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お化けの一生  作者: EFG
ハルの決心
29/58

エピローグ


「今日は楽しかったよ~また、誘ってね。」


「お菓子、ご馳走様~私もまた誘って~」


 遥香とヨシコは屋敷の門の前で、別れの挨拶をした。


「もちろん。いつでも来てよ~」


 ハルも笑って言った。


「総一郎さんも今日はありがとうございました。」


 遥香は上級生らしく、総一郎にもきちっと挨拶をした。


「いやいや。こちらこそ本当にありがとう。また、来てね。」


 総一郎は笑顔で答えた。


「桜さんも今度、メールするね~」


 遥香は桜にメールのアカウントを作ってあげて、メル友になったのだった。


 そして、ハルの持っていたタブレットに桜の言葉が入力された。


「はい。よろしくお願いいたします。」


 総一郎は考えた顔をして、つぶやいた。


「…その手があったか…」

「おい。」


 ハルは軽く、総一郎に突っ込んだ。


「じゃあね~」


 そうして、二人は帰っていった。


「桜おねぇちゃん。今日は本当にありがとう。助かったよ。」


 屋敷に戻って、ゲームを始めた桜に向かって、ハルは感謝した。


「いえ。お二人ともハルと違って、礼儀がしっかりしているので、話がしやすかったですよ。」


 ハルはムッとしたが、それでも今日のことは本当にうれしかったので、更に続けた。


「本当ありがとう。

 この屋敷にいるお化けが桜おねぇちゃんで良かったって、今は心から思ってるよ。」


 しかし、桜はゲームをしながら、何故か少し不機嫌な様子であった。


 ハルが不思議に思っていると、そんなハルに桜は言った。


「…そういえば、私のことをニート呼ばわりしていたそうですね…」


 ギクッと、ハルは身構えた。


 すると、リモコンがハルの頭めがけて飛んできた。


「あたっ!!」


 ハルは頭にリモコンを受けて、うずくまった。


「痛いな!!もう!!

 成り行き上、そう言うしかなかったんだよ!!」


 桜は無視して、ゲームを続けた。


 ハルはくそぅと思いつつも、自分が悪いとは思っていたので、飛んできたリモコンを元の場所に戻そうとした。


 すると桜は小さな声でつぶやいた。


「お二人ともとても優しい方です。

 大事にしなさい。」


 ハルはリモコンを元の場所に戻して、笑って答えた。


「うん!何度も言うけど、ありがとね!」


 終わり


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