第3輪 僕無謀丸
第3輪 僕無謀丸
コンソールで地図を確認すると、侵入者は3人パーティーだったようだ。
問答無用で即座に2人は斬られ1人は降伏。
捕まり怯える天使は、ここに連れて来られた。
侵入者は少数精鋭だったらしく、斬られた2人で200CBもあった!
事情を聞きたくはあったが、「ごっはん♪ごっはん♪」な、アテナを見ると、先にご飯にした方が良さそうだった。
取り敢えず捕虜の天使を床に正座させて放置、先にご飯を手配する。
コンソールの設備→ルームから食事を選ぶと、部屋の右側に扉が現れた。
扉を開け中に入ると、食卓と何やら不思議な四角い機械があった。
不思議な機械を見ると、メニューが書いてあり、たくさんのボタンがある。
取り敢えず〈ハンバーグ〉の絵ををポチっとな♪ すると、四角い機械の小窓からハンバーグが出てきた!!
『おぉー!』
いきなり現れたハンバーグに感動する女神と天使たち。
押した回数だけ出てくるご馳走に、僕を含め【この時は!】みんなとても満足だった…。
お腹もいっぱいになり、気分も落ち着いたので、捕虜天使とお話を開始する。
「天使さん。女神アテナに従い、そこにいる天使〈テンツー〉って言うんだけどね、みたいにアレク軍に入りませんか?ちなみにお名前は?」
アテナの笑っていない微笑みが、捕虜天使の心をを切り裂く…。
「は、はぃ…こちらこそ…是非…宜しくお願い致します…名前はありません……」
今にも消えそうな天使だった。
「ではこちらこそ宜しくね。君の名前は〈エンツー〉ね。あ、自由にご飯は食べていいからね~」
「エンツー…。ありがとうございます!宜しくお願い致します!」
何やら嬉しそうだった。
そういえばテンツーの時もそうだったけど、名前を付けると嬉しいようだ。
ではなんで無かったのだろう…?
「テンツーとエンツーに聞きたいのだけど、2人は名前がなかったって言ってたけど、なんで無かったのかな?」
「私の場合、生まれた勢力に天使が私しかおりませんでしたので、呼ばれ方は天使になっておりました」
「わ、私の場合も、同じです……」
なるほど。1人しかいなかったので、名前を付ける必要が無かったらしい。
「分かったありがとう。話は戻るけど、エンツー、ここに攻めて来たのはなぜ?みんな定期的に攻めてくるのだけど、何か知ってる?」
「誠に申し訳ございませんでした…。攻め込まれる理由ですが、5日前にこのダンジョンは生まれたばかりなので、古参のダンジョンに狙われるであろうと…」
「なる程、エンツー達は3人パーティーで来たけど、これは兵力が少ない軍団だったのか、少数精鋭だったのか分かる?」
「アテナ様に斬られるまで、この辺り一帯で最強のパーティーでした。斬り捨てられた2人は有名な★3でしたので…」
ほぅ…。これは貴重な情報だ!
「★3は珍しいの?強いって事?エンツーは★2だよね?」
エンツーは聞かれた意味について、不思議な表情をしている。
「★3は、ダンジョン召喚において1%を引き、さらにその中の10%の実体を引く必要があります。実質的には0,1%なので、確率は1000回に1回しか引けません。またレベルを最大にして上げる方法もあります。★2を★3にするには、★2を100体討伐する必要があり、かなりの年月を必要とします。あとは★2を2体合成すると出来ますが、実質的には1%を3体必要としますので、これもなかなか困難です…」
マジかよ!!アテナの確率いくつだよ!?
「でも、最初の10連で当てちゃう人もいるんじゃない??」
魔王の人口が?100万人くらいいればの話だけど。
「最初の10連…?まさかあれ引いたのですか?!自殺ボタンを押したのですか??」
はぃ??
「えっ?!だって普通引く。よね…??」
「い、いやいやいや!?普通、案内役の天使に止められますよ?!それにダンジョン防衛準備や食事はどうしてたんですか?」
「案内天使って誰?防衛準備ってなに?空腹は5日間集中してたので、飲まず食わずだったね…。考えてみれば死ぬかと思ったよ…」
「す、凄まじいです…。案内天使の説明を聞かずにスタートするなんて…。仮に10連を引いてしまうと、食堂の確保に必要な300CBが無いので、近所のダンジョンに攻め込んで稼ぐ必要があります。出来なければ餓死するしかありません……。そもそも300CBなんて普通攻め込んでも稼げませんが…。仮に近所のダンジョンに攻め込むと、安全期間が終了して攻め込まれます。そこで終わりです。なので過去に10連を引いた話を聞いた事がありませんでした…」
どうやら本来のスタートとは違ったらしい。
初めて〈チュートリアル〉を聞いたのであった。
魔王アレク軍 レベル1 CB 172
物攻 20 物防 20
魔攻 24 魔防 20
機敏 20 運 99
配下 ★8 アテナ Lv1
★2 テンLv5 エン Lv5
テンツーLv3 エンツーLv17
武具 ★3 グラム Lv2