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アンノウンディザスターオンライン  作者: レンフリー
10日目~17日目 立夏のお散歩イベント
144/291

30.イベント最終日 飲食店フロア

私は寿司屋の待合用のベンチの上に無造作に置いてある物を手に取る。

罠の可能性もあるけど、罠ならむしろ最初の段階であるこの時間でリセットできる事を幸運と思って気楽に確認をする。


うーん、何だっけこれ?

いや分類上は銃器の類でサブマシンガンというのはわかる。

確か海の向こう側の国の警察の特殊部隊がよく使っていたMP5とかいう銃に似ているけど…それよりこじんまりしていて銃口の下にグリップがついていている。

幸いにもこれには肩紐が付いていて持ち運びも容易そうだ。

そしてこのサブマシンガンに装着されているのと同じ形のバナナ型のマガジンが四つ横に置かれてある。

今までのように渋られていたアイテム配置と異なり結構な奮発ぶりだよね?

これまでにこの難易度で出会った化け物に対してはこれじゃ威力不足ではないかと思うけど…無論飛び道具は大事なので全部いただいていく事にする。

サブマシンガンのマガジンを制服の胸ポケットに差し込んだ所で背後からアンズに声をかけられる。


「ニミリも何か見つけ…死亡フラグを見つけたようですわね?」


…何故私が持っているのが死亡フラグになるのかな?

とりあえず大した理由じゃないけど気になるので聞いてみる事にする。


「…死亡フラグって何の事?」


「いえ、大抵サブマシンガンを持っている警察とか特殊部隊ってこういうホラーものやパニックもので噛ませのように死ぬ役が多いではありませんか?」


…そういう物なのかな?

それよりもニミリもって事は?


「アンズも何か見つけたの?」


「ええ、足元に回転式拳銃が置いてありますわね…しかもこれ大口径用の物ですわ」


そう言ってアンズが見せてくれるものは確かに前に警察官のゾンビから拝借した拳銃よりも二回りはごついものである。

その大きさから威力とかは期待できそうなきがする。

…まともに撃って当てればだけど。


「何でか知らないけどいっぱいアイテムが落ちてるよね?」


「そうですわね…ここから少し遠いですけどフランス料理店の待合用の椅子の上にも手榴弾らしきものが載っていますし、その横にも段ボール箱が置かれてありますし、エスカレータの横にはポリタンクが置かれていますし…、後ろは床に大型のボストンバックが置かれていたりと至れり尽くせりですわね?」


…何かの罠かな?

それともこの場所が特別なのかな?


「これなら色々と店の中にも期待できそうですけれど回収してから進み…」


アンズの声が途中でピタッと止み聞き耳を澄まし始める。

何か聞こえたのかな?

私はアンズの邪魔をしないように静かに待つことにする。

するとすぐにアンズは何かわかったのか少し慌てたようにこちらに話しかけてくる。


「ニミリ…どの店の中からも何かがゆっくりと移動している音がしますわ。しかもこちらに近づくためか店の外に出ようとしていますわ」


…便利だから使ってるけどアンズの耳はソナーか何かですかね?

毎度の事ながら呆れるけどそれが本当ならすぐに移動しないと囲まれかねないという事だと思う。

そして今一番大事なのは…死なずに距離を稼いで脱出する事だよね。

アイテムは二の次、いや今回は完全無視でもいいはずだ。


「アンズ、すぐに移動するよ。とりあえずエスカレータまで行って上に行くか下に行くか決めよう。私が先導するからアンズはすぐに取れるアイテムだけを回収してついてきて」


「そうですわね、それでいきましょう」


アンズがうなずいて同意を示すとすぐさま前方に位置するエレベータに向けて移動を開始する。

サブマシンガンを前方に構えて油断なく周りを見回しながら進んでいく。

確かに周りの飲食店の中からはテーブルや椅子が倒れる音、そして物が押しつぶされて壊れている音があちこちから鳴り響き始める。

結構な大物がいっぱいいるのかな?

これは早く移動して抜けてしまった方がいいかもしれない。

そう考えてフランス料理店の前を横切っていると後ろから短い悲鳴と物が崩れる音が響き渡る。


「きゃ!?」


アンズの悲鳴と物が落下する音に反応して後ろを振り返ると、アンズが前向けに転倒していて、その周りには大量の缶詰が散乱しているのが確認できた。

椅子も倒れており、倒れたアンズの手に破れた段ボール箱の破片がある事から…まさか欲張って段ボール箱を丸ごと運ぼうとして重さのあまりバランスを崩したの!?

大量の缶詰が転がっている事から段ボール箱の中にいっぱいに詰まっていてきっと重たかったのだろう。


けどこの状況はまずい、今ので大量の音をフロア中に響かせてしまったのだ。

それにアンズはこけた衝撃から立ち直れていない。

いや、重い物として認識しないで持ったせいで床に思いきり体をぶつけてしまっているかもしれない。


「アンズ立てる!?」


私が声をかけると同時にお洒落なフランス料理店の入口からぬめっと何かが突き出てくる。

顔を出した何かには触覚のような細い物が二本ついおており、その先にある黒い点は音の出た方角…倒れたアンズを見下ろして来るのだった。

今さらですが会話文「」の最後の。は削除する事にしました。

1話から95話まで適用できていないですが、時間がある時に修正します。

指摘いただきありがとうございました。

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