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アンノウンディザスターオンライン  作者: レンフリー
3日目~5日目 ゲームをプレイしない日々
46/291

1.こってりと怒られた翌日の話

お詫び:本章は主人公がゲーム内でプレイする話はありません。

大変申し訳ありませんが次章までお待ちください。


長らく更新に間が空いてしまい申し訳ありません。

さらにルビ振りの練習までしている始末…。

「えー、この事から我が国が第二次産業革命でとるべきだった方針は第一に…。」


ボードから過去の後悔やIF(もし)の話しかしていない教授の妄想話が垂れ流されている。

そんな妄想に浸っている暇があるのなら我が国のこれからについて講義していただいた方が学生には益があると思うのよね。

春先なのでまだ頭が冬眠しているに違いないと思う。


というわけで無駄な講義は出席だけ処理してミュート設定で忘れ去り、今の私は電話中である。

最もこちらも精神衛生上あまりよろしいことにはなっていないのは由々しき問題である。


「あははははは!ニミリって結局おば様に怒られたのですね!!」


この品の無い大笑い、これこそ我が友である湯島杏子(ゆしまきょうこ)である。

人の不幸を笑い種にするとか友と呼んでいいのか怪しい。

いつものお上品さはどこへ行ったのやら、昨日のオープン記念イベントの話をしてたらいつの間にかこうなっていた。


「そもそも杏子も気づいてたでしょ?教えてくれたらいいのにーー。」


「教えてたら自害でもして逃げたでしょ?」


「そりゃ当然。」


ゲームでいくら物を得ようが私にはプラスになることは無いのである。

むしろ切実なのは母の怒りゲージがあがった事と今月のお小遣いの減額が決まった事である。

世間では春闘というものをやって賃上げを交渉している中で私だけ減額である。

理不尽だよね。


「だったら最後まで気分よくゲームしていただいた方が私にはいいことなのですわ。」


「今の私は非常に憂鬱なんですよ!?まあお陰様で今日はゲーム禁止されてるけどね。」


そうなのである。

母から一日ゲーム禁止令が出されたのである。

これを口実に今日は講義もアンノウンディザスターオンラインもお休みである。


「うーん、まあそれは逆らえないし仕方ないんじゃないでしょうか?私もおとなしく今日はゲームをやめておくことにしますね。」


「おや、あれだけインスタント食品やレトルト食品集めてたからこっそりとおやつ代わりに食べに行くんじゃないかと思ってたけど?」


あれだけのインスタントラーメンやレトルトカレーやレトルトパスタソースを詰め込んでいたからてっきりゲーム内でお楽しみに入ってるんじゃないかと思ってたんだけど。

あの杏子が我慢できてるってこれはおかしい。


「まあ私も花の女子大生ですよ?節度ある大人の行動は身について当然ですからね。」


「…ああ、お湯がないの?」


私の発言に電話先の杏子さんがぐはっと息を詰まらせてしまっていますね。

ビンゴっぽい。


「他にも皿やお鍋も無さそうだし…そうか食べないんじゃなくて食べれなかったのね。」


なるほどできないだけだったか。

一つおかしい事が片付いてすっきりした。

杏子は電話越しに深くため息をついている。


「はいその通りですわよ。そういうわけだから、今度はゲームでお湯を手に入れるの手伝ってね!」


「いっそのことチュートリアルでもらった泥水かけて食べてみたらどう?」


「そんなの食べたくないわよ!?」


「そもそもお湯だけでいいの?手掴みで食べるわけにはいかないんだからフォークやお箸も必要じゃないの?レトルトカレーにはお米もいるんじゃないの?」


「うわぁーん!足りないものが多すぎる!色々と手伝ってね!」


「…気が向いたらね?」


あまり追い詰めると味に影響しない部分…食器が無いだけだと手掴みで食べ始めかねない。

そういう杏子を見るのも違和感バリバリだし、ある方面にばれると怖いからある程度は協力しよう。

そうしよう。


よく考えたら水も手に入ってないわけか。

どこなら何が取れるとかよく考えたらわからないことが多いね。

後で調べておくかな?


「明日もゲームメンテナンスでプレイできないですわね。」


「まあメンテナンスはゲームに付き物だし仕方ないよ。」


お陰様で私は二日間の休日を手に入れることができたのである。

やったね。


「明日も退屈なのは困りますわね…。ニミリ明日うちに来ませんか?」


「え…?」


この子は何を言ってるの?

あそこは凶悪な(けだもの)がいるんですよ?

行ったら最後へとへとになって心がやせ細ること間違いないじゃないですか。

まあ約一体は今も会話中なわけですがね。


「たまには直接お茶をするのも悪くないと思うのですけどいかがです?」


「あー、いや…それはまー…えーと、善処したくはあるのですが…その…。」


駄目だ断り文句が思い浮かばない。

ここで断らないと明日は遊び道具にされるのは確定だ。

どうする!?


「言い忘れていましたが、母は明日は外に出ており不在ですよ。」


「それを先に言ってよ!」


電話の先ではクスクス笑い声が聞こえる。

おのれ、からかわれたか。


「ごめんなさい。けど慌てるニミリも可愛いですよ。直接見たかったので残念ですが。」


うーんしかしあの凶悪な方がいらっしゃらないとしてもあの人はいるのかな?

いや、杏子がいる以上いない理由が無いね。

いると想定しておこう。

今ある実弾はというと…手持ちで使えそうなのは六枚という所かな?

去年の冬のこれなんかは自信作だし今回は勝てるかもしれないしこちらの面で見ても顔をだしてもいいかもしれないね。


「あーもう、わかったから。それでは明日伺わせていただきますのでよろしくね。」


「ええ、お待ちしております。いつも通り正門からインターホン鳴らしてくださいね。」


そう杏子が言うと電話が切れる。


それは暗に地下から侵入するなということですか。

まあ服も汚れるしやりたくないから問題ないね。


さてと講義はまだ続いているようだけど、あの老人顔が真っ赤になってるけど何があったのかな?

興味はあるけどそこまで知りたいわけではないのでミュート設定はそのままにしておこう。


うーんそうなるとやることないね。

明日の予定がショッキングすぎて眠気が完全に飛んでしまった。


…やることないならゲームの情報でも軽く仕入れてみよっか?

気は進まないけど備えあれば何とかというやつかもしれない。

私は別のブラウザを立ち上げて攻略サイトの検索をかけてみる。


…だめだ、どれもロクな情報が載ってない。

というか昨日私がイベント会場で入手したレベルとほぼ同じである。


参ったな…どこかに最新の情報は無いかな?

うーんあまり趣味じゃないけど掲示板の方を覗いてみるかな?


感情のままに恨みつらみが多そうで疲れそうなのよね…。

けどまあ私ほとんど何もやってないし大丈夫でしょ?


私はボードを操作してアンノウンディザスターオンラインの掲示板を参照しはじめた。

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