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アンノウンディザスターオンライン  作者: レンフリー
3日目~5日目 ゲームをプレイしない日々
51/291

6.閑話 戦えぼくらのゴリラスくん! 中


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「normal」ワールドチャンネル1


固定開始位置である学校エリア、そのグラウンドにプレイヤーが十二名集結していた。

集まりは先ほどの一件とさほど変わらず「ゴリラス」君のお披露目…見せびらかしである。


けどやはりレアな物見たさでコミュニティールームはあっという間に満員となり、こうしてパーティーを結成して今か今かと待ち望んでいるのである。


変わっている点をあげるならば先ほどの無謀なプレイヤーと異なりこちらの男性プレイヤーはゲームに対する下調べ済みである。

hard以上は開始位置がランダムであり、かつセーフエリアではないという事。


そのようなチケットを使用する時間があるかどうかもわからない場所でリスクを(おか)冒すわけには行かない。

ではどうすれば一番効果的にできるか?


それを考えた際やはりnormalワールドが一番であると判断したのである。

基本セーフエリアから一歩出れば敵が登場するのはheavenからnormalまでどれでも変わらない。


しかし、heavenは一時間に一体沸くか沸かないかの閑古鳥、論外である。


そしてnoramlワールドは他と違った点がある。

設定ではもう感染状況が末期ということなのだろう。


セーフエリアの周りは高い鉄壁に覆われており、まばらに監視塔が設置されている。

上にも下にも防衛軍と警察官のNPCだらけであり、プレイヤーも登れる監視塔から学校の外を覗くと…。


外はゾンビで埋め尽くされているのである。

うめき声だけで大合唱であり、二十四時間途切れることは無い。

建物までは流石に埋まっていないが道路が一に対しゾンビが九というゾンビ密度である。


このためにゲーム開始から学校の外へと突破できたプレイヤーはいないし聞いたこともない。

強行突破しようとしたプレイヤーは例外なくゾンビの海に溺れ沈んで浮かんでくることは無かった。


しかしこのロボットでこのゾンビの群れを掃討できればどれだけ快感だろうか?

そう考えるとこの計画は実に良い物だと判断してここに至ったわけである。


「よーし、段取りではないけど最終確認するぞー。基本俺がロボットで敵を掃討していくから他の人は戦利品を確保してくれ。」


heavenワールドでも極まれに「よわよわゾンビ」を倒した後に壊れたアクセサリや財布等を取得できる情報は取得済みである。

ではこの数を倒せばどれだけ儲かるか?


それを狙っての今回のパーティー結成である。


「じゃあ出すぞー。そいや。」


男性プレイヤーはコンソールを操作してチケットを使用する。

すると頭上に銀色の円盤のようなものが…円状の境界が出現する。

そこからズズズとロボットの足が見え…全身像が見え…ズシンという音と共にグラウンドに着地する。


確かにオープン記念イベントで展示されていたもので間違いないだろう。

しかし展示されていたものと違い、虹色にまばゆく輝くボディは目に優しくなくものすごく目立つ。


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【MMG-003-OPANV「ゴリラス」オープン記念仕様】


オープン記念仕様に製造されたゴリラス。

派手な虹色の装飾は目立つこと間違いなし。


保護時間中「0:04:32」

このアイテムは保護時間中は召喚プレイヤーしか触れることはできません。


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召喚した男性プレイヤーのカーソルにはこのように映っている。

五分間は保護時間があるらしく召喚した隙にネコババされることを防ぐためであろう。


そう考えていた男性プレイヤーの真上にパサリと何か紙のようなものが降ってくる。

頭に手をまわしてみると何かの本のようである。


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【MMG-003「ゴリラス」操作マニュアル】

MMG-003「ゴリラス」の基本操作マニュアル。

これさえ読めば基本的な動作は可能になる。


取得可能スキル1:ロボット操縦(MMG-003) Lv1

スキル1取得確率:100%


重量:800グラム


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なるほどこれで操作ができるようになるのか。

男性プレイヤーはすぐさまマニュアルを使用してスキルを取得する。


そしてコクピットに乗り込む。

コクピットは頭の部分についており、オープン形式で金属フレームがついているだけである。

金属フレームの間から体を操縦席に滑り込ませると左右にあるレバーを操作しつつ、スイッチを入れてロボットにに火を入れていく。


『オープン記念イベントにご参加いただいた豪運者の方、お待ちしておりました。音声オペレーションシステムを起動しました。これより貴方様の操作のフォローをさせていただきます。』


男性プレイヤーはいきなりの音声にびっくりしてきょろきょろと辺りを見回す。

ひとしきり見回した後にようやく胸をなでおろし落ち着く。

どうやらこの機体ご親切にもナビゲーション機能があるようだ。

しかし、説明を聞くよりもまずは動かしてみたい。

動かして周りを驚かせたい。

そう気持ちがはやり音声を無視して色々とコクピットの中をいじりまわる。


『まず注意点として起動スイッチが入ってるだけでもエネルギーが消費されていきます。エネルギーがゼロになると起動停止状態に陥りますのでご注意ください。当機の装備は右腕の60ミリガトリング砲および左腕の高出力火炎放射器になります。60ミリガトリング砲は汎用的に使用可能ですが弾丸消費が激しいのでご注意ください。また高出力火炎放射器は射程は短いですが効果は高く水平以下の高さにしか攻撃できず…。


「ああ、そういうどうでもいい説明はいいから起動して出撃したいんだけどどうしたらいい?」


『…パイロットの要請により重要事項の説明を中断します。基本エンジンに点火されておりますのでレバーを前に倒せしてペダルを踏みこめば前進します。』


男性プレイヤーはうなずくと言われた通りにやってみる。

すると金属の巨人が足を前に出しズシンズシンとグラウンドを歩き始める。

下で見ていた他のプレイヤー達も歓声をあげる。


いい気分になった男性プレイヤーは次の質問に移る。


「学校の外に出たいんだが壁があって歩いては無理だ。どうすればいい?」


『両方のペダルをもう一段階強く踏み込んでください。背部バーニアを点火して一時的に飛ぶことができます。』


「え、まじで?これ空飛べるの?すげーな!」


聞いたままに男性プレイヤーはすぐさまペダルを勢いよく踏み込む。

すると背中の方で大きい噴射するような音が噴き出て、鋼鉄の巨体は徐々に前進しながら浮いていく。


「うっひょーいいじゃんこれ最高じゃん!」


『着地の際は自動接地が働きますのでペダルを徐々に離していただければ問題ありません。ただしあまり高い所から落ちると…。』


「はいはい、聞きたい事あったらまた言うから少し黙ってて。」


『…』


男性プレイヤーが駆るゴリラスは防衛軍の敷いた鉄の壁を超えるとセーフエリアではない道路に大きい物音を立てて着地する。

着地時にかなりのゾンビが踏みつぶされ、衝撃で吹き飛ぶがまだまだいっぱいである。


「で、攻撃方法ってどうやるの?」


『右レバーのボタンを押すとガトリング砲で、左レバーのボタンで火炎放射器で攻撃可能です。ちなみにレバーのサイドボタンを押すと腕だけ操作可能になります。』


男性プレイヤーはレバーのボタンを押すと動作を一通り学習する。

そしてこちらに群がり始めるゾンビの群れを確認するとにやりと笑う。


すぐさま左腕を動かしボタンを押す。

するとゴリラスの左腕から長いオレンジ色の柱が地面に向けてそびえ立つ。

柱に触れるものは全て激しく赤く燃え上がり、やがて黒く燃え尽きた後に地にひれ伏していく。


男性プレイヤーの気分は一言で言うと快感であった。

もう一度と思い機体を反対にむけると背後に多数いたゾンビの群れも焼却していく。


その様子を見下ろしていた他のプレイヤー達は歓声を上げる。


「やったな!こんなにここがすっきりするのは初めてじゃないか?回収してくるから援護は任せたぞ。」


「ああ、なるべく早く頼む。」


回収は他のプレイヤーに任せて自分はロボットで待機…随分楽をさせてもらっている。

あんな事があった後だが運営には感謝だ。


しかし、下から上がってくる声は期待とはかけ離れたものだった。


「だめだ、焼け焦げてる死体は保存状態もほとんど0%だし、所持しているものが何もない、というか燃え尽きている。さらに焼けた死体の臭いで最悪だ。ゾンビの処理は火炎放射以外でできないか?」


男性プレイヤーは少しだけ考える。

しかしドロップが無いのは問題だし、最初から答えは決まっていた。


「了解だ。次からガトリング砲だけで仕留めていく。このまま直進しながら掃討していくのでよろしく。」


男性プレイヤーはそう告げると機体を学校正面の大通りに向けると道を埋め尽くしている亡者の群れに対して猛烈な射撃を開始した。


…二十分後


大通りはガトリング砲という暴力でゾンビ・建物問わずずたずたに引き裂かれていた。

さすがに全てを引き裂くという事はできておらず道の端や建物の中などにはまだ潜んでいるのもいるだろうが大体は掃討が完了していた。

その死体の山を男性プレイヤーが操縦する巨大なロボットが金属の駆動音を立て、物言わぬ死体を踏み潰しながら前進していく。


『さすがにそろそろ残だ…』


「うるさい、今いい所なんだよ。おら、吹っ飛べ!」


前進するたびにゾンビの群れは道の先に視界に入る。

男性プレイヤーにはそれらを圧倒的な力で蹂躙するのが快感になっていた。


ロボットの足元で戦利品を漁っているプレイヤー達も圧倒的な戦果に目がくらんで戦利品に我先にと飛びついており誰も静止しない。

今までの苦労はなんだったのかと言わんばかりの圧勝状態。

操縦するプレイヤーは圧倒的な爽快感に満足し、他のプレイヤー達はその勝利に便乗し高揚しきっていた。


やがてそれも終わりは迎える。

右腕から発砲音ではなく代わりの音が聞こえてくるようになる。


カラカラカラカラ…。


光の放物線は停止し、ゾンビが倒れるというお遊戯が中断される。

男性プレイヤーは不可解に思いシステムに問いかける。


「弾が出ないんだけどどういう事?」


『撃ち尽くしたので弾切れです。』


「えーじゃあこの後どう補充するんだよ?」


『入手方法は現行では二つあります。一つは当機専用の弾を手に入れて補充する。もう一つは当機を持ち帰ることによる実績で得られるロボットハンガーを購入し、一定量を毎日購入するという方法です。後者は当ゲームのマネーであるウドを消費します。』


「あー課金しないとだめなのか…。まあ入手手段があるだけましかな?」


まあこんな無双装備である。

ある程度は仕方ないだろうと男性プレイヤーは割り切る。


「じゃあ、そろそろ戦利品を漁って帰る…。」


そう男性プレイヤーが言い切る前にピーンピーンとコクピット内に音が響き渡る。

確認のためにシステムに問いかける。


「今の音は何だ?」


『当機の対空レーダーに何か感があったようです。こちらに何か接近中、二時の方角…右前方から接近中です。』


「どれどれ…あぁ…確かにこちらに向かってくるな。」


何か奇妙なものがこちらに飛んでくる。

鳥…のようだが大きい、けどふらふらと飛んでおり何かバランスが悪いような…意図が無い飛び方をしているのか判断がつかない。


「何だあれ?鳥みたいだけど全然わからないな。」


『望遠カメラで拡大映像が出せますが見ますか?』


「おう、そういった便利なのはさっさと言えよ。」


ブンと音が鳴るとモニターに前方をふらふら飛んでいる鳥の拡大映像が表示される。

確かに羽があり、羽毛はボロボロだが生えている。

鳥の分類なのは間違いないだろう。

しかしおかしい点は二つある。

一つは首から上の頭がすっぱりと無い事である。

紫色の血を延々と垂れ流して地面に降らせ続けている。

もう一つは足である。

鳥の足は木に止まったり地面に立つために細い足に爪が付いているのが普通である。

こいつはそれに倣わず細い足の先に人の頭が付いているのである。

それぞれ若い女性と中年男性だろうか?

両足なので二つか…しかもカタカタと不気味に無理やり笑っているのである。

正直気持ち悪さ満載である。


「よくこんなの作るよな…。」


『システムとしてお勧めする行動は…。』


「よし、こんな気持ち悪いのはさっさと焼き鳥にしてしまおう!」


そう言うとまだ使える武装である左腕の火炎放射器を空に向けようと操作する。

駆動音と共に左腕は持ち上がって行き…水平な位置で停止した。

そこから男性プレイヤーが何度操作しようともそこから上には上がらないのである。


「なんで上がらないんだよ?!」


『最初の説明の通りです。当機の火炎放射器は地上目標を攻撃用に設定されており、どこぞの英国製の武器みたいな対空使用を考慮されておりません。』


「それでも何か方法あるだろ?教えろよ!」


『…腕が上がらないのであれば膝をついて上体を起こせば空には飛ぶのではないでしょうか?あるいはジャ…』


「よし、最初ので決定!」


そう言うと早速右足を地面につきながら機体の上体を後ろに上へ向けていく。

火炎放射器が射撃可能なぐらい上空に向けられると男性プレイヤーは射撃スイッチを押そうとするが、ふと首をかしげる。

射線の先に先ほどの鳥がいないのである。


「どこへ行った?」


『こちらの動作を見て少しだけ迂回したようですね。このままだと当たりませんね。』


「じゃあ上体を振り向かせれば…あれ?」


『胴体周りが回転するような設計にはなっていません。』


「もう一回やり直しかよ!?」


『そんなことをしてい…』


「うるさい、もう黙ってろ。」


男性プレイヤーはもう一度右足を立たせると鳥の位置に向き直り、先ほどと同じように右足を地面に膝をつかせるよう操作する。

その動作を見て鳥はまたこちらを馬鹿にしたようにわずかに進路を変えて迂回する。


「あの、馬鹿鳥め!こちらをからかいやがって!」


もう一回調整するために機体を立たせようとするが、そこで男性プレイヤーはふと気づく。

…あれかなり近くないか?


「や、やばい何か距離感つかめてなかったけどもうすっげぇ近いじゃん。おい、黙ってないで何か言えよ!」


『はい、近すぎますね。後十秒以内に取りつかれます。』


「そ、そんな…そういやさっきお勧めがあると言ってたな!あれは何だ!いいから言ってみろ。」


『距離があるから構わないでセーフエリアに帰還すればよかったのではないでしょうか?』


「そういうのは先に言え…うわ!もう目の前にぃ!?」


『ちなみに今のお勧めはジャンプして体当た…。』


男性プレイヤーはもうパニックになって聞いていない。

さらにこの機体、金属フレームでコクピット周りを囲っているだけでパイロットの身を守るような装甲は上部には一切ついていないのである。


『konnnitiwa---』


『otsukaresamadesu---』


コクピットの目の前に躍り出た鳥の足についている生首に話しかけられるとおびえきってしまった。

そんな男性プレイヤーに上から何か液体がぽつぽつと落ちてきて濡れ始める。


「あ、あちぃ!つうか溶けてる!?」


熱さに慌てて反応し、その先を見ると紫色の液体がコクピット内に垂れてきている。

先ほど拡大映像で見た時にまき散らしていた血のようなものであろう。

上を見上げると首が無い鳥の根元から少し垂れてきているのが目に入る。

そして鳥がこちらを見下ろすように首を徐々に下に向けてくる。


「う…嘘だろ…。」


そのまま男性プレイヤーの悪い予想通り、鳥の首元からは大量の紫色の液体がコクピットの中にぶちまけられる。

それはコクピットの中にあるものを例外なく蒸気を噴かせながら溶かしていく。


「じょ、冗談じゃね…。」


『ガガ…システムに深刻なエラーザザザ…、復旧は不可、停止します…ピピピ。』


ゴリラスのコクピットからは間欠泉のような蒸気が天に向かって噴出し、やがて前のめりに倒れ沈黙するのであった。

その中にプレイヤーの消える電子的なかけらが混じっていたのは言うまでもない事である。




…さて足元で取り残されたプレイヤー達はどうなったかというと。

何も連絡を受けていないためなぜゴリラスが倒れたのか…そもそも襲われたのかすら把握していない。

ただ小刻みに変な動きを始めたなというぐらいであった。


「あれ…こけてるんだけど…燃料切れか?」


「それとも何かに引っ掛かったのか?間抜けだなー。ちょいと様子見てくるわ。」


そう言うとプレイヤーの一人が倒れたゴリラスのコクピットに近寄っていく。

そして中を覗き込んだ瞬間。


「ギャーーー!」


悲鳴が響き渡る。

戦利品を集めるのに夢中になっていたプレイヤー達もそちらへ注目する。

心配してゴリラスに近寄った男性のプレイヤーは若い女性の生首に頭をガリガリとかじられている。

男性プレイヤーは必死に女性の生首を引き離そうとしているがその頭上に中年男性の生首が現れる。

中年男性の生首はそのままあごが裂けんばかりに口が開くと男性の頭をかじり食ってしまう。

そして頭の無くなった男性プレイヤーは首から血を噴き流していたが、すぐに分解するような電子的なエフェクトと共に消え去ってしまったのである。

消えた後にはそれまで必死に集めていた戦利品が床にぶちまけられている。


残った十人のプレイヤーは呆然と見ていたが、絶対的な庇護者であるゴリラスの存在が消えてしまったせいで自分たちの立ち位置が安全な物から危険な物に変わってしまったことを徐々に把握していく。


「なんでロボットやられてんだよ!」


「あんな火力でやられるとかどんだけへぼプレイしたんだよ!」


「それよりもこれからどうするんだ?」


現状を把握するために周囲を見渡す。

ここは学校から正面に伸びる大通りのど真ん中。

一時的にゴリラスで制圧したが道なりに一部を火力任せで制圧しただけである。

当然他の場所は制圧しているわけではないのであって当然ゾンビはまだまだ配置されている。

前の方からも、セーフエリアのある学校側からも大量のゾンビが集まりつつあった。

さらに悪いことに先ほどゴリラスが立てたガトリング砲の発砲音にひかれて、その数はいつも以上に過剰なぐらいに殺到している。


「どうするんだこれ?戻れないぞ!」


「そんなこと知るかよ?」


引くも地獄、進むはさらに地獄。

ゴリラスの戦利品のおこぼれ目当てについてきただけであり明確な指示やまとまりと言ったものは一切ない。

そんな益もない無駄な相談…雑談をしている間にもゾンビたちは数を増やし、距離を詰めてくる。


『xa------------』


『u----------』


結論だけを言ってしまうと、彼らはゾンビの海に沈む直前まで言い争いを止めることはできず、最後は戦利品をゾンビの海の下に残して消えていったのである。

残ったのはただいつも通りのゾンビの海という風景だけであった。

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