表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に来てもチートな能力ないんですが、なんとなく魔王様の嫁になりました  作者: 菱沼あゆ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/65

脱衣場に作ってみました

「そうだ。

 ロンヤード様。


 ドライヤーも作ったんですよ」


 エミリは脱衣場で、石でできた不思議な形のものを見せてきた。


 あっち、と指差した手の形のような石だ。


 中はくり抜いてある。


「あ、覗き込まずに少し離れてください」

と言ったエミリが三回その石を叩くと、くり抜かれた石の穴から熱い風が流れてきた。


「皆様、これで、髪をお乾かしください。

 ほんとうは昔のパーマネントの機械みたいなのの方が乾かしやすいし、作りやすいかなと思ったんですが。


 えーと。

 古い白と黒の炊飯器を逆にしたみたいなのなんですが……


 って、そんなこと言っても、よりわからなくなりますよね」


 エミリはちょっと恥ずかしそうにそんなことを笑う。


 確かになにがなんだかわからない。

 さすが神の子、とロンヤードは思っていたが。


 魔王は、そんなエミリの姿を微笑ましげに見ている。


「その形だと場所をとるので。

 やはり、ドライヤーにしてみました。


 どうぞ、お使いください。


 火山の溶岩の上を吹き渡る風を転移させてもらいました」


 ロンヤードたちはエミリと魔王の前に(ひざまず)く。


「もったいない。

 魔王様、エミリ様。


 我々ごときのために、このようなことまでしていただき……」


「よいよい」

と美々しい魔王は、王者の貫禄で微笑んで言う。


「エミリは今、発明するのにハマっておるのだ。

 付き合ってやってくれ」


 はっ、ありがたき幸せっ、とロンヤードたちが頭を下げ、かしこまったとき、エミリがドライヤーを手に魔王に話しかけた。


「魔王様、これ、温度や風量を調節できると良いのですが」


「うむ。

 では、転移させる風の位置を変えれるようにしてみようか」


 なんか……ほのぼのするな、とみんな、魔王とエミリが仲睦まじく話しているのを眺めていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ