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チェルノ・ボルジョノフ

 大通り、十字に広がるようにできたこの街は、中央の街の中心を置くように立派な建物が何時も目に付くようにできている。大きな建物に、硬いお偉いさん。俺達の事をわかったようなことを言いながら、何も変わっていないと、毎日が何よりの証拠。


 最近では、移住するために人が増え、新たに街の外壁と建物の増築を話が回ってきた。俺達を顎で使うように、そのふんぞり返ってやがる態度は俺は気に入らない。他のやつも文句ばかりで作業をしている。誰のために、生きているか、まるで言っているような気がしている。


 朝。俺は、外壁の小さな漏れがないか確認するために、自宅から出る。小さな自宅だが、愛すべき家族がいる。こんなつらい日々を乗り越えれる、温かい会話を聞く日々はとても好きだ。街の十字を路伸ばした大通りを外へと向け歩いてゆく。


 いつもの光景だが、綺麗に整頓されている街並みは嫌いではなかった。知っている顔は、案外生きていけば増えていくもので、歩くだけでも知り合いとは会える。大通りがその意味を成しているようにも感じる。だが、増えていくこの距離を俺はそんなに好きではない。


「ケッ。もう少しいいものは無いのか。この大通りを動くには足では遠すぎる」


 蛇足するように、長くなる道を俺は歩き続ける。日のいい朝だ。誰もが窓を開けながら、色んな会話が聞こえる。


「おばあちゃん!私の赤ちゃんよ。あまり外に出さないほうが」木で作られた乳母車に布を敷き詰め日向ぼっこをしている二人の女性が口論している「いいんだよ。こうやって、外に出せば祝福を多く受けれるから」またこの話、そういった顔が表に現れながら二人を家にいれようと頑張っている。


「やぁ、リゼットさん。おはよう」


「おはよう、ボルジョノフさん」手招きするように私を呼ぶ姿に足を止め「どうかしたのか?」二人の会話に口をはさむことにした「おばあちゃんが。天から祝福するために、毎日こうやって息子を外に連れ出すんだよ」怒る顔は老人へとむけられるが私は止めた。


「気持ちはわかるが、よく言うだろう。」私は昔話をするように彼女に伝える。


「昔から、天候は人や生命に新たな祝福を与え。その祝福は、風や、日によってもらえると」けどといいたそうな言葉を、無視する気はなかったが「聞いた話では、そのおかげで向こうの夫婦の子は、魔法が使えるか確認された時、できるようになったそうじゃないか」


「けど、魔法なんてねちねちねちねち。いろんなこと勉強したり、厄介な人たちが……」苛立ちでか、何時も言わない言葉が出てくる口に、俺は慌てて手でふさぐ。どんな人が利いているかわかった物じゃない。この街で、偉大な魔法使い様もその一人なのだから「落ち着くんだ。誰が利いてるかわからん」二人の目が周りを見渡し、誰も反応していないことに顔は戻ってゆく。


「気持ちはわかる。わかるけど……そうしたいわけじゃ」二人の問答がはじまりそうだったので俺は簡単に決めるように促すことにした「そうだ。ならこういったのはどうだろう」指を上げ腕を伸ばし太陽を刺し「二日ほど、休んで三日目にばあさんに、日向ぼっこをお願いする。それを繰り返す」何処か二人の意見の妥協点を探すように話を進める。


「そうだね。何日か決めながらやるのがいいわよね。おばあちゃん!明日はやめておくれ」


 二人の会話を背を向けるようにして俺は遅れたことを自覚して仕事場に到着する。


「遅いぞ~チェルノ」


 良く酒を飲む同じような仕事を任されている男が気軽にやって来る。


「すまんな。人様の話に首を貸してしまった。俺はどこから見ていけば良い」二人は歩きながら指をさし「変なことしてないだろうな?まぁいい。あそこまで確認してある。上の方がまだだが、よかったらそこから頼む」俺はまだ途中経過の、5メートル以上ある壁を見て「べっぴんな嫁がいるのにするものか!ふはははは。よし、上か。なら、上にいく梯子探してくるか」笑いながら動き始めた。


「そうしてくれ、俺は高いのが怖くてな。頼むよ」肩をたたかれ二人はわかれるように背を向ける「そういえば。夕方は酒場来るのか?」大声で会話しながら「ああ、行くとも」手を振り、作業へ向かった。


 ◇ ◇ ◇


 夕方を過ぎ、何時ものように古い酒場へと向かった。街の中央に近い昔は人気があったと言われている古い酒場は、薄暗く蠟燭の火は揺らめいている。


「いつ来てもくせぇな」換気をあまりしない事でくさい事が当たり前のこの小さな酒場では、人を選ぶように男達が良く集まる。小さく並べられた丸型の机を何個も用意されて俺達は、歌い囲むように時間が許す限り飲んでいる。


「おっ来たな!太いの!」朝あった「お前は細いのだな!ふはははは」仲間と酒を片手に乾杯する。何時ものように、お偉いさんの愚痴を言ったり、今日の出来事を言ったりと日常的にとめどない話で盛り上がる。

 少し酔うまでが、俺と、こいつの飲み時間。そう決めて一時間ぐらいが過ぎたころ。窓から見える景色は暗くなりつつあった「すまん酔い始めたから、お開きにするぞ」少し揺れた足取りは、何時ものように人の中をよけカウンターに置きに行く。


「おう!きおつけてな」


 俺は見送るように声をかけ、そろそろ帰ろうと考えていたところで一人寂しく飲んでいる男に目が向いた。細そうな、いかにも力仕事をしていなさそうなローブをかぶった人間サイズ「魔法使いか……」この酒場は、基本気性の荒いやつが多く、まともな魔法使いは寄り付かない。

 話し相手が見当たらない俺は、寂しそうな姿を見て歩み寄っていた。


「よう。魔法使いだろ」


「そうだ。あなたは?」


 口調はおとなしく、深くかぶりすぎた男のフードは顔を見せない。話し方的にこの酒場には向かないな。そんなことを思いながら話を続ける。

「ただの酒飲みだ。珍しくて声をかけた……こんなところで悩み事か?」洒落のつもりで「聞いてやってもいいぞ~。良いことないがな!ふはははは」そういった時。男と初めて目があった。


「そういう事なら試しに聞いてみましょう」間を置いた男は少し距離を近づける「なんだよ……俺は妻子持ちだ」肘を当てられ「そんな趣味はない」一括される。

 珍しい。魔法使いはこんなに体で表現するものなのか?あまりしゃべったことが無いが、今朝がた話していた内容が、俺の中の印象でもあった。


「魔法使いと、肉体系の人の使い方で悩んでいる。まとめてあげたいが、その違いは明白だ。ある事で僕はいい方法はないか考えていた。


「なんだ、お偉いさんにこき使われてるのか?可哀そうに。俺はな、あいつらが嫌いだからあまりお勧めはしないぞ」


「確かに、」笑っている男は酒の入った器を撫でながら「良いやつらではないかもな」笑ったような口ぶりで静かになった。俺は、酒場で何もしない時間は嫌いなもんだから、さっきの話を思い出すように考える。


「規模はどんなものを考えてる?」


「そうだな、できれば集めれるだけで効率の良いものを考えています。これから色々人が増えていく中で、より一層。魔法使いと一般的な人の差別的意識があるのが膨れ上がるだろうから、それを緩和する方向で、あれば嬉しいかな」


 何も言わず酒を飲みながら男の話を聞いていく。確かに、今は普通に魔法使いという存在はいる。気に入ってるか気に入らないかといえば、才能みたいなもので気に入らない。そんなやつをまとめるのは「めんどくさそうだな」何も考えずただ口が動いた。


「そう、めんどくさい。けど大事な事なんだ」


「仕事にしたいのか?」知らないそいつに、ただ気になる事を質問を投げかけるように俺は会話をしていた「そうだな。仕事として何か考えている。なんでもいいが、規律は僕がかかわる。僕は、そういった細かな事や、援助やほかの事も手伝える。他にも、できればまとめ役も探してもいる」


 大した話ではない気もする。仕事になれば、今はだれでも喜ぶだろうし、なんでもいいならなんでもすればいい。考えすぎな気もしている。


「なぁ、考えすぎじゃないか?ここにいる問題児たちは、仕事に飢えている。その仕事は狩りとかに回してやればいい。他にも……」何も言わずゆっくりと酒を飲んでいるそいつは言葉を待つように静かだ。不思議な奴だ「そうだ、討伐に、資源回収。伐採に水の獲とく。他にも、この街で起こる問題に対処すればどうせ、お偉いは欲しがれば行ってくるだろうし、あんたが言えばいい。魔法使いも一緒だ。奴らは固いだけで、内心その頭を使いたがっているだろう。使う場所をみんな探してるやつはいる。腕っぷしのいい奴も、含めてまとめて入れてやれば後はあんたが決める部分しだいだ」


 簡単に考えた部分だけをただ伝えるように、俺はこの話は、絵のようなものだと思う。誰もしたくはないこんなまとめ役。俺はめんどくさそうなことが嫌だ。他人がすることに何も言わんが、めんどくさそうなのだけはわかってる。


「じゃぁ、それで試すか」酒を飲み切るようにし、音をたてて机に降ろす「では、あなたには任せるとしよう」何を言い出したかわからないそいつの顔は、フードを後ろに下ろす。


「そういえば。あなたのお名前を聞いていませんでした?」


 そのフードががずれていくとき、理解できた「お前は、」堅苦しい言い方をするこの男は「お名前は?」俺の嫌っていた、野郎だった「チェルノ・ボルジョノフだ。すまんがあんたの事は嫌いだ。他を当たったほうが良い」急ぎ去ろうとする俺の服をつかみ「嫌いでいいですよ。嫌われるのは慣れています」にこやかな男の顔は、ますます嫌いになる。



――――――では命令です。僕を嫌うボルジョノフさん。明日、中央にある目立つ建物に来てください。

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