時空-Time-
ぼっさんをつれて過去にもどることにきめたアイリはタイムパラドックスをおこすべく動き出す。
「わい心配になってしもうた・・・」
「いいの気にしないで」
気丈夫に振舞うがメンタルはズタボロでどうしようもないほど虚しかった。
「辛い思いをした数だけ人にやさしくなれるんやでアイリはん」
「うぐっひぃっく」
言葉にならない音と共に涙が零れ落ちる、分かっていても悲しいものは悲しいのだ。
「治してくれるのはテツオしかいないわ」
「せやで・・・」
「転移のゲートを目指しましょう・・・!」
のらりくらりと旅路を急ぎあゆみ続けるアイリとぼっさん。
途中、ホテルマイアミの抜け殻になった跡地にとまり一夜を明かした。
ゲートにたどり着くと一息ついて覚悟を決めて飛び込んだ。
東京ゲートの出口には拠点が設営され人で賑わっていた。
「ここの管理者にあいにいきましょう」
「せやな、役所があるみたいやで」
ぼっさんの神がかったアシストによって役所をみつけだすと管理者のモブトが現れた。
「やーやー久しぶりではありませんか。私はこのとおりスッキリと別人のようになりましたよあなた方のおかげです!」
「モブトさんお久しぶりです」
「今回はどういったごようけんで」
「ゲートを利用させてほしいの」
「ゲートをですか・・・!何かあったようですね詳しくお聞かせください」
事の顛末を話すと涙しながら同情してくれた。
「ならばお力を少しでもおかししましょう!ゲートのキーとなるリングです」
「ありがとう!モブトさん!」
金剛石のリングを受け取るとお辞儀をして別れの挨拶をした。
「ゲートへ向かいましょう!」
「せや!ゲートに直進やで!」
ゲートにつくと夫人像が心なしか寂しそうに立ち尽くしていた。
リングをハメて魔力をながしこむ。
リングはキーの役割を果たし煌びやかに光だすとゲートを覆っていたまくを閉じ再び開いた。
「これで時の歪が生じるはずや」
夫人像が無機質ながらも生物のように動き出すと喋り始めた。
「時空の旅人よ・・・殊勝な羊ではなかったようですね・・・」
ぽつりと呟くと口から大量のマナを吐き出し始めた。
周囲が霧につつまれ魔力であふれかえるとアイリとぼっさんは宙に浮いた。
幾星霜の景色が積み上げ崩され構築され解体される。
時空が歪み繋がっていく。
「ぼっさん!」
「アイリはん・・・!」
手を繋ぎ目を閉じる。
光がさす平地には夫人像が固まっていた。
タイムリープに成功した瞬間であった。




