日常の中の日常パート
そんなこんなあってキツ目さんという(勝手に俺が呼んでるだけ)お姉さんと出会ったその帰り道。
いつもの様に地下鉄に乗り、ローカル電車に乗って自宅へ帰る途中、ケータイが鳴った。
「今週の練習どーするー?」と脇詰からのメール。そうだ、スタジオまだ予約してなかったわ。
「予約しといて!俺は夜なら今週はいつでもオッケーです。っと」
スタジオ予約は普通毎回練習が終わる度に取るもの、と個人的には思ってるんだけど俺たちの場合はちょっと違う。
ライブ前になったら1週間連チャンで入ったり、ライブが決まってなければランダムで週1から2回程度で練習してる。
練習回数が少ないのはガチガチでプロを目指す、っていう志向ではないからだろうか。とはいえ新曲を作りながらだと正直週に1回の練習ではツラい。
まぁスリーピースバンド(ギターボーカル、ベース、ドラムの3人)だからほぼほぼシンプルな曲が多いけど、それでも曲のアレンジには時間がかかる方だ。
本当に短い期間で出来た時は1時間。時間をかけた曲だと一カ月はザラ。
最近は新曲のネタになりそうなリフ(曲の合間で繰り返されるフレーズ)を幾つか持ち込んで継接ぎしたり、歌を持ってって合わせてバンドのキメを作ったりして二、三回は練習する。
そんな曲作りを集中して一カ月くらい掛けて4、5曲作る時と、今の様にアレンジを詰めたりライブへ向けた練習(カッコ良く言うとリハなんだろう)をする時ではスタジオに入る頻度が違う。
今はまぁオフみたいなもんで、と言うか正直新曲が出来ておらずスランプである。
こういう時はなかなかモチベーションも上がり辛い。次のライブは割と好きなバンドが集まるから気合を入れていきたいんだけれども。
「そう言えばハイドレ、N.Y.ANKのO.A決まったってよ。」と脇詰
「うそ!?!?」
N.Y.ANKって言えば俺が好きなバンドの中でも5本の指に入る。
「でも、、、音楽性違いすぎねえ?」ついそんな事を思ってしまった。
ハイドレはどちらかと言えば王道的なものロック。音色をかなり使い分けながらみんなが歌いたくなる様な曲が多め。
それに対してN.Y.ANKは高速ドラムに高い声、パンク畑の音楽だ。歌詞も英語だし早くて何言ってるかは聞き取れないくらい。短く言えば早くてかっこいいバンドだ。
「だからかなー、ユート君が言ってたけど、ハイドレの昔の曲を多めにやるんだとさ。」あぁ、ハイドレも昔はメロコアだったって言ってたもんなー。それは興味あるかも。ていうかすげぇな。
「チケット3枚取っといたから。」手が早いな、あざす。
こうして先輩バンドの晴れ舞台を見に行く事になった訳だけども、もちろん大学の課題は終わっておらず。
ささっと家に帰った所で、すぐに知り合いに電話してレポートの見本を送ってもらう事にした。