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プロローグ
燎原の火・・・野原に火をつけると勢いよく燃え広がり、近づくことも消しとめることも出来ないように、激しい勢いで広がっていき、止められないこと。
これは私が小さいときの話。
初めて愛を感じ
愛を教えてもらい
もらった愛情を倍にして返すことを学んだ
それは私を人間にしてくれた。
人間になった私は
取り返しのつかない過ちを犯し
自分のためでなく
他人のために自分を生かすことを決めた。
小さくて幼かった
けれど
分別はつく歳だった
あの時の決意が正しかったのかどうか
今はまだわからない
でも
掬いあげてくれたヒトがいたから今わたしはここにいる
愛し
愛されるために
私を掬い上げてくれた人の行為が正しかったと証明するために