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アンノウンディザスターオンライン  作者: レンフリー
2日目 オープン記念イベント
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14.オープン記念イベント -6Fメイン会場 その3-

「…誰?」


さっきも似たような事があった気がしますけど同一犯かな?

と思って振り向いたけど違う。

ガタイのよさそうな男性が二人立っている。

片方は白肌に金髪だがもう片方は黒肌に黒髪というキャラメイクである。


「ああ、レディが方お困りのようだったのでつい声をかけてしまったのですよ。」


「こっちのガールから誰と聞かれているからここは自己紹介をすべきところではないですか?」


何か日本語がおかしい?

翻訳機でも使っているのだろうか?


「失礼、私はマークス。彼はジェスです。」


「そのお二人が何用で?」


いけない、私もおかしさに引きずられてるのか妙に対応が固くなってしまっている。

アンズの方は完全にぽかんとしている。


「そこですよ。お嬢さんがたがナイフ選びでお困りの様子、包丁選びなら大和撫子なら詳しいと思ったのですがお探しは戦闘にも使えるナイフをお探しと見ますが?」


「まあ包丁も詳しくは無いですし、確かにナイフを探しているのですが…。」


「それならば私達がお手伝いできるかもしれませんよ?」


手を平らにし持ち上げながら気楽にHAHAHAと笑っている。

ひょっとしたら私達が選ぶより期待が持てるかもしれないけど、ぶっちゃけて言うなればよくわからない。


「おい、マークス。ただでさえダリル達にナイフの選別投げてるんだぞこれ以上増やすとさすがに可哀そうだぞ?」


「大丈夫だろ?あいつ等もレディの為なら服の三枚や四枚ぐらい平気で脱ぐだろ?」


黒い肌のジェスの視線の先のテーブルでは、三人の男がすごい勢いで作業をしているのが目に入る。

一人がナイフをケースから取り出し隣の男に渡し、渡された男は刃の部分をよく見て、刃の部分をこすってドンとテーブルに突き刺している。

そして突き刺して問題がない一部は最後の隣の男が回収しているようである。


何だろう…この匠のような確認作業は?

自信があふれているようで信頼性が感じられる。


「しかしただでお手伝いしていただけるということはないのでしょう?」


「ニミリ…?」


どうやら相手の提案に乗り気な私が意外だったようだ。

アンズは怪訝な顔でこちらを見ている。


そしてマッチョ二人組は腕を組んで考え始める。


「そうだな…ジェスは何かあるか?」


「俺としては特にないが…あいつらはどうだろうな?」


「ふむここは日本人らしく何かの落とし前を見せてもらうというのはどうだ?」


聞いたことない声が会話に混じって来た。

よく見たらさっきまでナイフの選別をしていた三人がこちらに合流している。

…と言うか落とし前ってどういう翻訳をしたんだろ?


「ダリル?ナイフはもういいのか?」


「あぁ、一応予備含めて結構な数は確保した。…後あれが気になってなちょっと早めに退散させてもらった。」


ダリルという人が指さした先には…これまで以上に濃い人物がそこにいた。


「ポントウがないのは困りますけど、ドスは数がおおうて助かるなー。けど悪いもんもおおうてかなわんな。」


このお嬢さん一般人ではない発言をしながら刃物を抜いては怪しく嘗め回すように見てしまっていくのである。

しかも容姿が金髪の四連ドリルヘアに加えて西洋の舞踏会で着ているようなひらひらもついたドレスを身にまとっているのである。


ゲームとしてはいいのかなこれ?

確かに関わりたくないのはよくわかる。


「なるほど、マフィアと関わってもろくなことはないし、懸命な判断だ。」


「まああれには関わらないとして、こちらとしては予備も結構あるからレディたちはどうするよ?」


さて、こちらも困った。

ここで時間を使うのももったいないのでサクッと判断して行動すべきだろう。


ふむ、落とし前という事は何か誠意を求めているという事か?

男性に求める女性への誠意とは?

お礼の言葉で終わり…と言うのはだめだろうか?

そこで私はピコーンとナイスアイデアが思い浮かぶ。

それを実行すべくすぐさまアンズの背後に近寄る。


「それでは私達の誠意をお見せしましょう!」


そう言うやいなやアンズの競泳水着の肩紐をどちらも外す。

時間がゆっくりと流れ、パラりと肩から胸の上にかけて水着がはだける。


「ちょ、ちょ、ちょっと!ニミリ!」


「「「「ふぉぉおーー!?」」」」


やった、マッチョの意表をつくことに成功したよ。

これで誠意とやらも…、

と思っているとアンズがフニフニと私の両方のほっぺをつねってくる。


「なんで私の水着を脱がそうとしてるのかな!?自分でまずはやりなさいよ。」


…ごもっともな意見であるが、まずは犠牲というものは自分以外から切っていくものである。

しかしそれではアンズは納得しないだろう。


「それもそうだね、よし私からも誠意も見せるよ。」


ゲーム内で盛った私の容姿の威力を見せつける時が来たと思っていいよね?

私は執事服のボタンを上から二つ外して上乳が見えるように盛ったおっぱいを両手で持ち上げて迫る。


「こういうのはいかが?」


そして可愛く妖艶に迫る。

我ながら完璧であると断言できる。


しかし私への男達の反応は…アンズの時と違い冷めて苦笑いを浮かべている。。


「あーー、そういう迫り方は結構こっちではあるから割と新鮮さが薄くて…すまんな。」


「しかも無理して顔を作っているのが丸わかりだろ?そう言うのはバーでもう見飽きててな…。」


「反面こっちの子はすごかったな、まさに日本の着物がはだけるようなチラリズム!」


「そして綺麗に映える肩とうなじ!まさにあるがままの美を感じる。」


「恥ずかしさにそのまま悶えているのもポイントが高いな!」


アンズは高評価で私はぼろぼろである。

同じ女性なのになんだろうこの差は…。


「まあ君は女性らしさを少しは学んだ方がよいのではないかな?」


私は最後の一言にとどめをさされそのまま膝から崩れ落ちた。

ああ、何と言うか本当に気落ちすると感情が抜け落ちてさめざめしていくというのはこういう事だろうか?

私はそのまま地面にこうべを垂れていじけ続けた。

何故か被害者であるはずのアンズが懸命に私をなぐさめてくれていたのがさらに心に染みた。

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