愛夢-Less-
一方、オズは愛を失いかなしんでいたが、人に蔑まれ貶され生きてきた歪んだ精神が異常なまでに愛に固執させたのはまた過去の話だ。
「くんくんっ匂いますよ、愛の香りです」
ようやく月をしきる下弦にまた逢う事ができるのだからオズは心を躍らせずにはいられなかった。
あの日熱い抱擁を交わした瞬間かんじたものは間違いなく愛だった。
「神よ・・・どうか我々をお導きください・・・」
「神ならアッパーすってビーチでバカンスしてる頃さ」
「なんと不信人なプリーストかしら」
「それくらい事は逼迫してるってことさ」
「無駄話はそこそこにして、こちらですよ・・・」
オズが鼻をひくつかせながら集団を先導していく中で一歩ずつ確実に着実に下弦を辿っていた。
タニシとプランクトンの魔物がいくてを阻むが相性の良いラムゥトのサンダーで難を逃れていった。
サザエの魔物がつぼ焼きの様に倒れ、ラムゥトは長い手をつまようじの様にさしこみくるりとほじくりだすと美味しそうな臭いがあたりに充満した。
「こんなところにいやがったか!覚悟しろ!」
切望のヨハネは天使の羽を広げながらアイリ達を急襲した。
「熱くなりなさい!エンゼルキッス!」
オズが天使の口づけを受け入れる。
愛
刹那に感じた愛だったが――。
「甘いのですよ・・・!キスの味がディープにたりてませんよっ!」
レロレロとヨハネをなめまわすとヨハネはとろけきってしまった。
「甘いスイートピー・・・」
「はぅっっっ!」
全身を痙攣させながら絶頂する天使がそこにいた。
切望のヨハネは堕ちてしまったのだ恋に。
絶頂と共に果ててしまったヨハネ。
「うらやましいわ・・・。ぐすん・・・」
羨望のナターシャは悪魔の涙を流した。
悪魔の涙は結晶へと昇華され空中で固体化し、ぽつりとぽつりと床をぬらした。
染みからは濃厚なマナが発露されており、プランクトンの魔物が群がっていく。
「うらやましいわ・・・こんな高密度のマナを食べて成長する魔物はさぞや強かろうね」
ラッパムシという微生物が成長し天使のホルンへと姿を変える。
「いい音色がきこえそうねぇ!!」
甲高い風切り音が木霊する。
不完全な天使のホルンはいびつな音波をはなった。
「頭が割れそう・・・」
「レス!」
即座にテツオがレスの魔法を行使し、音波を遮断する。
「ヒーーーリング!」
「ありがとう!」
羨望のナターシャは羨ましかった。
「ふざけるな!」
幾星霜の年月を過ごしたナターシャの感情はピークに達してしまった。
「アハハハハハハアハハハハハ」
「そうだったのね・・・」
一人でで納得するナターシャ。
「みんなしんじゃえばおなじじゃん!」
狂気の沙汰とおもえるほどのラッパムシを吹き続け、朽ち果てた。
悪魔のナターシャは霊界にソウルをひきよせられ平等にマナへ回帰することはなかった。




