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第1話 プロローグ

お久しぶり、棚ぼたの夢です。

自分なりに文章をきちんと考えて書いてみました。

ところどころおかしいこともあるかもしれませんが、その場合は感想欄に書いてくれると嬉しいです。

よろしくお願いします。

「ここは?・・・どこだ?」


どこかのいいとこのホテルにあるようなベッドに俺は寝転がっていた。

さっきまで、学校に向かっている最中だったはずだ。

周りを確認してみると、部屋の内装もどこかのいいとこのホテルのようだ。

俺の手も元々より色が白く小さく綺麗な手になっていた。


「どうなってるんだ?」


どう考えてもおかしい状況だ。

ちょうど鏡が部屋の端にあったので、そちらに向かおうとしてベッドから落ちた。


「痛っ・・・くない?」


ベッドを顔から落ちたはずなのに、痛みが一切なかった。

ゴツンとかなり痛そうな音がなったにもかかわらず、顔に何かが触れたレベルの感触しかなかった。

何かがおかしい、とそう思った。

急いで、鏡の前に立って、自分の姿を確認した。

本来は黒髪黒眼で身長は180cmくらいの細身の男子のはずだが、今、鏡の前に立っているのは、金髪碧眼で身長は120cmくらいの美少年だ。


「・・・訳わかんねぇ。」


白昼夢か、ラノベで読んだ転生か何かなのだろう。

早急に状況を確認する必要があるし、異世界なのか、それとも外国なのかもまだ分かってない。

周りをキョロキョロと確認していると、ドアをノックする音がした。


「リューテスラ様、起きていらっしゃいますか?朝食のお時間です。」


「もう起きてる。今行くよ。」


どうやら、言葉は通じるし、俺の名前はリューテスラと言うらしい。

口の動きからして、日本語ではないようだが、聞き取れるし話すこともできるようだ。

日本語どころか、英語でもないことは分かったが、この体が記憶している言語なのだろうと考えた。

服を着替えて、ドアを開けると、メイドであろう女性が待機していた。


「珍しいですね。リューテスラ様が早起きなさっているとは。」


「たまたまだよ。」


「では、こちらへ。」


メイドの女性に着いていき、食事場の方に向かった。

メイドの女性が扉を開けると、中には男性と女性が1人ずつ、男子と女子も1人ずつが座って待っていた。

それを見た瞬間、今までリューテスラとして生きてきた記憶がフラッシュバックした。

この世界の名前はラフィリア。

魔法が全てを司る世界で、魔法以外では何があっても物が変形したり、生物が傷つくこともない。

だから、俺がベッドから落ちた時に痛みがなかったのはそれが理由らしい。

物理攻撃と言えるものはほとんど無効化されるようで、例外が魔法で岩などの物質を創造した場合や物質に魔法や魔力を纏わせた場合のみの物理攻撃が働くようだ。

俺のフルネームはリューテスラ・ラインヒール、カインズ王国のラインヒール伯爵家の次男らしい。


「どうした、リュー。」


「いえ、父様。ちょっとボーッとしていました。」


「そうか。」


今、声をかけてきたのは、リューテスラの父親、ゼブリスト・フォン・ラインヒール。

金髪碧眼の美男で、まるで20歳くらいに見えるが既に30歳を超えている。

フォンは貴族の当主とその正妻にしかつかない称号のようなものらしい。

だから、貴族の子供にはフォンがつくことはないらしい。


「大丈夫、リュー?」


「大丈夫です、母様。」


「そう?気分が悪くなったら、言いなさいね。」


「はい。」


今度、声をかけてきたのは、リューテスラの母親、リリアス・フォン・ラインヒール。

金髪碧眼の美女で、ゼブリストと同じ年で30歳を超えている。

ゼブリストは貴族にしては珍しく、妻は1人しかいない。


「遅いわよ、リュー。」


「すいません、姉様。」


声をかけてきたのは、リューテスラの姉、ラインヒール家の長女であるリディア・ラインヒール。

金髪碧眼の美少女で、リューテスラより1つ年上だ。

気の強い性格をしている。


「よく眠れたかい?リュー。」


「はい、兄様。ぐっすりと眠れました。」


最後に声をかけてきたのは、リューテスラの兄、ラインヒール家の長男であるエドワード・ラインヒール。

金髪碧眼の美少年で、リューテスラより3つ年上だ。

リューテスラに優しく、家族の中でリューテスラが最もなついている相手だ。


「座りなさい。」


「はい。」


俺はメイドの女性が引いてくれた椅子に座った。

ここまで案内して椅子を引いてくれたメイドの女性は、リューテスラ専属メイドのアーシアだ。

茶髪茶眼の美少女で15歳、メイドの中で最もリューテスラに年が近いため、専属メイドとされている。


「それでは、いただこう。」


「「「「いただきます。」」」」


食事の作法は地球と変わらないらしい。

銀か何かでできているフォークとスプーンで食べるようだ。

食事はカルボナーラのようなパスタとコンソメスープ、そして、デザートにパンケーキが出てきた。

食事中は喋ってはいけないルールなので、カチャカチャと食器同士がぶつかる音のみが食事場に響いていた。

朝食ということで、そう大した食事量じゃなかったので、すぐに食べ終わった。

しかし、全員、洗練されたマナーで食事をしているため、リューテスラの記憶を思い出したとはいえ、意識は日本人の俺では、フォークとスプーンでの食事マナーは洗練されているとは言いがたかった。

なので、食事マナーを守ることの方が大変だった。


「さて、全員、食べ終わったな。」


メイドや執事が俺たちが食べ終わった皿を下げていく中、ゼブリストが口を開いた。


「リュー、本来なら10歳から魔法の勉強を始めるが、我がラインヒール家は8歳の時から勉強を始める。リディと一緒に勉強しなさい。」


「はい、父様。ですが、兄様は一緒ではないのですか?」


「あぁ、エディは来年から学校が始まるので、別の勉強をさせる。」


「僕もリューと一緒に勉強したかったんだけどね。」


「僕も残念です。」


俺は魔法という言葉にここが異世界であることを理解した。

魔法の勉強となれば、かなり楽しみではあった。


「私は仕事に戻る。グルド。」


「はい、旦那様。」


ゼブリストが声をかけたのはグルド・ハイン、ラインヒール家の執事長だ。

先代、つまり、リューテスラの祖父が当主の時から仕えているらしい。

年は60歳くらい、白髪碧眼のお爺さんだ。

洗練された動きをしていて、立ち振る舞いにも隙が一切ない。

グルドは元々、ハインという苗字ではなかったらしいが、ラインヒール家によく仕えてくれたことから、ハインの苗字を授かったらしい。


「リューを家庭教師のところに案内してやってくれ。」


「かしこまりました。」


気品漂う動きでゼブリストに向かって礼をした。

ゼブリストはそれだけ言うと、即座に食事場から出て行った。


「リューもそろそろ魔法の勉強ね。頑張ってね、楽しみにしてるわ。」


「はい、母様。頑張ります。」


「じゃあ、リュー、私が案内してあげるわ!」


「うわっ!姉様!母様、兄様、失礼します!」


俺はリディアに片手を引っ張られて、食事場をドタバタと出て行った。


「お待ちください、リディア様、リューテスラ様。」


グルドも慌てつつ、音が立たないように俺達を追いかけてきた。

急いで追いかけてきているはずなのに、姿勢が崩れていないのが驚きだ。

まるで、普通に歩いて追いかけてきているようにしか見えない。


「入るわよ。キルア。」


少し走ると、リディアはバンッと扉を思い切り開けて、部屋に飛び込んだ。

部屋の中には赤髪赤眼の美女がいて、こちらを向いて椅子に座っていた。


「師匠と呼びなさい。この馬鹿娘。」


「馬鹿娘とは何よ!キルア!」


「だから、師匠と呼びなさい。」


俺は呆気にとられていた。

見惚れるほど、綺麗な女性だったということもあるが、仮にも伯爵家の娘に物怖じもせずに馬鹿娘と呼んでいることに特に

驚いた。

リディアは地団太踏んでムキーと怒っているが、キルアはそれを無視してこちらの方を見てきた。


「で、そっちは?」


「キルア様、こちらは、リューテスラ様です。」


「リューテスラ・ラインヒールです。よろしくお願いします。キルアさん。」


俺は右足を左足の後ろで交差させるように下げ、右手を胸に添える王国式の礼をした。

それを見て、キルアは眉を少しぴくりと動かした。


「へぇ、案外様になってるじゃない。リューテスラは長いわ。リューでいいわね。」


「かまいません。」


「私のことは師匠と呼びなさい、リュー。」


「はい、師匠。」


「あら、馬鹿娘と違って、聞き分けがよくていいわね。」


「こらっ!リュー、キルアの言うことなんて聞かなくていいの!」


「姉様、失礼ですよ。」


「もういいもん!リューにもすぐ私の気持ちが分かるわよ。」


リディアはフンッと顔を背けた。

それを聞いて、キルアはニヤリと悪い笑顔を浮かべた。


「まぁ、いいわ。魔法の授業を始めるわよ。」

お楽しみいただけましたか。

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