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第9話 緊急事態発生1

集団戦闘もきついですね。

文才の無さが露呈してしまう。

元からバレてるかもしれませんが。

「緊急事態発生!緊急事態発生!冒険者の方は集まってください!」


昨日の出来事にショックを受けすぎて、精神的につらいので魔法の練習もせずに、昼までずっとゆっくりしていると、急に緊急通報が流れた。


「ちっ!タイミングが悪すぎる!せめて、もう少し遅ければ!」


俺は慌てて、部屋を出て、1階に下りた。

すると、ミリーちゃんとララさんが待ち構えていた。


「リューくん、何してるの!?」


「どいてくれ。それと、この街から早く逃げて、森とは逆側に逃げるんだ。」


「え、でも、聖堂の方に集まれって。」


ミリーちゃんは困惑しているが、ララさんは困惑していなかった。

俺がある程度、今回のことについて、教えておいたからだ。


「いいから、荷物持って、森とは逆の方に逃げるんだ。」


「リュー君、あなたも。」


「ララさん、俺が言った通りにしてください。前に言ったでしょう。俺は行きません。それじゃ。」


「待って!」


俺は二人を押しのけて、宿から出て行き、冒険者ギルドの方に向かった。


――――――――――――――――――――


冒険者ギルドに飛び込むと、既にほとんどの冒険者がギルドに集まっているようだ。


「何で、ここにいるの?逃げるように言ったはず。」


入口付近にいた俺に声をかけてきたのは、レフィアさんだった。


「俺だけ逃げるわけにはいけません。それより、レフィアさん、予想通りですか?」


「そうみたい。」


俺がレフィアさんと話しているとギルド中にいた冒険者がこちらを見ていた。

それもそうだろう。

ギルド最強の華と名もなき雑魚冒険者が話していたら、誰もが気になるし、嫉妬もするだろう。


「レフィアさん、そろそろ、前の方に・・・」


「うん、行こう。」


「ちょっ!ちょっと!レフィアさん。」


俺はレフィアさんに腕を引っ張られて、強制的に前に連れていかれた。

ギルド内にいた全員の視線が俺とレフィアさんに集中していた。


「あ、あのレフィアさん?その人は?」


「私の弟子のリュー。」


「えっ、弟子?」


受付嬢が話しかけてきて、レフィアさんに俺が弟子だと聞いて、驚いている。

一部の聞こえていた冒険者も驚いて、ギルド内がざわついた。

そのせいで、どんどん他の冒険者にも広がっていった。

これはめんどくさいことになっていている。

ほとんどの冒険者から俺は嫉妬の視線をどんどん向けられていった。


「ま、まぁ、それはいいとしまして、冒険者の皆様、集まっていただきありがとうございます!今から、ギルドマスターが説明しますので、聞いてください!」


そういうと受付嬢は筋骨隆々の男と交代した。

男はかなり身長が高く、体格も大きい。

多分、高ランクの元冒険者だろう。


「よく集まってくれた。俺がギルドマスターのガルドフだ!現在、デリアの森から魔物がうじゃうじゃと出てきている。FランクからAランクの魔物が確認されていて、かなり大規模な魔物の氾濫となる。イブリスを守るため、お前らの力を借りたい!無論、討伐報酬は奮発しよう!参加するだけで銀貨1枚!Fランクの魔物は銅貨2枚、Eランクの魔物は銅貨8枚、Dランクの魔物は銅貨40枚、Cランクの魔物は銀貨2枚、Bランクの魔物は銀貨20枚、Aランクの魔物は金貨2枚とする!」


「「「「「うおぉぉっ!!!」」」」」


魔物も冒険者と同じランク設定になっていて、目安としては、同じランクの冒険者の4人パーティーで互角ぐらいとなっている。

今回の場合、報酬はすべて相場の2倍くらいで、破格の値段だ。

討伐報酬なので、魔物からはぎ取った素材を売った分の値段も報酬に加算されるということになる。


「お前ら!稼ぎ時だぞ!魔法専門は街壁の上で魔法をぶっ放せ!近接専門は魔物の群れに突撃だ!」


「「「「「おぉっ!」」」」」


ギルドからどんどん冒険者が出て行った。

慌ただしいとしか言いようがない。


「あなたはもう逃げて。」


「いえ、俺も戦います。街壁の上で魔法で援護します。」


「でも・・・」


「レフィアさんは主戦力なんですから、早く行きましょう。」


「・・・わかった。」


俺とレフィアさんは街壁の方に向かった。

レフィアさんも弓を使うので、遠距離戦組だと思っていたが、エルフということもあって、森の中での行動が得意らしいし、短剣を使って近距離戦もできるらしいので魔物の群れへ突撃していった。

俺も左腕があれば、突撃組の方に参加していたかもしれないが、今は魔法で街壁の上から援護するだけだ。


「Aランク冒険者のベルリアンだ。魔法組は僕が指揮してやろう。文句は受け付けない!指導呪文詠唱開始!」


Aランクならレフィアさんを除けば、一番高いランクになるだろう。

本来なら文句はないが、ちょっと上から目線なのが気に入らない。

才能はあるのか、20歳はまだいってなさそうなぐらいの年齢だ。


「「「「「『接続(Access)、我が魔力は世界に浸透する。』」」」」」


「全員、最大威力の魔法を待機させろ!」


森から魔物が出てきているのが遠目に見えた。

かなり大群で、ぱっと見で現在でも千は超えているように見える。

徐々に黒い大群がこっちに近づいてくるのが見える。


「まだ、まだ、まだ、今だ!放て!」


全員が第四階位以上の魔法を魔物の大群に向かって放った。

俺も理論上できただろうが、今までやらなかった魔法を試すことにした。


「『炎よ、迸れ!』『連鎖せよ!』」


俺は魔物の群れの中心に向かって第三階位魔法(ドライマギ)の『炎華(フレヴィア)』を放った。

炎華(フレヴィア)』は第二階位魔法(ツヴァイマギ)の『炎破(フレア)』を地雷のように発動させて、飛び散った炎の粉それぞれを起点にもう一度『炎破(フレア)』を多重発動する魔法だ。

威力と範囲で言えば、第四階位魔法(フィーアマギ)を超えるだろう。

問題は今の俺の魔力量だと、これを放つとほとんど魔力切れになることぐらいだ。

その代わり、たぶん今ので百近くの魔物を屠ったはずだ。


「はっ!はっ!はぁー・・・けっこう、きついな。」


魔力切れ寸前に近いせいで意識が少し朦朧としていた。

当分は次の魔法が放てそうもない。

魔法を放ち終わった後、近接組が魔物の群れに突撃していった。

魔物の群れは魔法である程度は削ったはずにもかかわらず、万に近い数が残っているように見える。

それでも、さすが防衛都市と言うべきか、みるみると魔物の群れを削っていた。

そうしているとイブリスの中央のほうから騎士達が行進していきていた。

緊急事態にもかかわらず、随分と重役出勤のようだ。

騎士団の魔法師隊が街壁の上に登ってきていた。


「よぉし、冒険者共!よくやった、俺達、騎士達があと請け負おう!あとは俺達の尻ぬぐいでもしているといい。」


「はぁ!?ふざけんな!」


「雑魚騎士共の尻ぬぐいなんて、したくねぇよ!お前らが俺達の尻ぬぐいでもしてろ!」


ベルリアンという奴も上から目線だったが、騎士団の奴は高圧的としか言いようがない。

冒険者は実力重視なので、上のランクが多少上から目線になるのは納得できる。

騎士団は貴族の子息が弱い癖に上にいることが多いので、冒険者は嫌悪感を抱いている。

騎士も冒険者のことを野蛮人や下民だと思っている。

冒険者と騎士はお互いに、嫌悪しあっているのだ。

そのため、騎士の言葉に冒険者の大半がヤジを飛ばした。


「うるさいぞ!犯罪者もどきが!牢屋にぶち込むぞ!」


「うるせぇ!職権乱用だ!」


「くそ騎士共め!とっと突撃して死んじまえ!」


「ええいっ!うるさいわっ!もういいわ!イブリス騎士団魔法隊、総員、『炎球(ファイアーボール)』、詠唱開始!」


「「「「「『接続(Access)、我が魔力は世界に浸透する。』『炎よ、球となりて、敵を焼き尽くせ。』」」」」」


魔法隊の全員が『炎球(ファイアーボール)』を発動させている。


「放てっ!」


魔法隊が魔物の群れに向かって、『炎球(ファイアーボール)』を放った。

100個単位で『炎球(ファイアーボール)』が放たれる様は圧巻だ。

この統一感だけは冒険者の連中も認めている。


「くそっ、冒険者達!騎士共に負けるな!各々、魔法を放て!味方に誤射はするなよ!」


「「「「「おうっ!」」」」」


俺はまだ魔力が足りないので、魔法を放つことができないので、前線の方を確認すると、騎士と冒険者がいがみ合いながら、魔物を倒していた。

お楽しみいただけましたか。

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