エピローグ
「今日は楽しかったよ~また、誘ってね。」
「お菓子、ご馳走様~私もまた誘って~」
遥香とヨシコは屋敷の門の前で、別れの挨拶をした。
「もちろん。いつでも来てよ~」
ハルも笑って言った。
「総一郎さんも今日はありがとうございました。」
遥香は上級生らしく、総一郎にもきちっと挨拶をした。
「いやいや。こちらこそ本当にありがとう。また、来てね。」
総一郎は笑顔で答えた。
「桜さんも今度、メールするね~」
遥香は桜にメールのアカウントを作ってあげて、メル友になったのだった。
そして、ハルの持っていたタブレットに桜の言葉が入力された。
「はい。よろしくお願いいたします。」
総一郎は考えた顔をして、つぶやいた。
「…その手があったか…」
「おい。」
ハルは軽く、総一郎に突っ込んだ。
「じゃあね~」
そうして、二人は帰っていった。
「桜おねぇちゃん。今日は本当にありがとう。助かったよ。」
屋敷に戻って、ゲームを始めた桜に向かって、ハルは感謝した。
「いえ。お二人ともハルと違って、礼儀がしっかりしているので、話がしやすかったですよ。」
ハルはムッとしたが、それでも今日のことは本当にうれしかったので、更に続けた。
「本当ありがとう。
この屋敷にいるお化けが桜おねぇちゃんで良かったって、今は心から思ってるよ。」
しかし、桜はゲームをしながら、何故か少し不機嫌な様子であった。
ハルが不思議に思っていると、そんなハルに桜は言った。
「…そういえば、私のことをニート呼ばわりしていたそうですね…」
ギクッと、ハルは身構えた。
すると、リモコンがハルの頭めがけて飛んできた。
「あたっ!!」
ハルは頭にリモコンを受けて、うずくまった。
「痛いな!!もう!!
成り行き上、そう言うしかなかったんだよ!!」
桜は無視して、ゲームを続けた。
ハルはくそぅと思いつつも、自分が悪いとは思っていたので、飛んできたリモコンを元の場所に戻そうとした。
すると桜は小さな声でつぶやいた。
「お二人ともとても優しい方です。
大事にしなさい。」
ハルはリモコンを元の場所に戻して、笑って答えた。
「うん!何度も言うけど、ありがとね!」
終わり




