16 愛の告白と運命の変化
満月の夜、薔薇園は銀色の光に包まれていた。エミリアとアドリーは、いつものように散歩を楽しんでいた。
「陛下……」
エミリアが立ち止まり、振り返る。月光が彼女の髪を照らし、まるで天使のように美しく見えた。
「私は……」
勇気を振り絞り、心の奥底に秘めていた想いを言葉にする。
「最初は家族のためでした。でも今は……あなたを愛しています」
告白の言葉が夜風に乗って、アドリーの心に届いた。彼の瞳が驚きで見開かれる。
「エミリア……」
「生まれて初めて……本当の愛を知った」
アドリーが彼女の手を取る。その瞬間、十年間凍りついていた心に、温かな炎が灯った。
「僕も君を愛している」
二人の唇が重なった瞬間、奇跡が起こった。皇宮全体を覆っていた氷の呪いが一時的に弱まり、薔薇の花びらが舞い散る。まるで時が止まったような、永遠にも感じられる美しいひとときだった。
「君は僕の奇跡だ……」
アドリーの瞳に、十年ぶりの真の感情が宿っている。
「私も……陛下といると本当の自分でいられます」
薔薇の花びらが舞い散る幻想的な場面で、二人は永遠の愛を誓い合った。
この瞬間、皇宮の氷が少し溶け始め、長い間見ることのなかった春の兆しが見えた。中庭の雪が解け、小さな緑の芽吹きが顔を出している。
翌朝、二人とも幸福感に包まれていた。
「これですべてが上手くいく……」
エミリアは確信していた。愛の力があれば、どんな困難も乗り越えられると。




