火力
出したいとずっと書いてたキャラを出したら、そうでもなく。ずるずると更新に時間が空いてしまいました。
「退きなさい」
エルナは瞳を朱に染めると、彼女が足を踏み入れた体育館にいる全ての生徒に対して宣託を下した。
体育館ではその時、中央をネットで分けて卓球部とバレー部の練習が行われていたが、彼らの部活にかける意気込みも「火蛾」の前では何の意味ももたない。卓球部員たちは握っていたラケットをその場に落とし、バレー部は20対21という接戦を放棄して、覇気のない歩みで体育館の出口へと移動していく。
「急にみんな出て行ったら、おかしく思われません?」
「それもそうやね。姫さん、校舎の周りでもしばらく走らせといたらどうや」
エルナは部長の提案に小さく頷くと、三つある出入口からぞろぞろと出ていっている生徒に対して、口の中で何かを呟いた。
誰もいない体育館の中を見たことはあったが、部活中の場面から人間だけを引き算した光景というのは、何とも奇妙で、これから起こるだろう非現実的な出来事をボクに予感させるには十分だった。
「ほほう、この体育館が熱きデュエルの舞台となるわけですな」
「この前、学校全域に利用許可出したら、校舎を倒壊させかけた人おったからね。今回は、この規模で堪忍してほしいわ」
「別にわたしは構いません。どのような条件であれ、こちらが負けるようなことはありえませんから」
その挑発に対するクロエの答えは、彼女の右手から発せられたパチンという音だった。
中指を親指の付け根付近に勢いよくたたきつけることで生じる打撃音。練習すればほとんどの人間が習得できるだろう指技の一つは、彼女という存在を介することで物理法則をはるかに超えた現象を引起こした。
「こりゃまた、随分とカッコええもん出してきたもんやね」
部長の言葉にボクも内心で同意した。
つい先ほどまで何処でもいる少女然としていたはずのクロエの格好は、劇的なまでに変化していた。彼女がまとっていたのは白銀の鎧だった。それも中正の騎士が己が名誉をのためにまとう鎧ではない、現代の兵士が敵を虐殺するためにまとう鎧なのだ。
体長およそ2メートル30センチ。顔周辺をのぞく身体のほとんどの部分を鋼鉄で隠したクロエを眞子は興味深そうに見上げた。
「アメリカ陸軍次世代型パワードスーツ試作β3──通称ギガント。前線の全兵士へ配備という現在の方向性から完全に乖離した、純粋な実験機だね。こういうのがクロエの趣味だとは知らなかったよ」
「誤解なさらないで下さい、お姉さま。わたくしとしてはもう少し優雅なものが好みなのです。ですが、こちらの体格をカバーできるものとなりますと」
「そっか、陸軍の規格じゃ、どう頑張っても160センチ以下は無理だもんね。その点ギガントは手足が無くても動かせる作りなわけだから」
眞子は目を輝かせながら何度も頷いていた。精巧なプラモデルを眺める子供の姿にも似て、微笑ましい光景だと言えないこともない。
「ずいぶんと詳しいんだな?」
「いくつかうちの研究チームの成果を積んでるんだよ。その時に仕様書読ませてもらってたんだけど、こうして現物を前にすると、やっぱアガるよね」
眞子の言葉に合わせて、目の前の鉄の巨人は優雅に一礼してみせた。驚いたことに、その動きはまるで人間がするかのように滑らかで静かなものだった。
だがそんな現代科学の結晶も、エルナには何の感銘も与えないようだった。彼女の口元には呆れとも軽蔑とも取れる笑みがはっきりと浮かんでいる。
「こんな鉄の塊ごときでわたしに勝てるとでも?」
「一部とはいえ、お姉さまの研究を流用したギガントを”ごとき”とは、もう少し身の程というものは弁えてはいかがですか」
「ほらほら、二人とも。さかりのついた犬やないから。少しは我慢できるやろ」
両手をパンパン鳴らしながら、部長は一気に緊迫しかけた空気をリセットする。無言ながら、犬扱いされた二人は部長へのヘイトを明らかに高めていたが、部長は自分のペースを崩す素振りすらみせない。
彼女たちの中で部長は一番下の三星だという話だったが、人間としての器量ではやはり一日の長があるということらしい。
「ほな、ルール説明するで。戦いの舞台は、わいらが観戦席にする二階の廊下部分を除いた全域や。まっ、勝敗の基準はいらんやろ。自分のことくらい自分で分かるもんやし。あと四条くんは当然、口出し無用や」
えっ、出来れば明確な基準があった方が安心なんですけど。ボクは内心でかなりビビッていたが、何か分かり合ってる感じの異能者三人の空気を壊す勇気はどうしても湧かなかった。
助けを求めるように眞子を見ると、長年の付き合いだけあって言葉無しにボクの懸念は伝わったようだった。彼女は右手の親指を立てて、任せとけという風情で頷いてみせた。
「実況は、わたしが勤めさせてもらうよ」
「いや、そんなこと微塵も心配してないから」
「すると解説は、わいが担当ってことやね。こりゃ重責やわ」
ボクが何かを言い返す前に、眞子と部長の身体はふわりと宙に浮き始めた。上昇の速度はゆっくりだったが、その目的が二階の渡り廊下への移動であることは明らかだった。ボクが文句を言い募って場がしらける前にさっさと勝負を始めてしまおうという腹らしい。
どうせ何を言ったところで、結局は徒労なのだ。ボクは宙を昇っていく二人を力なく見上げていた。
「お兄様、紳士たるものを少しでも誤解を生むような態度は控えるべきだと思いませんか?」
「この、へんた──好奇心は猫をも殺すという言葉もあります」
「まっ、前のときと同じ処置施しとるさかい、一ピクセルだって見えへんのやけどね」
「ごめんね、みっくん。わたしにも恥じらいってやつがあるからさ」
満員電車の中では両手を頭の高さまであげるのが現代社会を生き抜くコツだという。ボクはただただ小さくため息を吐くだけだった。
「しかし、あれやね。その場所から始めると駆け引きも何もあったもんやないな」
眞子と共に二階の渡り廊下部分に着地した部長は、ボクたちを見下ろしながら口を尖らせてみせた。
ボクたちは体育館の横側についた入口の近く、部活でいえばバレー部側、建物の構造でいえば舞台側に三人でまとまる形になっていた。
こうなると確かに、バレーのコートに張られたネットと二つの部活の間で球の行き来を制限するために張られたネットによって咄嗟の行動の幅がかなり制限される。もちろん、両者ともたかが化繊の糸の集合体ごときに煩わされるような存在ではないのだろうが、この近距離から始めれば、たとえ羽虫を払う程度の動作でも致命的な隙になるだろう。
そうなれば必然、二人の取る行動は先手必勝・一撃必殺であって、駆け引きが入る余地はないと言えた。
「みっくんたちが卓球部側に移動して、クロエは舞台の上からスタートってことでいいんじゃない」
「どうせ結果は同じなのですから、移動する意味があるとは思えませんが」
「お姉さまの言葉を受け入れると、自分が不利になるから嫌だと仰られるなら、それはそれで構いませんよ」
エルナは黒い髪を右手でかき上げると、今は自分より遥か高くにあるクロエの顔に笑いかけた。
「安い挑発ですね。わたしは意味がないとは言いましたが、移動しないなどとは一言も言っていません。そうやって、言葉で人を縛ろうとすること自体が弱さの現われだと自覚すべきですね」
「ご忠告どうも。流石、千年以上も力で人を縛ろうとしてきた人達の言葉は重みが違いますね。精々、気をつけることに致します」
また部長の仲裁待ちだろうかと思ったが、クロエはそのまま機械の身体をスムーズに回転させると、一っ飛びで舞台へと上がってしまった。明らかに数百キロではおさまらない質量をもった物体がそんな風に移動するのも驚きだったが、それ以上に吃驚したのは着地の際に音がしなかったことだ。
エルナがそれに何を思ったかは分からないが、彼女はボクの腕をつかむと卓球台が等間隔で並べられた体育館の反対側へと足早に移動を開始した。
「ほな、このコインが落ちたら、勝負開始や」
エルナが足を止めて、ボクを後ろに隠し、舞台の中央に陣取っているクロエと真正面から向かい合う状態になったのを確認して、部長はその黄金に光る硬貨をオーバースローで体育館の中央辺りに放り投げた。
「十万円玉って実物始めてみたよ」
「まっ、当時、たくさん出回った贋物やけどね」
二階で行われる暢気な会話の間も、硬貨はクルクルと回転しながら徐々に重力の命じるまま、体育館の木目調の床へと接近していく。
外から聞こえてくる陸上部の掛け声。その間をぬうように、硬質な音が響き渡った。
だが、それは予期されていた硬貨が床へとぶつかったときに生じるあの甲高い音ではなかった。
金属の指と、金属の指が、ぶつかり合う鈍く不快な音だったのだ。
次の瞬間、前方から爆音が響き渡った。
「先手を取ったのは、クロエみたいだね」
「亡者化【フェティシズム】、全てのものを金で買えるようになる、「金蔵」そのものを象徴する異能やね」
「M134両手持ちによる集中砲火か。既存の兵器をそのまま運用することを目的にしたギガントの思想にはマッチした使い方ではあるよ」
「けど、この程度では勝てへんな」
部長の言葉通り、多くの映画の中で愛用された一秒間に百発を誇るM134の絶対的な火力をもってしても、いつの間にか髪の色を紅へと染めたエルナに傷一つつけることは叶わないようだった。
「下らない。こんなもので、わたしをどうにか出来るとでも?」
右手に持ったレーヴァテインを無造作に華奢な肩に置いたまま、エルナは左手でボクの腕を掴んでクロエへのいる舞台へと直線で駆けていく。M134から打ち出された弾たちは、まるで見えない溶解炉でも存在するかのように、彼女の周りで融解し床へ、ぽとり、ぽとり、と落下する
溶け落ちた銃弾は、そのまま床を燃やして彼女の進む道を炎で彩り。
目映く光る剣先は、一閃の元にボクたちの道をはばむ無粋な網を灰へと変えた。
「では、これならご満足頂けるでしょうか?」
今度は続けざまに合金と合金がぶつかり合う音が響き渡った。
白い、光。次いでボクの耳に、地面を揺らすような轟音が重ねて強襲する。
「今のはジャベリンだね」
「ほんまにっ。今のジャベリンなん?CoD4でお世話になったのに、適当に流してしもうたわ。もう一発撃ってくれへんかな」
「どうだろうね。クロエもあんまりサービス精神を発揮してる場合じゃないみたいだけど」
爆発の中心にありながら、走りを止めもしないエルナを見て、眞子はしみじみと感想をもらした。
「やっぱ、四星では五星には叶わないってことなのかな」
先ほどの爆発により床は深く抉られ地面を露出し、火の気はさらに広がり、周囲には黒煙が満ちているというのに、エルナとボクには何の影響も存在していないようだった。先ほどの光や音にしても、何らかの後遺症を残してもおかしくないレベルのものだったはずだが、実際には普通に見えるし、普通に聞こえるのである。
「五星が化け物の類なのは否定せんけど、その中でも、姫さんはかなり特殊な部類やで。あのレーヴァテインは、あらゆる害悪から使い手を守る最強のお守りやから」
「スルトの剣にそんな定義──あっ、まんま破滅の杖ってことか。それはまた、ひでぇチートもあったもんだね」
「同感やけど。上には上がいるわけやから」
何故か、部長とばっちりと目が合ってしまった。
ボクは慌てて目をそらすと、上手い具合に黒煙がどき、こちらの位置からも見渡せるようになった舞台の上に視線をやった。
「いない?」
「気づいていなかったんですか。爆発があった時点で、もう舞台の上には姿はありませんでしたよ」
いつの間にか空っぽになっていた舞台に向けられたボクの台詞に、振り向きもしないままエルナが言葉を返した。
ボクたちはとりあえず先ほどまでクロエがいたはずの壇上へと足早に駆け上がったが、そこにはあれほどの巨大な構造物が立っていたにも関わらず、へこみの跡一つ残ってはいなかった。
「ありませんでしたって、あんな大きいものが突然姿を消せるはずないだろ」
今度はエルナは返事を返してくれなかった。代わりに、上からの解説が、ボクの疑問を解消してくれた。
「いわゆる一つの光学迷彩だよ、みっくん。ギガントに積んでるうちの技術の応用なんだけど、ほんと分からないものだね」
「わいからしたら、こっちの方がよっぽどチートなんやけど」
「そんなことないよ。これ凄い燃費が悪くてさ。ギガントが内臓バッテリーだけで光学迷彩なんて使ったら3秒も持たずにガス欠のはずなんだよね」
「なるほど、亡者化【フェティシズム】によるエネルギー供給との合わせ技で動かしてるわけやね」
聞けば聞くほど、色々な意味で反則な話だったが、それでもボクは安心していた。今までのやりとりを見る限り、クロエにはエルナを傷つけられる目すらなさそうだったからだ。
しかし、ボクの考えとは裏腹に、エルナの顔色は冴えなかった。
ボクがその理由を聞こうと口を開きかけたとき、舌打と共にレーヴァテインが舞った。
「お楽しみ頂けていますか?まあ、その様子を見る限り、聞くまでもないようですが」
信じられないことが二つあった。
一つは、体長2メートル以上ある鉄の塊が、平然とピンと張られたバレーボールのネットの上に危なげもなく立っていること。
一つは、いつの間にか白亜に塗られた2種類の設置型の銃火器たち──ボクのwikipedia仕込みの知識が正しければファランクスとRIM-116 RAMが、12ある卓球台の上の幾つかにその凶暴さを隠さずに鎮座していたということ。
あたかも満天の星空のように光を放ちながら、こちらへの攻撃が開始された。
「少しは、楽しませてくれるようですね」
エルナはそう言って何でも無いという風に笑ってはいたものの、せわしなく振るわれ続けるレーヴァテインと、その血の気の引いた顔がボクたちの現状を雄弁に語ってしまっていた。
「いつの間に、こんなことを」
思わず漏れたボクの悲鳴にも似た台詞に、頭上から容赦ないツッコミが降り注いだ。
「四条くん、考えれば分かることやろ。いちいち指を鳴らさなきゃ使えん異能なんて、不便でしょうがないで。アレは相手の思考を縛るためのブラフや。もちろん、姫さんだってそれくらいのことは分かってたんやろうけど」
「そのブラフごと力技で打ち砕こうとするだろうってエルナの性格を見越しての、罠だったってことだよね」
二人の解説に、エルナは何を言うでもなく奥歯を噛み締めていた。
「それより、たかだかピンポン玉を跳ねさせるために作られた台の上に、明らかに許容量を遥かに超えた重さの兵器が設置されてることの方が問題やと思うんやけど」
「そうかな?こんなの単なる重力場の制御だよ。光学迷彩だって空間を歪めてるだけだしね。タネは明かせば、つまらないものでしょ」
「眞子ちんがそれを理論化したって話は有名やけど、実用化されたなんて話は知らんかったわ」
「けっこう前に成功したんだけどね。軍の機密とかあって後30年くらいは公表できない感じかな。そんなことより、一秒間に千人以上は殺せる火力を集中させて、傷一つないんだから流石だね」
「たまに忘れそうになるけど、眞子ちんは本当に本物やから始末におえんわ。まっ、本当はこの程度では足りんはずやで。四条くんを守りながらでは、これが限界やってことなんやろうけど」
頭上の二人の台詞を受けて、クロエは己が勝利を宣言する。
「ええ、わたくしもこれでエルナ様より勝ったなどとは思っておりません。ですが、今回の勝負は、こちらの勝ちということにしては頂けないでしょうか」
「ふざけたことを言わないで下さい。まだ勝負は始まったばかりですよ」
「確かに、これは一種の拮抗状態です。しかし、疲れることのない機械と貴方様御自身が競い合えば、最終的にどちらが勝利するのかなど、分かりきったことでは?」
「確かに、分かりきっていますね。わたしが勝利することは」
「そうですか。残念です」
クロエはそう言うと、また指同士を鳴り合わせた。
瞬間、弾の密度はいっきに二倍になった。
空いていた卓球台の上に火砲が増設されたのだ。
「さながらルナティック紅魔郷ってとこか」
「何を言っているんです?」
「いや、こっちの話だよ」
「そうですか」
剣は今なお縦横無尽に振られ続けていたが、エルナの顔色は先ほどより明らかに良くなっていた。どうやらクロエの側も詰み切れないといった状況らしい。
女の後ろで守られながら、ボクはこれからどうするのが最善だろうかと考え込んだ。
「実際のところ、勝てる見込みってあるの?」
「もちろん、あります。亡者化の性質を考えれば、あちらの財布が空になるまでこちらが耐え抜くか、そこまでいかなくても、許容できないほど資金を減らすことが出来れば、相手の方から負けを宣言するでしょう」
「エルナの見立てだと、どれくらい耐え抜けばいい感じなの」
「そうですね、およそ一月と言ったところでしょうか」
ボクはしばらく沈黙すると、自分の親指の肉を歯で噛み千切った。
「エルナ、これで君の負けだと思うけど?」
「──わたしの勝負は、クロエから四条御言を守ることです。自傷行為はその範疇に入りません」
言われてみれば、その通りである。ボクは赤く染まった右の親指をじっと見つめた後、その場で地面にしゃがみ込んだ。
「お兄様、何をなされているんですか?」
「いや、口じゃなくて指なら出してもよかったのかなと思ってね」
床に血で適当に「ド」と書きながら、ボクはクロエの質問に答えた。一時期の試行錯誤の結果、言葉でなくて文字でも、場合によっては同じ効果が発生するのは確認済みなのだ。
「それで、わたくしの意志を捻じ曲げようというわけですか」
「それは無理でしょ。眞子が、言葉は効かなくても文字なら通じるなんて、穴のある状態で、君をボクの前に紹介するとかありえないし」
「たまにだけど、みっくんの信頼が重いよ」
「違うのか?」
「違わないけどね」
ボクたちのやり取りに何を思ったのか、クロエは長々とため息を吐いた。
「ちなみに、何と書くつもりだったんですか?」
「とりあえず、ドルの価値を暴落させてみようかなって」
「そんなことをすれば、何十億もの人が困ることが分からないほど、馬鹿ではないようにお見受けしたのですが」
「だから、その前にクロエが折れるかなって。ボクの力による世界経済への影響なんて不確実なものを、喜んで受け入れるほどギャンブラーっていう風にも見えなかったしね」
「もし折れなかったら?」
「そのときになってみないと何ともね。少なくとも、体育館で一月もずっと過ごすなんて耐えられないとは思うけど」
無責任なことを言っている自覚はあった。だが、世界への責任を背負うなんて大それたことはボクには到底無理な話なのだ。
途切れることなく続いていた銃撃の嵐が、ピタリと止まっていた。
「お兄様、二人だけでお話したいことがあります。この後、時間よろしいですか?」
「別に構わないけど」
「では、わたくしの負けです」
クロエの宣言と共に、設置されていた火器たちと彼女の身を包んでいたギガントがまるで最初から存在しなかったように体育館から姿を消した。
「まあ、当然の結果でしたね」
額の汗を拭うと、エルナは平然とそうのたまうのだった。
次でとりあえず終わります。
エルナのキャラ設定を作り直して、三人称もので再スタートさせたいようかななどと思ったりはしています。




