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アンノウンディザスターオンライン  作者: レンフリー
6日目 normalワールド探索(学校編)
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2.今日はどうする?何する相談

私がしばらく熊にやられた可愛い実績に注視をしているとマイルーム内に何かが出現する電子音が流れる。

どうやらアンズも来たみたいだね。

さて今日はどうなる事やら…と音のした方を振り向くと首元を(つか)まれがくがくと揺らされる。

ちょ…強い、マイルームの中なのに苦しいし気持ち悪い。


「ニィミリーーー!よくも見捨てたわね!電話も切ったままだったでしょ!?」


…そういやポータブルの着信拒否の解除ってしたっけ?

全然気にしてなかった。


「だけどアンズが真実を述べずに私を()めようとしなければこんな事にはならなかったよね?自業自得でしょ?」


「…それを言われると弱いですわ。」


まあ次は正々堂々と正面からお願いすればいいと思うよ。

当然私は拒否して逃げるけど。


「それはとりあえず置いておくとして、ゲームしなくていいの?ちょいとキツめのお小言もらっちゃったから時間は厳守するよ?」


「…それもそうですわね。まあニミリの母親の事ですからゲーム禁止じゃなくて別の制裁の気がしますのであまり気にしなくてもよさそうですわね。」


…するどい。

実はうちの母と通じてるとかないよね?

しかし今回は大丈夫、きちんと対策は取ってきましたさ。

そんな別の事を考えている私の前にアンズからカバンが差し出される。


「とりあえず預かってたニミリの分返しておくわね。」


「そういや頼んでたっけ?ありがとね。」


カバンを手渡してもらうと…どこに置いておこうか?

とりあえずたわしと同じように部屋の隅に陣取ってもらう事に決めた。

カバンを置くとアンズに向き直る。


「それで今日はどうするの?何か希望はある?」


「実はそこだけはきっちりと考えてきたのよ。」


ほう、計画性があってよい事だね。

ではその考えとやらを聞かせてもらおうじゃないですか。

私はマイルームの中央に座り込みアンズの意見を拝聴することにする。


「始めはveryhardにリベンジしようと考えていたのよ。」


「アンズはわずか一分で退場しましたからね?」


「ええ。けど、それだけだと何か足らないような気がするのよ。だから今回はそこそこの難易度でコミュニティールームを探してパーティープレイというのをやってみたいの!」


足りないものがわかったけどあえて口にしまい。

…そこまで他人の悲鳴を求めますかねこの人は?


杏子のホラー好きってそもそも琴線に触れる部分ってどこなんだろうね?

何かそこに至る経緯、風景、他人の不幸も全部面白がってるきがするね。

そこに私が関わらないならどうでもいいんだけど。

否応なく巻き込まれたのが現在である。

人の不幸で笑うのは年末の特番ぐらいにしてほしいものよね?


「じゃあとりあえずコミュニティールームとかいう機能ができたようだしそこから適当に探してみますか?」


「そうしましょうか?」


方針を決定するとマイルーム横の固定コンソールへと連れ立って移動する。

そのままパネル操作してコミュニティールームの一覧を表示させるとまあ結構な数が表示される。

けどルームの説明コメントを見てると大抵三種類ぐらいしかないと判断できる。


一つ目は「veryeasy」「easy」での開始位置付近での敵の撃破および戦利品の確保である。

これは普通のRPGのようなモンスター討伐の感覚かな?

けど大抵武器持ち込みで入室制限がかかっており非武装では参加できないようだ。

…私としては弾数に限りがある武器しかないのでなるべく避けたいかな?


二つ目は「normal」での開始位置からの突破である。

…開始位置からのってどういう事だろうか?

こちらは持ち込み制限がかかっていない…つまり手ぶら参加であるという点は利点と思われる。


三つ目は「hard」「veryhard」でのゾンビプレイである。

死に戻り前提で何とか模索していこうという点が漠然としているが毛色としては二つ目と類似していると思われる。

こちらは死に戻り前提のせいかアイテムの持ち込みが逆に禁止されているようだ。


四つ目としてコミュニティールームまたはheavenワールドでの会話…おしゃべりが目的の物もあるがこれは論外である。

選択した時点でアンズにしめられるのは確定だからね。



一番人気は一つ目に該当するハンティング目的の敵撃破の物であり、ひっきりなしに入室しては埋まって行く流れが非常に速い。

さて私達はどうすべきだろうか…って悩む必要はないかな?


「じゃあこのnormalの辺りの難易度で行ってみようか?」


「そうですわね…とりあえずその方向で行ってみましょう。」


それで絞って行くと実際には部屋が六つあることが確認できる。

しかし部屋の名前の付け方からして実質二つであることがわかった。


「存在するルームは『学校周り強硬突破Aチーム』『学校周り強硬突破Bチーム』『学校周り強硬突破Cチーム』『学校周り強硬突破Dチーム』『学校周り強硬突破Eチーム』『学校周り脱出調査部屋』の合計六つだけど名前の付け方からして前の五つはひとまとまりじゃないかなと思うんだけど?」


「力づくという事は犠牲もいっぱい…ここが一番ゲームとして面白そうですわね?」


「了解、それじゃあ早速…。あれ?」


入室しようとアクセスしようとしたらどれも満員のようだ。

その後一分ぐらい待ってみるけど新しく部屋が立ち上がることは無い。

どうやら出遅れてしまったようだね。


「残念入れなかったみたい。」


「仕方ありませんわね。では今日の所は残り一つへ参加で妥協しましょう。」


「了解。それじゃあアクセスするよ。」


こちらはまだ空きがあって入室もない…。

調査とか収穫が無さそうで人気が無いせいかわかりにくいせいなのか?

まあ確実に入れるのならばこちらには好都合である。

コンソールを操作して入室手続きを終えるとアナウンスが流れる。


『コミュニティールーム【学校周り脱出調査部屋】と接続しました。マイルームの扉より出入りが可能になります。』


ああ…扉ってこういう時のために付けてたのかな?

ビュンと移動でいいような気がするけど。


とりあえずつながったという事で私とアンズはコミュニティールームへと移動することにした。

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― 新着の感想 ―
[一言] >だけどアンズが諫言かんげんを吐いて私を嵌めようとしなければこんな事にはならなかったよね? 諫言:目上の人の欠点や過失を指摘して忠告すること。 この文章には当てはまらないのでは? 甘言か、…
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