第24話「覚醒」
ゲ! もう4時やんけ!
やっべー、もう曜日は、月曜だと言うのに!
それでは、読んでくださる方に、合う作品であることを祈りつつ。
或る日、或る時、何の前触れもなく、それは起こった。
此の星にとって、天変地異に匹敵するほどの出来事であったにも関わらず、とても静かな変化だった。
正しい表現をすれば、変化というよりも、進化と言う方が相応しい。
しかし、進化という言葉ですら、その範疇を超えた、別次元の出来事だったのである。
何かの影響を受けたのか?
それとも、因果なのか?
その原因は、対象となった本人ですら、知り得なかった。
或る男に与えられた、唯一無二の進化。
――ただ、こうなれば良いと考えただけで、実現する世界。
こうして男は、この星で最初の神と成った。
男は、その変化を"覚醒"と名付けたが、その後、百年経っても、千年経っても、男と同じ"目覚める者"が現れることは無かった。
「フェリオス! ブレイズを撃て!」
親父は、見ている筈だ!
ブレイズを止めに入らないということは、容認していると考えていい。
逆に、それほどの相手、つまりは、コイツが標的だったということだ。
グレイスは、ブレイズの攻撃範囲から逃れるため、急上昇する。
「いくぜドラキュラ、俺のブレイズは、太陽よりも暑いぜ!」
グレイスは、異常に汗を掻いていた。
ブレイズが起こす熱の所為でもあったが、脳裏に浮かんだ仮説がグレイスを怯えさせていたからだった。
鷹也がブレイズを耐えれるとは思えない、しかし、その恐怖が行動に現れていた。
フェリオスが間になるように、ブレイズから避難、否、鷹也から逃げたのである。
終われ、終わってくれ!
フェリオスの右手から放たれた火球が、凍って動けない鷹也を襲う。
その火球が発する熱は、燃やすと言うよりも蒸発させるほどのもので、鷹也を中心に凡そ2kmが、一瞬で消え去った。
海岸であったため、水蒸気が立ち籠め、濃霧で辺りが見えなくなる。
ヤツの神気は消えた……終わったか……。
グレイスは、まるで自分が闘っていたかのように、疲れ果て、大きく息を吐いた。
「そうだよ、幾らなんでも、そんな訳はないんだ」
グレイスは、自分の仮説が考え過ぎであったと、ヘラヘラと笑い出した。
考えれば考えるほど、色々な疑問の答えが、それに結びつき、鷹也が居なくなった今でも、それを考えれば鳥肌が立つ。
カイルを始末させなかった理由。
アルベルトを生かした理由。
メイヲール討伐にクライを派遣し、全ヴァンパイアの封印まで許した理由。
クライとの揉めた原因が違う理由。
思い返せば、カイル討伐時に自分が言った「決着」の言葉を父が疑問視しなかったことまで……。
ありとあらゆる疑問が、一つの答えを導いた。
しかし、それもこれも只の偶然と笑いながら、フェリオスに帰りを告げるべく、近づこうとしたその時、ブレイズの熱が消えたことによって大気が乱れ、強い風が海から流れてきた。
その強い風は、霧を流し、ブレイズによって出来た焦土が現れる。
グレイスは、その中心に人影を見た。
「な、なぜだ! なぜ燃え尽きない! フェリオス! もう一度だ! もう一度ブレイズを撃て!」
混乱するグレイスと違って、フェリオスは冷静だった。
ヤツは俺と同じ、熱に耐性があるのか?
正確には、鷹也にそれが在るのではなく、鷹也のローブにそれが在った。
氷結が融け、動けるようになった鷹也は、蝙蝠の翼を大きく広げ、フェリオスを睨んだ。
来るか?
だが、飛ぶための翼は、鷹也の背から抜け、地面に落ちた。
しかし、まるでそれは乳歯から永久歯に変わるように、輝くような白き翼が現れる。
速い!
咄嗟にフェリオスは、構えを取ったが、
「しまった! ヤツの狙いは!」
フェリオスが振り返った時、既にグレイスの体は真っ二つになっていた。
「返してもらうぞ」
鷹也は、そう言ってグレイスから剣を奪うと、フェリオスの方を向き直す。
「回復できるグレイスから狙うとはな、だが、グレイスは終わらんぞ」
グレイスは、集中し詠唱をはじめる。
「リザレクション!」
すぐ効果の現れる復活術が、まるで詠唱に失敗したかのように、効果が現れない。
「リザレクション! リザレクション! リザレクション……」
グレイスは、何度も叫び続けたが、体が元に戻ることは無かった。
グレイスは涙を流し、仮説の方が正しかったのだと悟った。
やっと、解った……。
俺たちも、俺たちでさえも、親父の駒だったのか……。
カイル
アルベルト
グリンウェル
クライ
俺やフェリオスまで
コイツを神化させる為の
過程に過ぎなかったのか!
読んでくださって、ありがとう。
第三部までやってきましたこの物語も、いよいよ、次で最終話です。
残りの予定は、最終話、エピローグ、あとがきです。




