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アンノウンディザスターオンライン  作者: レンフリー
10日目~17日目 立夏のお散歩イベント
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2.諸悪の根源と今後の相談

あぁーもう情報確認するだけで疲れた。

もう今日は終わりにしてもいいよねと思ってグテーっとしていると頭上から涼し気な声が響いて来る。


「ねえ、ニミリ?何故だらしなく横になっているのかしら?」


「あーアンズ?いやね、色々とゲームからのメッセージ確認してたらもう疲れちゃったのよ」


床が冷たくて気持ちいい。

マイルームの床って寝そべった事なかったけどひんやりとしており不快ではない。

夏なんかはいいかもしれない。

難点は下が透明で透けているせいで落ち着かないといった所かな?


「確かにあの量は目を通すだけで少し疲れますけど…意味のない情報がほとんどですから流し読みすればいいのではなくて?」


「例えば?」


「称号なんてニミリ設定もしないですし意味もないですわよね?ランキングもポイントも貰えるだけなのですからむしろメッセージを開かなくてもいいと思いますわよ」


なるほど、確かに全部目を通す必要は無かったかもしれない。

真面目にやるとか私の理念にも反するしそこは重点的に反省すべきかもしれない。


「流石アンズ。要領がいいよね」


「まあ日頃から色々と慣れておりますから。こういう処理は手早くなりましたわね」


なるほど、湯島の家はそういや傘下企業とか色々抱えていたよね?

そう言えば杏子の婿取りの有無にかかわらず全て継承する予定だから全部叩き込まれてるのかな?


「それに無益な所はさっさと処理しませんとニミリと遊ぶ時間が減りますから、即決で潰していますわよ」


…何か怖い事を言っている気がするけど気にしないでおこう。

いや、いざという時にはチクろう。

手札が増えたと思っておこうかな。


それはさておきこの会話の内容は何となく続けたらまずい気がする。

主に私が引き返せなくなる…そんな感じで。


私は体を起こすと背伸びをしてアンズと向き合う。


「じゃあアンズも来た事だしイベントの内容とか確認しようか?まだ私目を通していないんだよね」


「そこは事前に確認しておくべきなのではないかしら!?」


どうせアンズと再確認しなければいけないから後回しにしていたら怒られた。

解せぬ。





「じゃあまずはイベントの確認をしよっか?」


「そうですわね」


メッセージをいまさらながら開くと内容はこんな感じだ。

イベント名は『立夏のお散歩キャンペーン』。

開催は明日のメンテナンス明けから五日間。

内容としてはプレイヤーの移動距離によるポイント獲得イベントである。

お散歩と銘打ってあるけど移動手段は自由。

ただしセーフエリアからエスケープするまでの距離をポイントに換算するとの事である。

従ってセーフエリアに戻る前に化け物にやられた場合はポイントはゼロである。

これを五日間に渡って行い累計ポイントを競い合う。

なお、一日毎にランキング上位者の発表があるらしい。


なお、報酬としてはランキング報酬とポイントショップ報酬の二種類が用意されている。


ランキング報酬は上位千名まで順位に基づいた報酬が貰えるらしい。

当然上位の方が豪華になるらしいけど…公開はされていない。


ポイントショップ報酬は獲得したポイントを用いてイベントショップでお買い物ができる報酬らしい。

これでポイントを消費してもランキングには影響が無いのでランキングのポイントとは別と考えていいのかもしれない。

なお、イベントショップエリアはイベント終了後に開店すると書かれている。


ちなみにポイントについてはワールド毎にレートが異なる。

具体的には下記のとおりである。


------------------------------------------


heavenワールド:1メートル1ポイント

veryeasyワールド:1メートル5ポイント

easyワールド:1メートル25ポイント

normalワールド:1メートル125ポイント

hardワールド:1メートル625ポイント

veryhardワールド:1メートル3,125ポイント

その他ワールド:0ポイント


------------------------------------------


ポイントの取得の単位は移動距離の1メートルであり1メートル未満は切り捨てられてポイントにならないらしい。


まあ危険度が無いワールド…総合研究所が0ポイントは当然だろうね。

問題は他のワールドの倍率である。

難易度があがると倍々計算ではなく五倍計算である。


すなわち昨日までお邪魔していたnormalワールドの一メートルをheavenワールドで稼ぐ場合…百二十五メートル移動しなければいけない事になる。


まあ何の危険もないので全速で駆けまわれることを考えると妥当なのかな?

そこらの調整に関してはよくわからないね。


「これニミリの初日の行動が反映されたら断トツで一位だったのではないでしょうか?」


そうだね。

あの時は若かった。

混乱して鈍った勘のまま走り抜けて…。

お陰様で日々のたるみ具合がよく理解できた。


いい機会だったとは思わないけどね!

ではこのイベントへの取り組みだけど…。


「アンズ?このイベントどの程度頑張る?」


「そうですわね…ニミリにお任せしたい所ですけどのんびりでいいのではなくて?最初から一位にがっつくのも優雅ではありませんからね」


「じゃあ適当に頑張るね。まあ明日からだから今日はこの話は置いておいて次は…。「ブラックマーケット」ワールドの追加だね?」


「はい。これに関しては今までのマイショップ機能でいいと思うのですけど…」


「アンズさんの本音で言うと?」


「面倒なものを実装してくださいましたわね」


結構辛辣な回答が返って来た。

と言ってもメッセージまだ開いて目を通してないんだよね。


「まあ簡単に説明しますとゲームのプレイ時間が消費されない取引専用のワールドが用意されたわね。これだけなら宜しいのですけどややこしい事に商権を持った四つの組織も実装されましてこれに属して取引をしなければならなくなるという事ですわね」


「えーとつまりマイショップ機能の取引手数料の代わりにヤクザのみかじめ料とか税金が取られるようになったと?」


「しかもそれぞれ仕組みが違うようですわね」


「面倒くさ…」


何でこんなに面倒なものを実装したのかな?

もうマイショップボタンのボタン一つで取引終わりでいいじゃない。


「個人取引は影響しないよね?」


「トレード機能は廃止されていないようですからそれはありませんわね」


よかったそこまで制限されてたら面倒で投げ出していたかもしれない。

さて、こちらは本日実装となると…


「とりあえず今日の所は「ブラックマーケット」ワールドという所を覗きに行く感じかな?」


「そうなりますわね。今後利用するかはわかりませんけど知っておくに越したことは無いと思いますわ」


「了解」


話がまとまったね。

本日の予定は実装されたばかりの「ブラックマーケット」ワールドの見学。

なので私達は固定コンソールを操作し、「ブラックマーケット」ワールドへ接続するのだった。

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