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アンノウンディザスターオンライン  作者: レンフリー
1日目 ゲームはじめました
11/291

11.veryhard サイクリング

辛うじてたなぼた的に逃げ出すことができた私は拾ったママチャリで大通りを疾走中である。

風景としては両脇にビルがあり、店がありとゆっくりと見ることができれば見どころはあるのだろうけど今はそれどころではない。

いつ襲われるかもしれないどきどきの状態であり、まず探すべきはセーフエリア、そして脱出である。


ひょっとしたらビルの中にセーフエリアがある可能性もあるけど…わざわざ狭い所に行くのは心細い。

というかむしろ不意打ちが怖くて建物に入れない止まれない。


「なぁーに、だいじょぶ大丈夫。きっと走っていればそのうちセーフエリア見つかるわよ。」


自分に言い聞かせるように自転車を少し強めに漕いでいく。

少し先には交差点があり、そこで何か光る物を発見する。


「おっと、言ってる側からセーフエリアかな?やったねベリーハードもこれで終わりだね。」


疲労が濃すぎてハイテンションになってしまっているのだろうか?

らしくもないテンションのまま私はセーフエリアに向けて進路を取った。

よーしこれでこの心臓に悪い世界から脱出して杏子に愚痴を言ってやるんだ。












…5分後。

私はいまだに「veryhard」の世界にいる。

なぜエスケープしていないのか?

断じて私がサボタージュをしているわけでもなく居心地がよくて永住したくなったわけでもない。

それは全て目の前のセーフエリアが悪いのである。


ではよく検分していこう。

まず目の前のセーフエリアは一昔前の緑色の公衆電話の電話ボックスである。


なるほど電話したら救助が来るというコンセプトであろうか?

細かい突っ込みどころはあるが発想として無しというわけではない。


ではセーフエリアの条件を満たしているのか?

電話ボックスの床は紫色に光っている。


水色に光っているエリアがセーフエリアというのがチュートリアルでの定義であり、今は赤い空の世界であるため赤と青を混ぜて紫色に見えるという事も無きにしも非ずであろう。


ではここまでおぜん立てされていながら何が問題なのか?

そう問題なのは…。


「電話ボックスって交差点の真ん中にあるような物じゃないよね?」


そう、交差点の真ん中にポツンと突っ立っているのである。

しかもぴっかぴかに新品のような綺麗さである。

周りの退廃的な風景なイメージからも隔離されており、違和感しか感じられない。


「おのれ…セーフエリアを気軽に使えなくするとか…これがなんとかの罠とかいうやつか。」


私は自転車にまたがりながらうんうんと考え続けていたのである。

迷いに迷って答えは出ず二択の回答を出せずにいる。


しかしながら制限時間は存在したようだ。

使うか使わないか悩んでいる私の後ろから鳴き声が響いてくるのである。


「「nya---」」


私はびくっとして後ろを振り返る。

すると先ほどのトラ猫の一団がこちらに駆けてくる姿が目に入る。


「ちょ…これだけ引き離したら普通元の位置に戻るもんじゃないの!?」


まだ距離はかなりあるけどあのトラ猫の突進力からしたら油断できるものではない。

そしてセーフエリアに駆け込んでエスケープする時間があるか…?

あるかもしれないが私が自分を信用しきれていない。


「うーん、おしいけど次に賭ける!」


私は自分の決定に後ろめたさを感じながらも自転車を漕ぎ、猫達から距離を取る。

まだ当てのない私の逃走劇は続くようである。





さらに幾分か経過し、勢いよく自転車を漕いでいたせいか息が上がる。


「ぜぇーー、さすがにここまで離せばもう追ってはこないでしょ。」


少し自転車を止めて息を整える。



「それにしても右目が見えないと視界が悪いね…。」


自転車を走らせている時も右側の視界の映りが悪いのはもちろんのことながら平衡感覚が少し狂っているというのだろうか?

気を抜くとこけそうになったりよろけそうになったこともしばしばであった。


「早い所けりをつけたいところなんだけど…おや、何か積みあがってるね?」


また交差点のようである。

そして交差点には廃車となった車が散乱しているのである。

特に真ん中には最初に私が気づいた通り、廃車が重ねられて山が築きあげられているのである。


「うわーごっちゃごちゃで自転車乗ったままだと抜けれないねこれは…仕方ないから自転車は押して通るとしますか。」


しかし先ほどの件もあり、自転車から降りて慎重に様子をうかがう。


まずは手前から順に散乱している自動車を確認していく。

怪しい雰囲気は感じられない。

少し窓を覗いてみたけどキーもささっておらず座席には取得できそうなものも全くない。




「よし、慎重に抜けさせてもらおう。」


車の影から奇襲を受けて終わりというのが一番危惧すべきなのでそろりそろりと覗き込みながら進んでいく。

当然廃車の山からは一番離れて進んでいく。

あれが一番高所かつ潜むにはもってこいである。

危うきには近寄らないように音を立てないように自転車を押して抜けていく。


そして廃車の交差点を抜けたところで気疲れした分溜息を吐く。


「はぁーーーー。見掛け倒しで助かったかな?それじゃあまた脱出の旅へ…」


そう自転車にまたがろうとしたその時だった。

視界が偶然地面に向いていたので気づけたが…赤いはずの地面が黒く染まってきていたのである。

すいません書きあがったところまでです。

区切りが悪い点大変申し訳ありません。

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