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アンノウンディザスターオンライン  作者: レンフリー
10日目~17日目 立夏のお散歩イベント
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13.イベント2日目 美術館へようこそ

私が音も無くドアを開けると視界に薄っすらと光が差し込む。

黒一色だった世界がわずかにだけど彩られ、何があるのか少しだけ把握できるようになる。


しかし今肝心なのは部屋の中よりも外の情報である。

私はドアノブから手を放し、顔を半分だけ外に向ける。


すると今までいた小部屋とは違い広大な空間が外には広がっている。

天井は少し顔を外に出さないと確認できないぐらいに高く、シャンデリアのような蛍光器具が設置されている…けれども灯りは一切付いていないためか全体的に薄暗い。

電気類はついていないのだろうか?


フロアの高さはというとビルにすると四階建て…ぐらいかな?

随分と高さがあるフロアである。

左側を見ると壁には木製の巨大な扉が設置されており、これはぴったりと閉ざされている。

何らかの出入り口であると思われる。

その扉の手前…部屋から出た所の手前には椅子が数席とカウンターが設置されており、カウンターの奥には列を並ばせるためのお洒落なポールが等間隔に配置されている。


という事はここは何かの受付なのだろうか?


そう考えつつ今度は右の方を見る。


フロアの中央には巨大な池が設置されており、周りに丸テーブルと椅子が余裕を持たせて等間隔に置かれている。

その横にはお洒落な感じのコーヒーショップがある事からあそこは入口に設置されている休憩スペースなのかもしれない。


そしてその奥には動いていないエスカレーターが設置されており、それは交差しながら三階まで伸びている。

通路には…ここからだとおぼろげにしか見えないけど絵画や壺や彫刻が等間隔に並べてあるようだ。


どういう場所かわかって来た気がする。


「ニミリ、展示品に芸術価値は無いようですけど…ここは美術館でしょうか?」


アンズの答えが多分正解で間違いないと思う。

意図的にゲームらしさを出すために改変はされているだろうけどね。


通常時なら美術品を泥棒し放題だ!

ゲームだから問題ないねヒャッホー!


というテンションでいいかもしれないけどこのゲームだとこれほどいやらしい場所もない。

疑わしき物が多すぎて確認しきれないためである。

先ほどアンズが言ったように芸術価値が無いという意味ではなく、何がどこに潜んでいるのか把握しきれないのである。

よってこんな場所とはさっさとおさらばするに限る。


「多分そうかも?それよりも早くここを出るよ」


「あ、ちょっとニミリ待ってください」


私はアンズが付いて来るのを待たずに木製の巨大扉に小走りに近づく。

鉄製の取っ手を掴むとそのまま体重をかけて力をかけていく。

前へ後ろへ、取っ手をひねったりもしてみたけどびくともしない。


「駄目だ、開かないや」


「ニミリ少しぐらいお待ちになっても…ってあら?ニミリ、この扉電子ロックみたいですわよ?」


「え?」


…駄目だ私の方が焦って冷静じゃなかったみたいだ。

確かに側面に機械が設置されておりランプがついていない。

ランプが付いていないという事は扉がロックされたまま電源が死んでしまっているという事かな?


「という事はこういうロックを解除するのは…大抵は警備員室かな?」


「ニミリ…最初にいた部屋モニターやマイクも設置されていましたからあそこが…?」


「成程、よしじゃあ早速戻って…」


巨大な扉から体を離したところで何か物音がこちらに近づいて来る。

ズシンズシンと重たい音がより大きくなりつつある。

これは近いし…思ったより時間がない?!


「アンズ、すぐ隠れるよ…こっち!」


私は何が起こるか把握が追い付いていないアンズの手を引くとそのままカウンターの奥へと飛び込んだ。






少し時間がたつと物音の主が美術館のエントランスに姿を現す。

こっそりカウンターの横から覗いた所…四メートルはある筋肉質な男性の石像がライト片手に動き回っている。


足音を重厚に立てながら噴水周りのテーブルや椅子を吹き飛ばし、踏み潰し進んでいく。

木製の扉にライトを向けると、そのまま体の向きを変えて私達の初期開始位置である警備員室にライトを向ける。


そして何も無い事を確認するとそのまま来た方角とは逆の通路へとゆっくりと消えていった。

石像が消え去ると私とアンズはカウンターの下から顔を半分だけひょっこりと出して本当に安全になったか慎重に確認する。


「行きましたわよね?」


「行ったと思うよ?それにしても変な石像だったね?」


「見つかったらひとたまりもありませんわね?動きも結構身軽でしたし。それにしても何で光らないライトを使っていたのかしら?」


「背中にも緑色の宝石を二つはめてたしね?何か理由でもあるのかな?」


「理由は何でもいいのですけれど、誰もいない暗い美術館を石像が歩いているというのは…これはこれで怖さがあっていいわね」


アンズさん…今イベント中なので自分の嗜好は後回しにしませんかね?

まあ今大事なのは方針である。


「それでだけどアンズ。このままやると美術館脱出のために時間を費やすことになるけどこのままやるの?」


そう、この中で走り回るには狭く危険であり、乗り物を拾う事ができず距離も稼ぐことができない。

であるならば一度リセットしてしまう選択肢もあるのではないかと思う。


「そうですわね。…このままいきましょうか?やり直したとしても次が良くなるとは限りませんから」


アンズの一言も一理あるんだよね。

昨日もろくでもない場所だったし。

…アンズがそう決めたらならいいかな?


「うん、じゃあそうしよっか?とりあえず警備員室の中が辛うじて見えるようになったからすぐに物色してみよう」

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