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死神教師は休みが無い

ガヤガヤ…ザワザワ…

朝の教室は騒がしい朝によくそんなに盛り上がれるね。俺ちゃん陰の者だから無理だよ。

グループで世間話をしている陽キャ。くだらん話で盛り上がる陽キャ。あそこも陽キャ、ここも陽キャ、最近の若者は陽キャしかいないのか。

キーンコーンカーンコーン…始業のベルが鳴る。

この音俺ちゃん大っっ嫌い。

眠い目擦りながら学校来てもう一眠りしようとか思っていると始まりの宣告してくるからね。

やたら長い階段を上り、教室の前に行って、扉をあける。


「……おはよう………」

「「「「声ちっさ!」」」」


うるせぇ、こっちは夜は死神の仕事してるんだから声だって小さくなるさエブリデイワークデイなんだよ察しろ。…無理か。


死神---生と死を司る神。冥府で魂を管理していたりするが、この俺…三霊

涼真も死神ではあるのだが仕事内容が違う

冥界でも担当する部署みたいなものがあって大まかに分けると2つぐらいになる。

生者の魂を冥界につれていく案内部署と生者に取り憑く亡者を剥がす執行部署がある。

俺は執行部署なんだけど少し前までは案内部署だったんだよ?

何でも自決する人が増えて、冥界に大量の死者が一斉に来ちゃったんだよね。

原因を調べたら亡者が取り憑いてあっちの世界に誘導するとかいうことだったんだって。

つまりは、死季以外の人まで巻き込んじまったんだ。

ちょ~迷惑☆

んで二度とそんなこと起こらないように執行部署を作ったんだと。


んで俺も数年はやっていたんだけど亡者って行動するの大体夜なんだよ…ということで昼は教師、夜は死神のハードスケジュールで生活している社畜だよ。


「涼ちゃんせんせ~」


不意に生徒から呼ばれる。そして一枚のプリントが渡された

え、大丈夫?陰口とか書かれてない?…あっ仕事のか。

彼女も死神か…案外溶け込むのね学校って


午後6時…俺たち執行部署の仕事が始まる。

学校で貰ったリストを確認し、名前のあった人間を見つけ、亡者を殺す。

今日も変わらず見つけて殺す、見つけて殺すのサーチアンドデストロイ業務だと心を無にしているとスマホが鳴った。


「もすもす?リョーくん?」

「なんじゃいアーちゃん」


アーちゃんとは古い仲で異動前からも親交はあったんだけど執行適正がないからか事務的な仕事に回ったらしい。

俺ちゃんだったら即仕事ポイするのにえらいね。


「そっちの担当地区に大型の亡者いるって情報がきたから処理しといてね~バイバ~イ」

「ちょ、まって、俺やるとは一言も…」

ツーツー…ピッ

「アイツ…後で報告書いっぱい書かせてやる」


とにかくやらなきゃいけないし俺はビルの屋上から見渡す

こういう時都会ってキレイだよな

そこらで歩いている人も景色の一部になって美しく写る。

仕事ではあるけどバイトみたいなものだし少しだけサボっても…そう思って眺めていると遠くの方から異質な空気を感じた。


「あ~…多分アーちゃんの言ってた大型かな?でもあそこなら俺の地区じゃないんですけど…しぁあないか」


俺は長年の仕事仲間、鎌太郎を持ってビルからビルへ飛んでいった。


「あ~これは…先にやってるなら俺ちゃん要らなくない?」


亡者の気配を追って飛んできたらもう戦闘始まってるし大型なら3人くらいの新人でも狩れるし俺ちゃんは上で邪魔せずに見てるかな~なんてそう思っていると後ろから声が掛けられる。


「行かないんスカ?センパイ今月ピンチとか言ってませんでしたっけ?」

「現世で働いてるからピンチじゃないし年長者としては若いモンに譲った方がええじゃろ」

「うわ、ジジくさい事言っちゃって上司に言われても知らないッスからね」


こいつは紺野すみれ俺ちゃんの…後輩?かな多分そうだ

見かけによらず案外言われた仕事はきっちりやるし礼儀もなってる。こんな後輩に育てたのはどこの教師だろうな~

ちなみに得意武器はメリケンサックらしい。イメージ壊れるよね。本人は動きやすいとか言ってたけどストレス発散にしか見えないんだよなぁ…。

そう思いながら下を見るとちょっと変な事に気がついた。

大型を操っているような二重の気配…アレ危険だね

よし、休憩おわりっ…じゃ、いくか…


「俺ちゃんいってくるね」

「どこに…って、ちょ、」


俺は30階くらいのビルの屋上から前に体重をかける。

ヒモ無しバンジーってこんな感じなのかな生きてると感じられないからね貴重だわ~

そしてスーパーヒーロー着地練習しといて良かった。

カッコよくキまる。

そして今日もいつもと同じように執行するのだとこの時まではそう思ってた。

これが厄介な仕事に巻き込まれる始まりに過ぎなかった…。

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