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街道にて

「とりあえず、金だよなあー」


俺は、山道を歩いていた。俺は、体の変化した部分を元に戻す。キメラも慣れると以外に悪くない。


金もないし……寝床もない……さっきかっこつけてたけど俺、すぐ死んじゃうかも!


「やばいなぁ俺、野宿とかごめんだし」


どこかの街に入りたいな。

ここからだと白の国の街が一番近いか……

ここでこのカーラリア大陸に存在する国を説明しよう。


中央部の白の国

聖職者や光の魔術師などが多くいる国。高慢な貴族などの人が多く集まっている。


北部の黒の国

盗賊や暗殺者、闇の魔術師などが多くいる国。ちょっとヤバイ人達が多く集まっている。


南部の赤の国

武闘家や剣士、炎の魔術師などが多くいる国。強い人達が多く集まっている。


西部の青の国

賢者や水の魔術師が多くいる国。気品のある人達が多く集まっている。


東部の緑の国

獣人や風の魔術師が多くいる国。優しい人達が多く集まっている。


北東部の茶の国

職人や土魔術師が多くいる国。静かな人達が多く集まっている。



これがこの大陸に今あるすべての国。

ちょっと前までは、こことは違う大陸に魔の国と言うものがあったらしいが。勇者が見事に魔王を倒して滅ぼしたらしい。他にも大陸はあるがよく知らない。


それと、自由都市というものがある

普通の国なら他の国の人物が勝手に入国することは出来ないが、自由都市は犯罪者以外なら誰でも入れるのである。


南西部の商の都市

いろんな国から人が訪れて貿易や商売をする都市。


南東部の学の都市

魔法や剣術を学ぶためにある都市。基本的な魔術などはここで学ぶ事ができる。都市に入るのは自由だが入学には手続きがいる。


と、こんな感じである。


「さて、どうしようかな?」


今の説明で考えると、俺は都市を目指さなければ。

少し遠いけど仕方ないな……

目指すは学の都市だ。


俺は、街道を歩いていた。

歩いているだけなのも退屈なのでこの世界の魔法についても教えよう。

この世界の魔法は、大きく分けて三つある。

基本この内二つは修行さえ積めばどうにか習得できる。


一つ目は、普通魔法(ノーマルマジック)

これは一番基本的な魔法。自分の魔力だけを使い魔法を発生させる。空間移動魔法や回復魔法など生活に馴染みのある魔法から、幻覚魔法や肉体強化魔法などの戦闘用の魔法も普通魔法に属する。


二つ目は、自然魔法(エレメントマジック)

文字通り自然の力のエレメントと自分の魔力を混ぜ合わせて使う魔法。そして自然魔法には属性があり、(炎)(水)(風)(土)(闇)(光)と七つある。人によって持っている属性は違い、基本的に一人につき一つ属性を持っている。

シルフやマーメイドなどの種族は例外で絶対に決まった属性を持っている。


三つ目、これだけは修行しても習得出来ない者が多い。

それは、特殊魔法(ユニークマジック)

これも、一人につき一つ習得できる魔法だ。魔力を使って使用するところは、他の魔法と同じだが。この魔法には、習得するのに条件がある。例えば一番有名な特殊魔法だと、ドラゴンの攻撃を無抵抗で一時間耐え抜くと、(ドラゴン)(メイル)という防御魔法が身につく。しかし、どれも現実的に出来ない物や習得方法が不明なものなどがあるため、特殊魔法を使える者は少ない。しかし、それに見合った力を持っている。


と歩いていると、斜め前方の森の中から不審な気配感じた。

嫌な予感がして少し警戒する。


距離は結構あるな……

でもこの距離で気付けるのか狼やるな。


そうしてる内に結構距離が詰まってきた。


別に相手も気付いてる素振りは無いし警戒しすぎかな……


しかし、その時だった。


動きが変わった!

俺に気付いたのか!


動いていた気配が一気に三つに別れ、早い動きで距離を詰めてきたのである。


まだ結構距離はある。常人がこの距離で俺に気付けるのか?


しかし、明らかな陣形を組んでいる。


敵意があるかどうかは分からんが、警戒の余地はあるな

しかし、どうしようかな……


俺は、迷ったすえに俺は一つの決断をした。


接触まで五百メートルってとこか……

悩んでてもしかたねぇな。

突っ切るか!


俺は、前方ダッシュした。

接触する前にこの道を突っ切って通り過ぎる。


敵がそれに気付いたのか速度が上がる。


無理があるかな?

うーん無理だな……


俺は、諦めて立ち止まる。


距離は、声が伝わるくらいまで近づかれていた。


「おーい! 降参降参! もう逃げないから出てきてくれ!」


そう言うと、ピタッと街道が静かになった感じがした。

しばらくすると茂みから三人出てきた。


「驚きましたよ。いきなりダッシュするんですから」


出てきた少女が言った。

黒く艶のある長い髪。年齢は10代後半ぐらいだと思われる。すらっとした体、黒い瞳は透き通り優しさが滲み出ている。美しい和の雰囲気を持っている少女だった。腰には日本刀を挿している。


「もう、逃げないんだな」


もう一人は、男だった。この男も最初に出てきた和風の少女と同じくらいの年齢だった。

特徴のある赤い髪。瞳は赤く鋭いかんじがある。そんなに体は大きくないのにどこか重圧感がある男だった。背中に大剣を担いでいた。


「でも、私達にあの距離から気付くなんて。やるねーー!」


最後に出て来たのは、栗色の髪。小柄で可愛らしい少女。最初に出て来た少女とは対照的で元気で明るい感じの少女だった。しかし、一番に目につくのは、人間には無いはずの狼の耳と尻尾だった。こちらも年齢は最初の二人と同じくらいだと思われる。


「すまんな。向かって来るからちょっと驚いたんだ」


「最近ここら辺で、盗賊がでるんだよーー!」


「へえ、初めて知った」


「だから私達、緑の国の騎士が捜索しているのです。」


へえ? そりゃ大変だ……

あれ? でも……


「ここら辺は、白の国が近いんだから白の国の騎士が出るんじゃないのか?」


「その盗賊ってのが緑の国の出身なんだよ」


「へえ」


騎士様も大変だな。


「でも、俺は盗賊じゃねーぞ」


「はい、分かってます。手配書と顔が違いますから。」


「そりゃ良かった」


しかし盗賊か……だるいな


「まあ…気を付けるわ じゃな」


俺は、軽く手を振り別れ告げた。


「まあ、ちょっと待ってよ」


「ん? なんだ? 狼女」


「あなたの匂いを嗅ぎたいんだよ」


わぁーお! においフェチだ⁉ 初めて見た。


「近づくな! このヘンタイ! あっち行け!」

「違う! 違う! そうじゃないよ……」


「お前にそんな性癖があったなんて……」


「ちょっ 違うって言ってるだろ! 何でお前までそんな事を言うの?」


赤髪の男と俺は、彼女から距離をおいた。


「じゃあ、何なんだよ?」


「あなたの匂いを覚えて、追いかけれるようにしたいんだよ」


は? 今度は、ストーカー宣言⁉


「二度と俺に近づくな! このストーカー女!」


「お前最悪だな……今までお前のこと嫌いじゃなかったけど、見損なったわ」


「だから、違うって!」


赤髪の男と俺は、彼女からさらに距離をおいた。

狼の少女は、必死なっていた。


「はあ……私から説明します。ちょっといいですか?」


「ん? 何だ?」


さっきの和風の少女があきれ顔で言った。


「この娘は、見ての通りウェアウルフの少女です。」


「うん! そしてヘンタイだ」


「ちがーう!!」


「大丈夫ですよ。彼女は覚えた匂いはどこまでも追いかけるんですよ」


「ストーキングするのか?」


「だから、ちがーう!!」


「違います。あなたが盗賊に襲われた時に、私達が助けにいけます」


「ああ! なるほど」


「え? マジであたしが匂いフェチのストーカーだと思ってたの! それひどくない!」


「あなたが血を流すとその匂いにこの娘が気付いて、すぐに私達が駆けつけます」


「そうだったのか……」


「んじゃ、匂いを覚えるから」


「ああ……いろいろすまんかったな」


「大丈夫だよ。それじゃ匂いを嗅ぐからね」


そう言うと彼女は、俺の体中の匂いを嗅ぎだした。

とても、こそばゆいんだが……

次の瞬間、彼女は目を見開いて距離をとった。


「お前何者だ……?」



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