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MoonLit  作者:
Once In A Blue Moon
50/105

第1話「決着」

さぁ~て、困りましたぞ、オチも考えてないのに、見切り発車してしまった物語。

果たして完結するのだろうか?

2016/08/16


2016/08/17 02:07 あとがきを修正


読んでくださる方に、合う作品であることを祈りつつ。

「我が名は、エクリプス。月蝕げっしょくときだ」


 メイヲールは、自分を高揚こうようさせてくれる強い相手を望んでいた。

 それは、自我が芽生えた時より、自分より強い者など、この世に存在しなかったからだ。

 手を振れば終わる、そんな相手ばかりで、同族でさえも同様だった。

 ドラキュラを500匹狩った時でさえ、ただ害虫を駆除したような、つまらない闘いだった。


 やっと出会えたと思った相手カイルも、十分楽しめることの無いまま、狡賢ずるがしこアルベルトはばまれ、騙まし討ちにあった気分だった。

 心行くまで、力と力の勝負がしてみたかった。


 メイヲールは、ずっと好敵手を望んでいたのだった。


 しかし、それは自分が圧倒的優位な立場であってこそだと、初めて思い知らされる。

 次第にそれは、屈辱よりも死への恐怖へ変貌し、それがすぐ傍まで来ているような錯覚にさせられた。

 かつて、アルベルトに封印された時でさえ、死への恐怖など感じてはいなかった。

 だが、目の前のエクリプスと名乗ったドラキュラが、そうさせているのである。


 自分の攻撃は確かに捕らえている、しかし、拳に殴った感触が僅かに伝わってくるものの、手応えが感じられない。

 更には、まとわりついて、噛みつかれる。

 メイヲールは、得体の知れない気味の悪さに、困惑し、恐怖した。


 このまま押していけば、コイツを葬れる!


 鷹也は、手応えを感じていた。

 ハッキリとした理由は解らないが、メイヲール並の再生力が備わり、攻撃も押している。

 闘いの中で得た、技が自分を優位に導いている。

 ふと気づけば、闘いに高揚している自分に気づき、そのせいなのか、不思議とウォレフを殺された怒りは、無くなりはしないものの、しずまっていた。


 疲れを見せた時が、勝負だ。


 実際、メイヲールの5倍以上動いている鷹也の方が、体力の消耗は激しいのだが、まるで皮を剥ぐように身を削られる精神的な疲労はピークに達していた。

 再生能力は在っても、痛みが無い訳ではない、仮にメイヲールの攻撃が当たっていたならば、痛みを忘れるほど高揚していたのかもしれない。


 混乱が混乱を呼び、メイヲールの動きを大きくさせた。

 鷹也を狙ってるのか、城を破壊したいのか、他者で判断できなくなるほど、大振りになる。

 それを鷹也は見逃さず、左膝から下を斬り落とした。

 焦ったメイヲールは、まだ左に居る鷹也へ、大きく拳を振り下ろしたが、それもまた、感触のある手応えの無いもので、振り切った分だけ隙が生まれ、右腕まで斬り落とされる。


 メイヲールは、たまらず、その場から離れるように上昇し、城の天井を突き破った。

 鷹也も逃がすまいと、それを追いかけたが、メイヲールはそれを嫌うように、残った左手と羽根で竜巻を起こし、城の中へ吹き飛ばす。


 その時、陽の光がメイヲールを照らす。


 ソウダ! 城ヲ壊セバ! 太陽ニ!


 メイヲールは幾つもの竜巻を起こして、城を破壊し尽す。

 これによって大きな二つの妖気は、この星を包み、世界中で激しい警告音を鳴らすのであった。


 再生能力が同じであれば、陽光による損傷よりも、再生速度の方が速いのは同じである。

 最早、冷静な判断が出来なくなっていた。

 そして、鷹也にはアルベルトのローブが在る。


 迫り来る鷹也に恐怖しながら、連続で竜巻を繰り出す。

 それは攻撃するためというよりも、自分から離したいがために起こしたような物だった。

 竜巻の間を擦り抜けるように、近づいて来る者に恐怖しながら、泣き叫ぶ。


「何故ダ! 何故、燃エ尽キヌ!」


 駄々っ子のように、手足を振り回すメイヲールの両翼を斬り落として、地上へと叩き落した。


「剣ダ! アノ剣サエ、奪エバ……」


 考えが口に出てしまうほどに、混乱していたメイヲールの目の前へ、鷹也は剣を放り投げた。

 剣しか見えていないメイヲールは、それにすがるように手を伸ばし掴むと、勝ったとばかりに鷹也を探す。


「何処ダ!」


「終わりだ!」


 その声は、胸元に存在し、見下ろした時には既に遅く、発光する右手を携えたエクリプスは、その拳を振り切って、胸を突き抜けた。


 心臓を壊されたメイヲールは、再生能力を失い、陽の光によって焦がされ、死の恐怖に怯えながら、燃え尽きた。


「終わった……」


 精も根も尽き果てた鷹也は、その場に仰向きに倒れた。

 久しぶりに、鷹也は太陽を直視した。

 ヴァンパイアに成ってから、太陽を直視したのは、これで二度目。

 カイルとの闘いで太陽の暑さを知った、あの時以来だった。

 ローブは着ているものの、久しぶりに太陽の暖かさを思い出していた。


「ん? なんだ? 鳥か? 違う!」


 白き衣、白き翼を携えた、二人の青年がゆっくりと舞い降りて来た。


 なんだ、こいつら?

 妖気は一切感じられないのに、危険な感じがする。


 その危機感で、立ち上がった鷹也に対し、一人の青年が拍手をしながら近づいてきた。


「まさか、メイヲールを倒すとはな。お陰で、仕事が一つ減ったよ」



読んでくださって、ありがとう。


「あたんら、一体、何者なんだ?」

「我々自身、種族的な名前を付けてはいないのだが……お前らは、我々のことを神と呼ぶぞ」


次回「使徒」


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