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忘れられない感情は

作者: めめ

私の中の言葉にはだせなかった想いを少しだけ伝えてみました。


この想いを持ちながら過ごす日々。少しだけ皆さんに知って欲しかった。



この思いを口にしようとすると自分がわからなくなる。一体いつからでどんなものなのか…


小さい頃からの親友がいた。彼女はとっても可愛く仲が良く喧嘩しては仲直り、どんなきっかけで仲良くなったかすら正直覚えていない。

その頃の私は悩みなんてのは小さいことしかなくなんとなくを日々にぼんやりとすごいていた。

彼女とは昼休みも一緒帰りもほとんど一緒休みの日もまぁ大体は一緒に遊んでいた記憶がある。

私の記憶の中の彼女は小さい頃からお気に入りのツインテールの髪型をしていて気の強いところと少し泣き虫なところがありそこが好きでちょっぴり苦手とも思ったりしていた。自分が一緒にいてあげないと、当時の私は上から目線か世話焼きなのか…


彼女との思い出にはこんな記憶がある。

 あれは授業参観日だったかなんだったのかとにかく午前授業のみの日で雨上がりに彼女と一緒に帰り道を歩いていた。たわいもない話をしており駆けたり水溜りをジャンプしたりついには水溜りの中を靴を脱ぎ中に入っては蹴り上げまた水溜りを見つけては中に入りを繰り返しながら彼女との帰り道を楽しんでいた。彼女はとっても笑顔で私もつられて笑顔になり一緒に笑って帰ったのだ。その時の私のなかで『彼女といれば私はなんだってできる!』という感情が駆け巡ったのを覚えている。

 またある時の帰り道小さい横断歩道を渡り、原っぱのような土の山を越え、少し高いブロック塀の上を綱渡りのように歩いていた時のことだ。私が先頭、ブロック塀を渡りきり最後にジャンプ。次は彼女の番、彼女は少し怖がっていだが私が無事にジャンプを終えたことを見て油断したのかジャンプする瞬間転けてしまう。ジャンプが失敗に終わり彼女は怪我を負い膝から血を流していた。今にして思うとなんてことない傷だったと思うが当時の私は彼女が怪我を負うなんてことははなから頭にはなく、ましてや血が出ているなんてと思いすごく動揺したのだ。だが、そこでいつもは気が強い彼女は少し泣き出してしまう。私は考えた末自分のポケットから出した白い少しレースのついたハンカチを彼女の膝に押し付けた。そのハンカチは白く、汚れないかという心配もあったがなにより私の姉から借りたハンカチでもあり少し躊躇したが彼女が泣いているのを見て膝に押し付けた。

 その時の私は自分に満足していたのだ。また、塀からジャンプした時の姿なのか、泣いている姿なのか自分が手当てし終えた姿なのかわからないがとても彼女が綺麗に本当に綺麗に見えたことは確かだった。

『私が守らなくてはならない!』今にして思えば幼稚で小さなそしてどこか傲慢な思いが心を占めていた。数日は正義感を持ち過ごしていたがやがて薄れその後は何事もなく、また喧嘩すると彼女のことを鬱陶しく思ったり次の日にはどちらともなく何事もなかったかのように仲直りをして少し笑える日々と平穏で退屈な日々を過ごしていた。


半年か1年後、突然私は引っ越すことになった。距離は駅で言うと数駅だが徒歩ではいけない距離で子供の私達からするととても長い距離に感じたと思う。

引っ越しの話を聞いた時私の心を占めていたのは引っ越しが楽しみだと言う思い、あっちで友達は絶対作れると言う謎の自信。

 白状なのか子供なのか(笑)泣くほどの離れ難さはこれっぽっちも浮かんでこなかったのだ。

引っ越しの数週間前にはクラスとのお別れ会を終え、それとは別に仲のいい彼女と親友たちとのお別れ会も無事終えた、、

『さぁこれからだ』期待を胸に私は引っ越しを終え新しい学校、新しい環境、新しい友達、新しい親友との出会いを経験した。友達と遊びに行ったり喧嘩したり、喧嘩では終わらせられないようなこともあったりなかったり恋をしたり失恋したり希望だけでは乗り越えられない悩みなんてのもあった…


楽しくつまらない、平穏で退屈な日々。

こんな出来事が過ぎ去り私の中に残った感情は、

"『   』がいない"

だった。  


何を当たり前と思うかもしれないが平穏な時間を過ごしていたときがいかに大切だったのかを私はこれっぽっちも思いもしなかったのだ。


彼女は私のことを考えているのか、会いたいと思ってくれているのか、覚えていてくれているのか、思い出してくれているのか。そんな思いが駆け巡り、私の彼女への想いは友情から寂しさ、切なさ、憎さ、空虚、執着へと変わっていったのだ。


現在のこの感情の名前を私は知らない。

この感情はなんなのだろうか、友情はもちろんある、だがそれだけではない感情。恋ではない?なんなのか。


言葉にはしたくないのかもしれない。

自分のことがわからなくなっていく。


彼女との記憶はとても昔にあったことのようで、思い出せない部分もあった。人間とは思い出を美化してしまうと聞く、きっとそんな部分もあるのだろうか。

切なさを感じつつ自分の生活がうまくいっていないのを理由に彼女との会話を切ってみた。

すると今までのことが嘘だったかのように連絡は途絶えた。


私の想いは溢れていく、膨れ美化されていく。

あれほどの時を過ごした友との別れはこれほどに脆いものだったのか、また、それが普通のことであったのか。

私はこの想いと共に自分の退屈な人生を過ごしていくのだ。 





彼女は私を覚えているだろうか?

やっぱりあなたがいないとダメだとほんのり涙し追い縋る彼女を夢うつつで眺め私は彼女を忘れられずにいる。






読んでくださってありがとうございました。


皆さんはこの想いはなんだと思いますか?

よろしければコメント待っています。


1人にでも知ってもらえてよかったです。

彼女にはどうか届きませんように…

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