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4 愛の料理哲学
エミリアが母親の病室にスープを運ぶと、部屋全体が温かな湯気に包まれた。薬草の香りが優しく漂い、母親の青白い顔に微かな血色が戻る。
「愛情のこもった料理は、人の心を癒すのよ」
母親が弱々しい声で、けれど確信を込めて言った。エミリアの手料理を一口すすると、まるで魔法にかかったように表情が和らぐ。
「でもね、エミリア」母親が娘の手を握る。「本当の愛は、相手のために自分を犠牲にすることじゃない」
窓の外で、小鳥たちが巣作りをしている。つがいの鳥が協力し合いながら、愛の住処を築いている光景が微笑ましい。
「共に幸せになること……それが真実の愛よ」
母親の言葉がエミリアの心に深く刻まれた。愛とは与えるだけのものではなく、共に分かち合うものなのだと。
「共に幸せに……」
エミリアは母親の言葉を反芻しながら、愛の本当の意味について考え込んだ。




