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アンノウンディザスターオンライン  作者: レンフリー
10日目~17日目 立夏のお散歩イベント
166/291

52.イベント最終日 私達のイベントの終わり

さて植物ボールの命乞いをそのままスルーするわけにもいかないのでとりあえず議題にはのせておくとする。

他の全員に向き直るととりあえず確認を取る所から始める。


「あんな事言ってますけどどうします?」


「どうすると言われてもこちらはあんなのいらんぞ?むしろ貢献ポイントとやらに変換して装備を余所から買いたいぐらいだ」


そうだよね。

この人達ならきっとその方が有効的だと思う。

けどあれを引き取るメリットねー?


私は担当として立っているNPCのお姉さんに近寄ると基本的な質問をする事にした。


「あれをサポートユニットにする際にかかる貢献ポイントと維持に必要な物、後は…反逆しないか大丈夫か確認させてもらえる?」


『あの檻に入っている「ケレナ・プラトーン」ですね?サポートユニットにする際にかかるポイントは12,000ポイントです。維持には毎日三リットルの水が必要になり、維持でき無い場合は枯れ果てて朽ちますね。サポートユニットの反乱については心配はありません。こちらで頭部に特殊チップを埋め込みますので如何な敵対生命体であろうと従順にできますよ』


『さらっと物騒な話をしないで!後ね、そこの年食った現地生物!水は湧き水や天然水じゃないと駄目だからそこは忘れないで伝えて!』


『…とか言っていますけど、あれはどんな水でも大丈夫です。そこらの汚水でも廃水でも一切問題ありません。後、特殊チップについては強力なのを入れておきますのでご安心ください』


…うわーNPCが頬をひくひくさせながら笑顔でこちらを向いているけど…すごく怒ってるねこれは。

ちゃんと言われたことで感情処理するんだね…女性に年齢の話をするとは命知らずめ。


『当然貢献ポイントへの変換も歓迎ですよ。できれば私に処分させていただけると嬉しいですわ』


…恨みたっぷり持っているようだね。

ゲームのシステム的な物より感情が優先されちゃってる気がするけど気のせいかな?

まあそこは置いておこう。


「うん、残念ながらそんなポイントはないから処分でいいんじゃないかな?」


『そんな殺生な!?そこの『ユラヒ』を処分すれば足りるでしょ!?』


「…足りるの?」


私が檻からNPCに視線を移すとため息をつきながら親切に回答してくれる。


『大変遺憾ながら、全て貢献ポイントへ換算して均等に人数で割った場合…たりてしまいますわ』


うーん、なるほど…今回は前回と違って維持はできると…。

しかし使えるかどうかとなると…。


「ちなみに後から持ってきて改めて処分してもらう事って可能です?」


『もちろん、サポートユニットの処分もこちらで承っております。当然サポートユニットとして使用をして状態が悪化した場合は換算される貢献ポイントは減額されますのでご了承ください』


なるほどなるほど?

じゃあこうしようか?

私は何となくまとまった考えをみんなに提案してみる事にする。


「あの植物ボールとりあえず引き取ってみる事にします。その代わりマークスさん達はそのボートを貰っていただけませんか?そして残りは全て貢献ポイントへ換算して頭割りしませんか?」


「こちらとしては現物でボートを貰える方が後々役に立つと思うが…本当にいいのかね?」


「あのモヤシ役に立つのか?騙されていないか?」


「あれはニミリに相応しいとは思えませんから考え直しては?」


マークスさん達とアンズは心配してくれてるけど…まあ私も不安があるけどそれも織り込み済みである。


「大丈夫ですよ、役に立たなければ貢献ポイントへ換算しますから…そういうわけでしっかりと働きなさいよ?」


『あ…はい』


マークスさん達には笑顔で回答し、植物ボールには睨みを利かせる。

しばらくすると処理が終わったらしく次々とコンソールの画面が表示されていく。



-------------------------------------------------------


【貢献ポイント付与】


・変異生命体(A): 7,000ポイント(生命体ポイント) × 0.3(保存状態)=2,100ポイント


指定されたメンバーによる頭割りによる個人獲得ポイント


2,100ポイント÷7人=300ポイント


【今回の獲得ラインナップ】


・シーハスパイロットの脳: 4000ポイント

・シーハス星人の目: 800ポイント

・シーハス星人の触手: 1200ポイント


-------------------------------------------------------


これが巨大タコのパイロットの清算内容かな?

シーハス星人とか…本当に宇宙人かなこれは?

ひょっとするとゲーム的なネタバレになっている気がするけど…まあ今は疲れているので後で考えよう。




-------------------------------------------------------


【貢献ポイント付与】


・兵器(A): 210,000ポイント(生命体ポイント) × 0.6(保存状態)=126,000ポイント


指定されたメンバーによる頭割りによる個人獲得ポイント


126,000ポイント÷7人=18,000ポイント


【今回の獲得ラインナップ】

・『ユラヒ』腹部パーツ: 50000ポイント

・『ユラヒ』脚部パーツ: 30000ポイント

・『ユラヒ』溶解泡発生装置: 20000ポイント

・『ユラヒ』偵察モノアイ: 10000ポイント

・『ユラヒ』のハサミ: 5000ポイント

・『ユラヒ』水中装甲: 2000ポイント


-------------------------------------------------------


こっちは巨大ザリガニの奴だと思うけど…。

明らかに今まで見てきたものと桁が違う!?

数十万ポイントか…そりゃまああれを普通に倒せとか言われたら戦車や戦闘ヘリが複数はいると思うからね。

ポイントとしては妥当…なのかもしれない。

そして貢献ポイントで買う物の値段も恐ろしい事になっている。

頭割りをしても一人当たり二万ポイント近いとか…インフレーションが激しすぎやしないだろうか?


-------------------------------------------------------


【サポートユニット購入】


・変異生命体(B)


支払い:12,000ポイント


購入しますか?


>はい


>いいえ



【注意事項】

サポートユニットは翌日マイルームにお届けいたします。

当日の使用はできません。


-------------------------------------------------------


最後はサポートユニットの支払いと…。

まあ後から換算もできるし損でもないので大丈夫でしょ。

私がポチっとはいを選択して購入を終わると周りは既に帰宅ムードに包まれていた。

アンズも顔は平気そうだけど若干平衡感覚がずれているのか体がふらついているようだし…そろそろ私達は限界だね。

ここは強引に私の方から閉めさせてもらうとしよう。


「ではこれですべて終わったと思いますので解散としたいと思います。マークスさん達もありがとうございました」


「こちらこそ感謝しているよ。お陰で私の悩みもすっきりしたしね」


そう言ってお互いに握手しようとすると…手と手の間に障壁ができてパキンとはじかれてしまう。


「そう言えばそうだったか。一々接触のために設定と承認がいるとは実に面倒だな」


「けどこれでハラスメント対策はできるのですから悪いばかりではないですよ?」


「そりゃそうだ。これがないとウィルなんか女に手を出しまくりで今頃豚箱の中ですよ」


「フレッドてめぇ!自分の事は棚に上げて何ほざいてやがる!」


笑ったウィルさんをフレッドさんの右ストレートが綺麗に入って取っ組み合いの喧嘩が始まってしまったけど無視しよう。

アンズも目を丸くして見てはいけません。

あの人達はそう言う人種なんだよ。


「最後に騒がしくしてしまって申し訳なかったね」


「いえいえ、また何かあったら宜しくお願いします」


「あぁ、また会おう」


そう言うと手を振りながらマークスさん達は距離を取って離れていく。


「ところでダリル、お前の隷下の…西海岸…よな?寄越…」


「馬鹿…正気…!?…孫…」


マークスさん達はまだ何か相談をしているようですぐにはゲームを終えないらしい。

ここからだと僅かにしか聞こえない…けど盗み聞きをする気も無いし私達には関係ないだろうから問題ないでしょ。

むしろ聞いてはまずいとアンズの方に振り向く。


「アンズ、悪いけど疲れたから今日はもう解散しようか?」


「そうですわね。少し疲れましたのでこれで終わりにしましょうか」


そう言うとそのまま私達もこの場で解散する事にする。

それぞれコンソールをいじり出してマイルームに戻るための操作を始める。


「しかし本日は本当に楽しかったですね。またバイクでツーリングしましょうね!」


「それはもうノーセンキュー!」


現実でもゲームでも絶対いやです!

私はアンズに断固拒否を宣言するとそのままマイルームに戻る。

マイルームに戻るとにイベントのポイントが加算されたようだけど疲れている私は明日確認すればいいやと気にしないでゲームからログアウトする事にした。


まあ今日は頑張って疲れた分ぐっすりと眠れそうかなとお気楽に構えていたのである。



…その後、ゲーム時間の超過でまた母の説教にあってさらに疲れる事になる悲しい現実と直面するまでは。

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