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アンノウンディザスターオンライン  作者: レンフリー
7日目~9日目 normalワールド探索(下水道編)
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21.明日に向けて

エスケープをするといつも通りの無機質なマイルームへ一直線である。

では早速コミュニティールームに集合して情報交換しようかな?

そう思っていると電子的なメッセージが流れる。


『normalワールド【白狐急便配送センター】セーフエリアからのエスケープを達成しました。次回normalワールドログイン時は【白狐急便配送センター】より開始する事が可能です』


…どうしようかな?

面倒事が追加されたとしか思えない。


けどまあこれも情報交換に含めるしかない…というか他の人も同じアナウンスが流れてるはずだからね。

私は軽くため息をつくとコミュニティールームに向かった。




コミュニティールームに入るとどうやら全員揃っているようだった。

どうやらため息を吐いて考え込んでしまった分出遅れたようだね。


部屋の中を見回すと男性陣は各々が興奮気に言葉を交わしている様子がうかがえる。

私も話に入って会話に加わる事にする。


「お待たせしました」


「ああ、すまんな先にリタイアしてしまってな」


「まああれは仕方ないんじゃないか?というかワズンが余計な事をしたのが…」


よく見たら名誉の踏みつぶされ死を経験したワズンさんが少し委縮している。

…まあゲームなのだから助け船を一応出しておこうかな?


「私が強く止めなかったので許容したのも一緒でした。なので私にも責任がありますね」


「いや、それは…。確かにそうだが、…そうだな。ゲームなんだしいつまでも引きずるわけには行かないしな」


「それに結果的にワズンのおかげであのシーンを見る事ができたし、むしろファインプレーとして褒めたたえるべきだと思うぜ?」


…?

褒めるべき点なんかあったかな?

首をかしげて周りを見回すと…。

同意して力強くうなずいている人と理解できずに不可思議な顔をしている人と…顔を赤くして俯いているアンズだけだね。


…あれかな?

別にご褒美になったとは思えないけどまあ(とら)え方は人それぞれだしね。

それよりもやる事をすませてしまいましょう。


「次のセーフエリアについてですけど、どうやら配送センターらしいですよ。三階建てで配電室は確認しましたけどヒューズが全部なかったので電気が通っていませんでした。所長室も見てみたのですけど電子ロックで完全に固定されていて開けられませんでした」


「ああ、だから真っ暗だったのか?…配電室も鍵がかかってなかったか?まあいい、とりあえずこっちは段ボールをほとんど潰して中身を確認したけど全て空だった。楽はさせてくれないってことだろな」


「配送センターの正面の通用口だがバリケードが張られていて上から乗り超えてなら出ることができそうだったな。後は配送トラックとフォークリフトが置いてあったな。鍵はささっていなかったので動かせなかったが」


「裏口もあってそこから細い道にも出る事ができそうだったぞ?もっとも暗くて先が見えないからちょっと怖くて確認してないが」


私達の報告を聞くとサカキさんと吸い殻さんがにやけた顔をする。

肩の力も若干抜けているように見えるね。


「収穫がたくさんで何よりだ。こっちはただ待っているのもあれなので用務員室でアイテムとか全て回収して部屋に移動させておいたぞ」


段取りがよくて大変助かりますね。

部屋の片隅にゾンビの死体やらアイテムが雑多に放置されている。


…整理はしてないかな?

ここら辺は性格がでていそうだ。


「いやしかし自分が立ち上げた部屋で成果が出るって気持ちいいな。そしてほっとしたよ」


サカキさんは大変満足そうな笑顔を浮かべているけど、まだ報告は終わっていない。


「他には次のセーフエリアでエスケープするとセーブポイントみたいにそこから開始も可能になるみたいですよ。…他の方はどうでしたか?」


「ああ、ニミリちゃんと一緒だな。俺にも同じような通知が出たぜ」


「なんだと!?」


サカキさんが驚いたように声をあげる。

すると慌てたようにコンソールを操作して…ガクリと肩を落とした。


「俺の方は表示されてないな…。という事はルームメンバーの誰かが持っていれば移動できるというわけじゃなさそうだな」


という事はその権限を全員が持っていなきゃいけないか?

それともルームのオーナーが権限を持っていなければいけないか?

ここの運営はとにかくユーザに楽をさせたくないようなので多分前者でしょうね。

そう予想しているとルームオーナーを他の人に変えて試行して…やはり前者が該当したようだった。

これだと全員が配送センターのセーフエリアまで行く必要がある。


「明日はとりあえず全員あそこへ到着するところからかな…。二度手間になって申し訳ないが」


「まあ皆様都合が悪くなければそれでいいのではないでしょうか?そして急でこちらもすいませんがちょっと相談したい事が。」


「なんだ?結構無理させてる所が多いからある程度なら無理で返して問題ないぞ?」


「そろそろきりがいい所なんで私とアンズはお暇させていただこうと考えているのですが?」


「ニミリ、それでよろしいのです?」


アンズが慌てて会話に参加してくる。

…そう言えばアンズに事前に相談していなかった。

けどまあ私の勘は外れていないと思うからこのまま進めるとする。


「と言うかアンズが結構限界でしょ?やりたい事やりたい放題する性格なのに三日も集団行動続けてたから化けの皮が所々がはがれてるよ?」


「そのような事ありませんわよ?」


アンズが露骨に目をそらして壁の方を向いている。

まあ話の路線はこれでいいでしょ?

サカキさんが悩むような顔をしながら回答をひねり出して来た。


「まあそうなんだよな。ここのルームもほぼ目標達成だから一度解散して再編すべきだろうな。…わかった。お二人が抜けるのは問題ない。ただし情報の秘密については他が周知するまでは漏らさないでほしい」


とりあえず難所であったもめて抜けるという事は無さそうでよかった。

後は明日三人を次のセーフエリアまで案内すれば終わりでしょう。

そう考えているとサカキさんが苦しそうに唸りはじめた。


…どういう事だろ?

不可思議な行動に私が首をかしげていると吸い殻さんが笑いながら説明してくれた。


「いやなサカキの奴はニミリさんやアンズさんには頼りになった上に借りまで作ってまだ返してないから心苦しいだけだと思うぞ」


「まあそうなんだが…」


「だから衣装借りて女装すれば解決…」


「それ以上は言うな!というか何もよく考えれば俺でなくても!?」


騒ぎ始める二人を余所に私は考え始める。

そう言えば今日の指示出しは一個借りの扱いだった。

何というかサカキさんは返済しようというから律義だよね。


しかしどう返してもらおうか?

どうせなら思いっきり派手に返してもらいたいけど女装は無しか。

…そう言えば今日会ったあいつを?


私は頭の中でそろばんをはじきながら計画を立てていく。

そして数分もすると希望的な確率だけど試してみるのもありじゃないかなという計画が出来上がる。

よし、これで行こう。


「わかりました。借りの返済については今考えました」


私がそう宣言すると一気に注目を浴び、周囲が沸く。

サカキさんは困った顔をしてこちらを見てくる。


「言っておくが女装は…」


「しつこいです。それ以外で考えましたので」


私の返事にサカキさんはほっとした顔をして周囲のテンションはダダ下がりになる。

それでも私が何を言い出すかは興味があるようなので注目は続いている。


「明日挑戦したい事があるので全員に付き合ってもらおうと思うのですがいかがでしょうか?」


「…具体的に内容を聞いても?」


まだ疑り深い目でこちらを見てくる。

まるで私がとんでもない事しか言わないみたいみたいだ。

仕方ないここはそんなことは無いと回答をするとしよう。


「いえ、あのハリネズミを始末してみようと思いましてね?」

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