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プロローグ
夢で見た風景。緑に覆われた自然豊かな場所。
「ねえ、ここどこ?」
「ここが、オレの住む世界だよ」
隣にはいつも、同じ男の子がいて、優しく笑いかけてくれている。
追いかけっこをしたり、木に登ったり、海辺に行ったり、いろんな話をしたり。そうしていつも一緒にいて、ずっと寄り添ってた。
少し年上の、いつも優しかったその男の子。
「見て見て! ―――」
名前と顔は決まって思い出すことが出来なかった。
夢の中でしか会うことのできない人。
あの子、誰なんだろう…。