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テルさん

 セクント王国?どこだそりゃ?聞いたことがない。今時独立する国なんてないし?時代錯誤にもほどがある。

 えー本当に異世界?

 となると電話も衛星もつながらないことに納得がいくが...

 つか教養がないとか言われたけど大学生やぞ。KEKの博士の研究室入っとるんやぞ。


 とりあえず少女が心配だな。ここまで放置するってひどすぎると思うけど。


「あのー大丈夫でしょうか?」


 ビクッ


 いやアウトやん。これ事案もんやで。生気がないもん。

 これはそっとしておいたほうがいいのか。あの男たちがやったんだろうか。こんなになるってなにをやったんだ...キレそう。




 ...どうしようこの空気。何話せばいいんや...


「あの、私、佐藤悟と申しまして、あの、大学生やってまして、あの、突然の状況で何も把握できていなくて、あの、詳しく聞きたいのですが...」


 あのが多すぎ...コミュ障発動しとんなー。

 ...別に女性とあまり話してないからとかじゃないからね?


「...」

「えと、あなたのお名前をお聞きしてよろしいでしょうか?あと、差し支えなければなぜそんなに傷だらけなのかお聞きしたいのですが...」




 ゴソゴソ...


 あっ、起きた。


「テル、です」

「えっ」

「なまえ、テル、です」


 キャアーーシャベッターーー!当たり前か。テルか。しかし、かわいい。銀髪、少したれ目で童顔、小柄と守ってあげたい。傷がなかったらもっとかわいいと思うんだけど。Kawaii helps the world.

 ...別にロリコンじゃないよ?


「あの、なんでそんな傷だらけなんでしょう?もちろん答えたくないなら答えなくていいのですが...」

「...」


 話さない、か。当たり前だな。多分あの男たちにやられたんじゃないか?薄暗くてよく見えないけど最初に会った時ひどかったから...


 この状況についても詳しく知らなければならない。たびたびきくのは申し訳ないがこちらも緊急だからな。何から聞こうか...。


「あの、ここはセクント王国付近と聞いたのですが、本当でしょうか?」

「...たぶん、そうです」


 むぅ、証人が2人か...この話が本当ならこの世界は異世界なのだろう。現代において地球上に把握していない国があるはずがない。というか今まで普通に会話してたけど日本語が通じる。なんでだ?


「日本という国は知っていますか?」

「...知らないです」


 知らないか。日本を知らないのに日本語を話す...意味が分からん。異世界だとしたら、ラノベでよくある自動翻訳だろうか。


 ぐぅー


「...すみません」

「ああ大丈夫です。そりゃこんなとこにいたらストレスとかでおなかすきますもん」


 あらー赤面しちゃってかわいい。しかし、食料をどうするか...投げ入れられたものを食べるには抵抗があるし...食べたら死にそうだし。


「食事はどうしましょう?」

「...あれを」


 えーあれ食べるの?


「いやーあれはやめておいたほうがいいと思いますよ。異臭しますし」

「...そうですね」

「...寝ますか。疲れましたし」

「...そうしましょう」


 そうして監禁生活1日目は終わった。

タスクを犠牲に連続更新!

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