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5話 来夢の過去

 

『にゃにしてるんだにゃあああ!!』


 そう俺は叫ぶと女性はびっくりした顔でこちらを見るが、落ちるショックか意識を失ってしまう。


 俺は慌てて浮遊の魔法を発動して女性共々欄干のところに戻ってきた。

 女性はまだ気を失っているが、このままここにいたら騒ぎになる。倒れていたトランクはアイテムボックスに放り込んで、身体強化して女性を下から持ち上げるようにして自宅へテレポートした。

 そのまま女性を空きベットに寝かせる。


 女性は寝息をたてて寝ている。心労に負担があったのだろうか? このまま落ち着くまでは、ゆっくり眠らせておこう。俺も日本に帰って来ていきなりの出来事が多すぎて疲れてしまった。邪魔にならないようにベッドの片隅で丸くなる。しばらくウトウトしていたら、いきなり体を引き寄せられて、ギュッとされる。


 ちょっと苦しい……


 更に絞められる……


 このままだと死んでしまうかも……


 駄目だ


『やめるにゃあああ!!』


 女性はびっくりした顔でこちらを見る


「トラちゃん? 今話しかけたのは?」


『そうだにゃ!』


「きゃあーネコちゃんだから、語尾がにゃになるの?


『いや 突っ込むところが違うにゃ、そこはネコが喋ったことを突っ込めにゃ』


「あっそうか! でも死後の世界ならなんでもありでしょ?」


『死んでにゃいにゃ!ここは日本だにゃ!ちゃんと生きてるにゃ』


「でもあの橋から飛び降りたのは確かだし、あの高さから無事に助かるとは思えないわ、きっと転生して別の世界に来たんでしょ?」


『違うにゃ、あの橋から飛び降りたのは確かだにゃ、でも俺が魔法で助けたんだにゃ』


「ま ほ う ?」


『そうだにゃ、転生して来たのは俺だにゃ、ちょっとしたバカな女神のせいでネコの姿になってるにゃ』


「うそ!」


『うそじゃないにゃ。異世界で魔王も倒した賢者だったにゃ。でも何故かネコになって困ってるにゃ。』


「本当なの? 元は人間? 異世界から来たの? いくつなの? 何をしていたの?」


『ちょっと待つにゃ!俺より先にそっちの話しをするにゃ!なんで死のうとしたにゃ?

 あっ!俺を殺そうとしたにゃああああ!』


「あっ!ごめんなさ~い。なんかいきなり一人じゃ死にたく無くなって……」


『そんな……寂しいからで殺そうとしにゃいでほしいにゃ』


「本当にごめんなさい。自己紹介もう一度するね。

 私は岩田 来夢26才独身で彼氏無し。友人に騙されて借金背負わされて会社クビになって死ぬところだったぼっちです」


 重い……


 めっちゃ重い話だ……


『待つにゃ!なんで騙された借金で死ぬにゃ? お金があれば死にゃにゃくて済むのかにゃ?』


「うーん まだ借金あると思うから無理かな?死んで保険金出ないと今度は自分の友人に迷惑かかるから……」


『騙されたって言ってたにゃ?どうして騙されたのかにゃ?』


「前に会社にいた事務員の子が、私と私の友人の印鑑使って委任状と借用書に印鑑押して消えちゃった……そして借金取りが会社に来て騒ぐからって会社が給料と退職金を全部借金取りに渡してクビになったの……」


 なんだそれ?

 ツッコミどころ満載だな……



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