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アンノウンディザスターオンライン  作者: レンフリー
2日目 オープン記念イベント
18/291

3.統合研究所 -前-

少し切りが悪いので前後編に分けます。

休みのうちに書けるところまで書きたい。

転送された先は真っ白い世界でした。

いえ、雪国とかそう意味ではなく白い建物に青白い光がさしている…例えるならば病院?

少し違うかもしれないけどそんな感じである。

入口があり、そこによく映画なんかである丸いガラスケースが何本か立っており、泡がぶくぶくと上へと流れている。

中央の一際大きい丸いガラスケースには何か入っているようで、人が集まっている。


「とりあえずついたけど、何すればいいんだろうね?」


「正面に受付のようなものがありますので多分そこで何かやるのではないでしょうか?」


二人とも初めてなわけだしアンズに聞いても正解が帰ってくるはずがない。

けど受付らしきものがあるのは確かにあるのでそちらに向かってみることにする。


途中大きいガラスケースの前を横切るので少し覗いてみるとなんと男性のゾンビが入っているではないか。

いわゆるサンプル的なイミテーションだろうか?

雰囲気的にはとてもいいものだろう。

横を見るとほら、アンズの目がランランと輝いている。


こちらに気付いたのかガラスケースの前に陣取っていた五人の男達がこちらへ近づいて来る。

よく見たら格好はTシャツに短パン…全員プレイヤーのようだ。


「お姉ちゃん達もゾンビ倒したのかい?やるねぇ。」


「というかこっちの子水着とか格好がやばいですよ?」


「そういうのはわかっててもしゃべらないのがエチケットだぞ?すまんね。」


全員そわそわしているというか浮かれ気味な感じである。

とは言え会話のきっかけができたのは状況的には好ましい。

色々と聞いてますか?


「ということはお兄さん達もゾンビ倒してここへ来たという事ですか?」


「ああ、というかあんた達はここ初めてか?」


その問いに対して私とアンズはうなずく。

そうすると説明したがりだったのだろうか?

こちらから聞く前にいろいろと説明を始めてくれる。


「あっちの方にカウンターがあるだろ?あそこで受付をすると個室に案内されるからそこで倒したゾンビを渡すんだ。そこで解析してくれて後から報酬をもらえるというのが大雑把な流れだよ。」


なるほど流れはわかった。

詳しい説明も後から流れるだろうからイベント時間も押している今は急いだほうがいいだろう。


「すいません助かりました。ありがとうございます。」


「いや、いいって。今日はオープンイベがあるだろ?早く終わらせてそっち参加した方がいいぞ。」


「…そういや皆さんどうしてここに集まっていたんですか?」


「ふっふっふ…聞きたいか?」


あ、しまったこれダメな奴だ。

時間がないと言いつつ余計な事をしてしまったようだ。


「実を言うとこのガラスケースの中の奴な、俺達が取って来た奴なんだ。」


「ああ、「heaven」ワールドじゃ全然出会わないから「veryeasy」の方へ行ってな…どこがとても簡単なんだかわからなかったよ。」


そう言えばheaven以外は人少なかったけど、難易度のせいだったのかな?

私の考えを余所に男達の会話は続いている。


「まあセーフエリアから見ると視界に入るところゾンビだらけでな、動きはとろいからいいんだがどこもかしこも複数いてな。」


「で、偶然俺が単独で離れた位置にいたのを発見してな。一気に五人で袋叩きにしてしとめたってわけさ。」


「けど、大変なのは仕留めてからだったな。大人一人運ばなきゃいけないから重くてな。」


「しかも音にひかれてやって来たゾンビ犬にマツキがさらわれてな…。」


「ああ、足かまれて引きずられて…そのままかみ殺されたんだよ俺…。」


聞いてみた所veryeasyの時点で結構ハードな難易度のような気がする。

昨日はveryhard行かずにこっちのほうがアンズにとってはよかったかもしれない。


「それで、悲鳴を上げて引きずられていくマツキを背に俺達はセーフエリアを目指したわけだ。」


「けど、音で他のゾンビが集まってきていてな…それにカズキが掴まれてもみくちゃにされながらやられたわけだ。」


「あれはひでぇよ。何がひどいって全部中年おっさんのゾンビだったんだぜ?異臭はともかく加齢臭まで再現しやがってひどい地獄だった。」


「それで尊い二人の犠牲の下なんとかゲットしたのがこれってわけよ。」


得意気にガラスケースに入ったゾンビを指さす。

なるほどそれは物語になるお話だね。

アンズなんかまた目がランランとしてるよ。


「それになこの研究所デイリーランキングってのがあってな。その日の最も貢献が高い獲物がここに展示されて特別報酬がもらえるってわけよ。」


「ここも昨日は調整中だったから今日からという事で最初のデイリーランキング一位の記念撮影しようと思ってな。イベントはもったいないけどここで待ってるんだわこれが。」


なるほどイベントにも行かずにこんなところでそわそわしているのはそういう理由があったのか。


「まああんた達見た所他の奴と一緒で部位を持ってきたってとこだろ?早く行ってきな。」


「そうだった、アンズ行くよ。」


「ゾンビの大群っていうのも悪くないよね。ニミリ次はそこでもいいかもね?」


だめだ浮つきでネジが外れかけてやがる。

周りの他の人も受付に駆け足なのはイベントに参加するためだろうか?

とにかくひきずるしかないな。

フレンド設定しておいてよかった。


「いいお話ありがとうございました。またどこかでー!」


「おう、あんた達もがんばれよ!」


そして私はアンズを引きずって受付まで向かう。

移動した先には受付…というよりは受付の機械かな?

病院の待合室のように椅子がいっぱい置いてある前に何台か機械が置かれている。


機械の画面のボタンを押すと部屋番号と待ち時間がかかれたコンソールが目の前に表示される。

幸い待ち時間は無いようなのでそのまま番号…14番の部屋へと向かった。

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