12 新しい仲間との出会い
「ルナと申します。今日からエミリア様のお世話をさせていただきます」
侍女の少女は十六歳ほどで、栗色の髪を三つ編みにした愛らしい外見だった。午後のお茶の時間、二人は親睦を深めていた。
「陛下は昔、とてもお優しい方だったのです」
ルナが昔を懐かしむような表情で語った。
「十年前から何かが変わってしまって……でも時々、昔の陛下が戻られる瞬間があります。エミリア様の料理を召し上がった時のように」
「昔の陛下……」
エミリアは興味深く聞き入った。氷の仮面の下に隠された本来の皇帝の姿を知りたいと思った。
「カイル隊長をご紹介いたします」
宮廷騎士隊長のカイルは三十歳前後の男性で、皇帝への忠誠と現状への憂いを同時に抱えていた。
「エミリア嬢が陛下の心を取り戻してくださるなら、我々は全力で支援します」
彼の真摯な瞳に、エミリアは強い味方を得たことを感じた。
「私が陛下の安全をお守りします」
毒味官ベルナルドは五十代の紳士で、長年宮廷に仕えてきた経験豊富な人物だった。彼の存在は、エミリアにとって大きな安心材料となった。
「一人じゃない……みんなが応援してくれている」
温かい人々との出会いが、困難な使命への支えとなることをエミリアは確信した。宮廷という冷たい世界の中にも、真心を持った人々がいることを知り、心が軽やかになった。
ルナの明るい笑顔、カイルの頼もしい存在感、ベルナルドの父性的な優しさ。彼らとの絆が、これから始まる長い戦いにおいて、エミリアの心の支えとなるのだった。




