過ぎであったと、ヘラヘラと笑い出した。

 考えれば考えるほど、色々な疑問の答えが、それに結びつき、鷹也が居なくなった今でも、それを考えれば鳥肌が立つ。


 カイルを始末させなかった理由。

 アルベルトを生かした理由。

 メイヲール討伐にクライを派遣し、全ヴァンパイアの封印まで許した理由。

 クライとの揉めた原因が違う理由。

 思い返せば、カイル討伐時に自分が言った「決着」の言葉を父が疑問視しなかったことまで……。

 ありとあらゆる疑問が、一つの答えを導いた。


 しかし、それもこれもただの偶然と笑いながら、フェリオスに帰りを告げるべく、近づこうとしたその時、ブレイズの熱が消えたことによって大気が乱れ、強い風が海から流れてきた。

 その強い風は、霧を流し、ブレイズによって出来た焦土が現れる。

 グレイスは、その中心に人影を見た。


「な、なぜだ! なぜ燃え尽きない! フェリオス! もう一度だ! もう一度ブレイズを撃て!」


 混乱するグレイスと違って、フェリオスは冷静だった。


 ヤツは俺と同じ、熱に耐性があるのか?


 正確には、鷹也にそれが在るのではなく、鷹也のローブにそれが在った。

 氷結が融け、動けるようになった鷹也は、蝙蝠こうもりの翼を大きく広げ、フェリオスを睨んだ。


 来るか?


 だが、飛ぶための翼は、鷹也の背から抜け、地面に落ちた。

 しかし、まるでそれは乳歯から永久歯に変わるように、輝くような白き翼が現れる。


 速い!


 咄嗟にフェリオスは、構えを取ったが、


「しまった! ヤツの狙いは!」


 フェリオスが振り返った時、既にグレイスの体は真っ二つになっていた。


「返してもらうぞ」


 鷹也は、そう言ってグレイスから剣を奪うと、フェリオスの方を向き直す。


「回復できるグレイスから狙うとはな、だが、グレイスは終わらんぞ」


 グレイスは、集中し詠唱をはじめる。


「リザレクション!」


 すぐ効果の現れる復活術が、まるで詠唱に失敗したかのように、効果が現れない。


「リザレクション! リザレクション! リザレクション……」


 グレイスは、何度も叫び続けたが、体が元に戻ることは無かった。

 グレイスは涙を流し、仮説の方が正しかったのだと悟った。


 やっと、解った……。

 俺たちも、俺たちでさえも、親父の駒だったのか……。


 カイル

 アルベルト

 グリンウェル

 クライ

 俺やフェリオスまで


 コイツを神化しんかさせる為の

 過程に過ぎなかったのか!

読んでくださって、ありがとう。


第三部までやってきましたこの物語も、いよいよ、次で最終話です。

残りの予定は、最終話、エピローグ、あとがきです。


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