人狼-Love-
情報をきき出せたのでソレを解析官の人狼オズに引き渡した。
人狼のオズはふてくされながらも作業を続けていた。
なにやら不満がつのっているようで満月が近くなると興奮気味になるのだ、オズは自分の何をもてあまらせ、愛する者を失ったオズは愛に飢えきっていた。
「愛・・・愛ゆえに愛・・・あい・・・あいうえお愛飢え男」
一人そう呟くと愛に飢えた男は盛り、本能のままにあろうとする。
が、理性がそうせないのである人である部分をわずらわしくおもっている人狼オズが情報の解析に急いでいた。
月は王国の腐敗した部分、根幹から腐りきってしまっていることに気付いたオズは頭を抱えていた。
「どうすりゃいいんだ・・・処理しきれねえぞこんなもん」
ぼやきながらも対策を案じる一方で愛が急速に飢えていくことに気付いた。
「アイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!愛がたりませんねぇ!!紳士淑女たるもの愛を背負い愛を胸にきざみこんでいきていかなければならないというのに!」
遠吠えのように早口でのたまうと同時に情報の解析が完了した。
「エクセレント!!!その手がありましたか!」
オズは独り言を続けると資料をまとめ雪姫達のもとへとむかった。
下弦が現れたのはその時であった。二人は旧知の仲だ。
「オズ・・・愛はみつけられたか・・・」
「愛・・・遠のくほど儚く近づくほど狂おしい物!私はみつけられませんでした・・・」
「そうか・・・情報の分析は完了したのか?」
下弦はそう呟くと煙草に火をつけた。
「オズ死んでもらうぞ」
「愛ィ‼!・・・故にですか・・・?」
人狼はむくむくと双肩を膨らませながら狼の姿へと変貌する。下肢は人で上体は狼のオズが体を膨張させながら戦闘態勢へと移る。
「あなたには私の愛をうけとめてもらいましょうッ!月を操っていたのはあなたですねッ!」
狼の毛並みは鋭く針のようにとがっていた、強度は鋼の如くそれはすでに毛ではなかった。
立ち尽くす下弦に突っ込み抱き着く。
「愛をうけとめてくださいッ!!」
抱擁し、激しく締め付ける。
「無駄だ・・・」
下弦は枯れ木のように朽ちていき分身をうみだすと腰にさした刀を抜き下弦はオズを切りつけた。
「熱いッ・・・感じますよ・・・あなたの確かな愛の形ッ!!」
斬りつけられた背中を気にもせずバックブローで下弦を吹き飛ばし、鋭い毛並みが凶器となり突き刺さる。
空いた穴は木がささくれだったように穿たれているがダメージははいっていない。
木人の様に棒立ちになり、木が枯れて消え行く様に雲散霧消する。
「死ね」
またも分身を作り出し心臓を狙い一突きする。
オズは生命の糸が切れたように刀に身を預け、自重によって身が切れていく。
「これも一つの愛・・・ですねッ・・・!」
資料が空を舞い分散する。血に染まり、字がよめなくなるほどに――。




