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22.必死必殺必生必然


〈千夜城〉の城壁の淵を、まるで猫のような身軽さで走る一つの影がある。

 雑に染めた茶髪に、ラフに羽織っただけの忍者装束。

 忍者のコスプレが死ぬほど似合わない男、〈SILENT〉の擁する最強のAランク超能力者、瞬間移動(テレポート)使いの影内であった。

 彼の肩にはまるでマスコットキャラか何かのように、黒猫型に姿を変えたノワールの姿がある――その正体は量子コンピュータ内の仮想人格であり、黒猫型の外部端末(ロボット)を本拠地から遠隔操作しているだけなのだが。

『事態は予想通り、最悪の方向だ。先ほど、敷地内に〝あの小娘ども〟が突入したと情報が入った』

「最悪ってわりには、やけに声が上機嫌じゃないっすか?」

 通信機から届くクラヤミ総帥の声はやけに調子が弾んでいる。

 〈ライブリー・セイバーズ〉の乱入によって作戦の難易度はかなり高まることとなったが、総帥の性格からしてみれば願ってもない事態だろう。

 事態が難局に陥るのを楽しむなんて、まったく酔狂な男に惚れてしまったものだ。

 確かに自分も、敵が強いほど燃える性分なので、気持ちはわからないでもないが。

『今は漆原が単身で三人を食い止めているが、城内に入られては作戦がご破算だ』

「あのオッサン、もう歳だってのに頑張るなあ。それ、ほんとに大丈夫なんすか?」

『ほう、お前が人の心配をするとは珍しいな。影内』

「俺が心配してんのは、オッサンじゃなくて姉ちゃん達の方っすよ。俺、あの人と超能力無しで手合わせして、一度も勝てたことねえっすから」

 影内は軽口を叩きながら、城の壁にはめ込まれている大きな窓を見つけて足を止める。

 ガラスは充分に透き通っていて、中の様子も問題無く見渡すことができる。

 超能力といっても何でもアリの反則技ではない。

 影内の瞬間移動能力にしたところで、幾つか発動の条件がある。

 第一に、転移させる物体には自身が触れていなくてはならない。厳密には生体電流が通っているかどうかが判定の基準になる。

 第二に、転移先の空間に〝空気〟程度の質量のものしか存在していないほど。砂埃が舞っている程度でも簡単に転移を封じられてしまう。

 第三に、転移先の場所が視界に入っていること。壁や障害物を透過できない上に、視線で転移先がバレるという欠点がある。

 条件一つ潰されるだけで、無能力者のチンピラと同じにされてしまう。実際、過去には総帥にその弱点を突かれたことで敗北を喫している。

『正面で敵を引きつけている戦闘部隊と工作部隊も、そろそろ限界だ。お前が一刻も早く人質を救出できるかどうかが鍵だ』

 人質救出なんて地味な役回りだ。どうせなら正面で敵と戦いたい。

 最初はそんな思いから気が乗らない任務だったが、いざ作戦が始まってみたことでやっと気づいた。へたなザコを相手に戦うよりも、よほど緊張感が高い。

 舞台に必要なのは主役や敵役だけでは成り立たない。舞台裏の黒子(くろこ)だって立派な役の一つだ。

「……頭ではわかってたつもりっすけど、いざ本番なると焦る状況っすね」

『それだけお前を信頼しているということだ』

「ほんとにあんたは懐刀(おれ)の使い方が上手い」

 中卒、職無し、チンピラ崩れの自分に、あの総帥は吸血鬼に誘拐された大臣の息子を助け出せと命令を出してくれる。

 凶悪犯罪者にはなりそこなったが、悪の組織の手先になれたのは悪くない。

 窓越しに城内の様子を確認した影内は、一瞬のうちに転移して城内への潜入を果たす。

 物音一つ立てず、誰にも気づかれてもいない。鼻歌交じりに歩き始めたところで、肩に乗せていたノワールが彼に一声かけた。

「待った。君、人質がどこにいるか見当ついてるの?」

「そりゃあお前、足で探すっきゃねえだろ、こういう場合」

「時間がない状況だって言われたばかりじゃないか」

「あっ……そうだった。まじかよ。どうすんだこれ?」

「君一人じゃどうしようもないよ。僕がついてきて正解だったね」

 やれやれといった様子で呟いたノワールの目が、とつぜんピカッと光を放った。

 両目から放たれた光線が交差して精巧な立体映像を空中に投影する。

「なにこれ、すげえ! ロボみてえ!」

「だから猫型端末(ロボット)なんだってば。城の地図を入手して3D映像化したものだよ。これに赤外線センサーの反応を重ねて――」

 ノワールが呟くと、空中に投光された3D映像に、移動する光点の情報が加わる。

 城内を移動しているのが、おそらく敵の見張りだろう。光点の中には一つだけ、動きを見せずじっと一箇所に止まっているものがあった。

「これが人質の反応と見て間違いないんじゃないかな。歩き回ってる見張り出くわさないように気を付けてね」

「えっと……俺らの位置がここで、見張りがこう来てるから……よし、右か!」

「左だよ。地図も読めないのか君は」

 ノワールは淡泊な声で、影内が進もうとしたのと反対の方向を尻尾で指す。

 せっかく優れた道具が与えられても、使いこなせなければ意味が無い。

「猫に小判って言葉があるけど、あれって非常に侮辱的だよね。僕が本物の猫だったら怒りを覚えてるところだよ」

「え、本物の猫はそんなことぐらいで怒らないんじゃね?」

「なるほど、確かに。君にしては正論を言ったね」

「言葉が正しいかどうかと頭の良さは関係ねーだろ」

「君はときどき難しいことを平気で言うよね。自分が難しいことを言っているのに気が付いていないだけなんだろうけど」

 人外の能力を持つ男と、人外の知能を持つ黒猫だが、交わす言葉の内容はかなりくだらないものだ。

 そうこう言っているうちに、人質が捕われている部屋の前にあっさり到達してしまう。

「……妙だな、見張りが居ねえぞ」

 工作部隊としてつちかってきた勘が、影内の脳裏に嫌な予感をよぎらせる。

 音が立たないよう慎重に扉を開くと、広い部屋の中に一人の少年が座らされていた。

 両手を後ろ手に縛られ、顔には目隠しと耳栓。影内達が入って来たことにも気づいていない様子だ。

 そして身体には、やけに大きなベルト状の機戒がぐるりと巻き付けられていた。

 既にその可能性に気づいていた影内は、苦笑いを浮かべながら口にする。

「なあ……もしかしてこれ、爆弾じゃね?」

「そうみたいだね。中の構造を透過してみたけど、構成成分は爆発物だよ」

 冷や汗を流す影内とは対照的に、ノワールの様子はいたって冷静なものである。

「お前、なんでそんな冷静なんだよ!」

「だって僕、君と違って死なないし」

「血も涙もねーやつだな!!」

「だからないんだってば」

 見張りが居ないのは、人質の少年を見張る必要がないから――逃げ出すのが不可能な状態で捕われているからだったのだ。

 仮に助けがきたところで、爆弾を解除できなければ子どもと一緒に吹き飛ばされる。

 さすが戦争屋の看板を掲げるだけあって、やり方が実にえげつない。

「おいおい、どーすんだよこれ。こんなの想定になかったぞ!」

「まあ血も涙もないからこそ、君みたいに頭に血が上ったりもしないんだけど」

 そう言うとノワールは、今度は目から放った光を人質の少年に巻き付けられた爆弾に向けて、詳しい構造の解析を始める。

 一通り走査を終えたところで、内部構造を透過させた3D映像を空中に映し出した。

「なあ、今思ったんだけどこれ、俺の超能力(テレポート)で外せねえかな」

「やめた方が良いね。アナログ式の接触センサー内蔵みたいだ。君は対象に触れないと転移させられないんでしょ?」

「うーん……じゃあ、子どもの方を転移させりゃあいいんだ!!」

「それも駄目だ。外れた瞬間に起爆する。この子どもと君を、両方爆発の範囲外まで一瞬で転移させる必要がある」

「爆発の範囲はどのぐらいだ?」

「この部屋全体が吹き飛ぶぐらいの爆発量はあるね」

 解析を終えたノワールは、簡潔にこの状況を総括する。

「もしかして彼ら、最初から真面目に交渉とかやる気なくて、人質を救出に来た正義の味方を人質ごと吹き飛ばすのが目的だったんじゃないかな」

「……なんでそんなことする必要があるんだよ」

「その方が、より悲劇を演出して犯人たちへの憎悪を強めて大きな争いを起こすことができるからね。で、彼ら戦争屋はより儲かる。こういうの、桶屋が儲かるっていうんだったっけ?」

 ノワールは皮肉げに問いかけるが、影内は一向に返事をする気配がない。

 ただ真剣そのものな表情を浮かべ、静かに目したまま背中の刀に手を添える。

 総帥から『いざというとき意外は決して抜くな』と、強く念押しされていたものだ。

 影内の表情からは、いつもの軽い調子が完全に消え去っている。

「気に要らねえ。あいつら、悪の風上にも置けねえ。この小僧は絶対に生かして帰してやる」

 言葉と共に鞘から引き抜いたのは、一本の奇妙な細工の施された忍者刀だった。

 目立って特殊な機能が施されている様子もない。他の武器と材質が特別優れているわけでもない。

 ただ違う点と言えば、刃に沿って一筋の溝が走っていることだ。

「その刀、見覚えがあるね。刀の溝に液体を流し込めるよう注文を受けたやつだ」

 武器の製造に携わっているノワールは、その刀に見覚えがあった。

 いわゆる〝暗器〟と呼ばれる武器にこういった仕掛けの施されているものがある。

 刃の溝に毒液を注いでおくことで、斬りつけた際に傷口から毒を流し込めるようにし、致死性を高める目的で作られたものだ。

 暗殺を任務とする忍者にとって、暗器を持たされることは自然と言える。

「ちょっと不思議だったんだよね。確かに忍者ならそういう武器は持っててもおかしくないけど――でも君、エセ忍者だもん」

「なあ、ノワ公。この爆弾、どっかの線を切れば止まったりしねーのか?」

「一応、この線を切れば停止できるけど」

 ノワールが空中に映し出している爆弾の解析映像の中で、一本のコードが赤く強調表示される。コードは複雑に絡み合っている上、その要となる一本はかなり奥まった場所にあるようだ。

「でも、僕たちの手持ちの装備じゃ解体はできないよ。分かってるだけじゃどうしようもない」

「それだけ分かれば充分だ。その映像、写したままにしといてくれよ。狙いが狂ったらいけねえからな」

 影内はそう言うと、突然手にした忍者刀で、自分の腕を浅く切りつけた。

 傷口から血が滲み、刃に走った溝へ彼の血が伝い始める。

 一体何を始めるつもりなのか――不思議がるノワールを置いて、影内はにやりと笑みを作りながら言った。

「せっかく総帥の考えてくれた必殺技だが……まさか、人を生かす為に使うはめになるとはな」

 軽い調子で呟くと、影内は自分の血で濡れた刀を、居合い抜きのように構える。

 すっと短く息を吐いて集中すると、腰だめに構えた刀を一息に振り抜いた。

 ひゅう――と、刃が風を切る音だけが室内に反響する。

 勢いよく振り抜かれたはずなのに、刀に走っていた血は一滴も床に飛び散っていない。

 一体何が起きたのか。

 ノワールが問いかけようとした瞬間、空中に映し出されている構造図の中で、赤く表示されていた一本のケーブルが何の前触れもなく二つに断たれた。

「【我流抜刀術・無影刃】」

 何の派手さも鮮やかさもなく、ただ静かに事をやり切った影内は、刀を鞘に戻しながら技の名前を口にする。まるで、それが説明の全てだと言わんばかりだ。

「まさか今のって……」

「斬撃転移――俺様の奥の手だ。もっとも、技のアイデアを考えたのは総帥だけどな」

「さすがにこれは驚いたね……爆弾は間違いなく機能停止してるよ。まさか本当に止められるとは思わなかった」

「まさに神業って感じだろ?」

「君みたいな神が居たらいやだよ」

 刀の溝に血を流すことで、刀身全体を〝触れている〟のと同じ状態にする。

 そして刃に沿って滴る血液を転移させることで、斬撃だけを転移させるという技に仕立て上げたのだ。

 ノワールは呆れとも感心ともつかない調子で語りかける。

「でも、人外の化物ってフレーズは伊達じゃないね。人間じゃない僕にも、人間が君みたいな超能力者を恐れる理由が理解できたよ」

「ふふふっ。こいつは結構すげーだろ。でもこれ、普通の瞬間移動より百倍集中力要るし、疲れるからあんまり使いたくねーんだよ。総帥もいざというとき以外使うなって言うし」

「いや、理由はきっとそれだけじゃないよ。その技が怖いのは、クラヤミ自身も同じだ」

 ノワールは、人ならざる存在が持つ、独特の不気味さを伴った声で囁く。

「君、自分がヤミーと戦って勝てると思う?」

「総帥となら一度やり合ったことあるぜ。完膚なきまでに叩きのめされちまった。もう二度と刃向かおうなんてつもりは起きねえな」

「でもさ――今の技を使えば、勝てるんじゃない?」

 あらゆる物体を通過して、その内部に斬撃を強制的に転移させる文字通りの必殺技。

 今回は人質救助という、意外な局面で活かされることとなった奥の手だが、戦闘において発揮されれば凄まじい脅威だ。

「君の転移斬撃は、相手がいかなる守りに包まれていても無慈悲に無関係に攻撃を与えられる。クラヤミ総帥の〈常闇の鎧〉だって例外じゃない」

 クラヤミ総帥の強さは知略や分析能力だけではない。いつも肌身離さず着ている〈常闇の鎧〉があってこそのものだ。

 外部から与えられたあらゆるエネルギーを無効化する特性を持った、絶対不可侵の守りだが、逆に言えば鎧さえなければ中身はちょっと頭が良くて頭がおかしいただの人間だ。

 影内の使う転移斬撃は、あらゆる防御を無視することができる。いかに最強の盾を持つといえど、盾を無力化してしまえば、勝つのは矛の方なのだ。

「ヤミーが君にその技を使いたがらせないわけだよ。だって、君を味方に引っ張り込めば、彼を倒せるかもしれないって気がついちゃうもん」

「まあ確かに、誰だってそう思うよな。俺様だってすぐに気づいたもんよ」

「君の知能で気が付けるなら、世界中に誰一人気づかない人間はいないね」

 聞く者が聞けば、造反の誘いとも取られかねない会話だ。

 組織の幹部二人が作戦中にするような話ではない。

 だが影内はいつもの飄々(ひょうひょう)とした態度で気軽に言ってのける。

「でも総帥だって、そんなこと分かってることじゃねーか。自分の弱点になるような技を思い付いて、わざわざ人に教えると思うか?」

「普通は教えないね。僕には理解できないよ」

「そいつは俺が、総帥の懐刀だからだ」

 影内は屈託のない笑顔を浮かべて、誇らしげに胸を張って言う。

「総帥が俺の信頼を裏切らない限り、俺もあの人を絶対に切らない。懐刀ってのは、自分の急所に一番近いところに置いとく刀ってことなんだよ」

「……じゃあもしクラヤミが、君の信頼を裏切ったら、どうするんだい?」

「さあな。想像もつかないし考えてみたこともねーよ……ああ、いけねえ。無駄話が過ぎちまった」

 影内は自分の置かれた状況にはたと気が付くと、人質の少年につけられていた目隠しと耳栓を慌てて取り外す。

「おい坊主、生きてるよな?」

「……あれ、ここどこ? なんで忍者が助けに来てるの?」

「お、すげえ。久々に忍者キャラと認識してもらえたでござる」

「いまさらキャラ作りしても遅いよ」

 見栄をはって忍者キャラっぽく演じようとする影内に、ノワールが容赦無くツッコミを入れた。

 人質の少年は自分が捕まっているという自覚がないのか、目の前で起きる事態に一々驚きを見せる。

「え、この黒猫、なんで喋ってるの? なんで?」

「……しゃ、喋ってなんかないにゃあ」

「おいノワ公、お前も説明めんどいからって猫被ってんじゃねえよ」

 人質の拘束を解き、外傷や異変が無いことを一通り確認した影内は、部屋の外へ向かいながらノワールに指示を送る。

「ノワ公、総帥に人質は無事に確保したって連絡しといてくれ」

「君はどうするの?」

「退路の安全を確保してくる。救出作戦は家に帰るまでが救出作戦だからな」

「ああ、それなんだけど。今こっちに向かってくる反応が二つ――」

 ノワールが肝心な言葉を口にしかけたのと、それは同時だった。

 部屋を出て廊下に出ようとしていた影内の目の前に、二つの人影が飛び出してきた。

 そのうちの一つ――金色の髪を二房に縛った少女が、目を丸くして驚きの声を上げる。

「えっ……アンタ、もしかして影内じゃないの!?」

「ち、違うでござる。ただの通りすがりの忍者でござる」

「そんなヤンキーみたいな忍者がどこにいるのよ」

「……ちっ、お前相変わらず口が悪ぃな。梔子」

 慌てて適当に誤魔化そうとするが、まったくの手遅れだ。

 子どもとは違って簡単に騙されてはくれない。

 Aクラス超能力者〈瞬間移動〉使いの影内。

 そして同じくAクラス超能力者〈念動力〉使いの梔子鳴矢。

 二人の遭遇というよほど運の悪いこと(アクシデント)は、起こるべくして起きてしまうのだった。

影内くんのターン終了(不穏)

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Kindleを利用して前半部分のまとめを電子書籍として販売はじめてみました
ちょっとした書き下ろしの短編もついております。
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