プロローグ
ファンタジーを書いてみたくて書いてみました。
更新日は、不規則になると思います。
魔法やモンスターのことをよく知らない所があるのでアドバイスなど、どんどんどうぞ。
ここは、魔物もでる森のダンジョンの奥地。
「やっと自由になれたな……」
とてつもない感動と爽快感、太陽がとても眩しく吹き抜ける風がとても気持ちいい。
思えばここまでの道のりは、いろいろな事があった。
元の世界で交通事故で死んでしまった俺は、気付くとこの世界に転生されていた。
騎士の家の長男として産まれた俺は、優しい家族に迎え入れられとても幸せだった。
頑固だが優しい父、優しくときには厳しく叱ってくれた母、そして元気で兄をとても慕ってくれる妹、そんな家庭で俺はスクスク育った。
しかし、幸せは長くは続かない盗賊に攻め入られ両親は殺された。俺は、妹を逃がすため囮になり盗賊に捕まってしまう。
奴隷となり売られた俺は、変な研究所に連れて行かれる
そこでは、人権無視の非道徳的な人体実験が毎日行われていた。
そこで俺には、キメラを創り出すという実験の実験動物にされた。毎晩、移植された細胞の拒絶反応や薬の投与による副作用で悶え苦しむ日々。
そんな中でも俺は、負けなかった。
俺は、たとえどんなに歪な姿になってもたった一人の肉親の妹にもう一度会いたいとう願いが俺を、生かしてくれたんだと思う。
そして、十年の年月が経ち17歳になったが、見事に俺はキメラになってしまっていた。科学者共を皆殺しにして研究所から脱走して来たのである。
「…………」
俺は、自分の右手を見る。
明らかに自分の物ではない物がそこにはある。それは、薄黒い毛が生えて鋭い爪が付いている腕だった。そう、人狼の腕だ。
「懐かしいな……アルフ約束は守ったぜ」
アルフは、研究所にいたウェアウルフの実験体だった。
最初は、いろいろな薬品の効力を調べる為の実験体だった。しかし、薬の副作用であいつの体は全く動かせなくなった。
最終的に、あいつは自分から俺に取り込まれることを選んだ。あいつの言った言葉が今でも記憶に残っていた。
『クソぉぉぉ……故郷に帰りてぇ……もう一度だけ野原を駆け回りてぇ……』
絞り出したような声で言った。
そして、泣きながら頼んできた。
『頼む! 俺もお前の中に取り込んでくれねぇか? そして、俺の爪で奴等に恨みをはらしてくれ!』
俺は、彼を受け入れた。たとえ魂は無くともお前が生きていたという証は俺が遺してやる。
「やっと自由になれたぞアルフ……」
俺は、腕を撫でながら言った。
気のせいか腕が少し疼いたような気がした。
思えば研究所では、いろいろな奴に助けられてきた。
人魚族の「エイナ」は、とても優しくみんなの中で一番信用されていた。
人猫族の「シオン」は勝気で男の子のような女の子だった。
森人族の「クロス」は、おとなしいがとても仲間思いの男だった。
小人族の「リア」は、おてんばで可愛らしい少女だった
そして、人狼族の「アルフ」元気が取り柄でいつも明るい奴だった
全員まだ生きている。俺の中で……
俺の記憶の中そして体の一部となって生きている……
涙が出てきた。
こんなことを考えても皆にはもう会えないのだ。
涙を拭い笑顔をつくる。
俺は、頑張ってみる。
笑顔で元気にこの世界を生きてみせる!
お前達の分までいろいろな物を見てくる。
それまで待っていてくれ!