放課後-Party-
エネルギーは再度、収束し彼の剣に禍々しい光となって備わった。
「無礼者には死を」
首長族の男は目を細めながら言う。
「何勝手に話しかけてきてるわけ?」
剣を収め懐から取り出したクリスタルに稲妻を避雷させる。
「もう勝負ついてるから」
高貴なる出自の首長族の名前はフロム。
幾千幾星霜の敗戦と勝利を得て彼は手にした。
究極の武具、イージス。
イージスは己の盾となり矛となる。
クリスタルを盾の隙間に埋め込むと盾は紫から金へと変色し本来の型を成す。
踵を踏みしめ爆発的な加速度で標的に突貫する。
双を成す巨壁が衝突し反発したかの如く大地は揺れ
天は晴れ雲を穿つ、頭上にはさんさんと輝く太陽。
「晴天の霹靂――」
フロムはそう呟くと
「貴様らを我パーティーに招待しよう」
大仰な素振りでラムゥトと主を迎え入れた。
「すまぬ、貴殿の風貌が故、クロノスの刺客ではないかと履き違えた」
「しかし、遠慮致す」
反射的にラムゥトはフロムを拒絶してしまう。
「といったものの、我主のご意向を聞かねばなるまい」
主は首をかしげながら頷いた
「い、いいと思います。よろしくお願いします」
一瞬ラムゥトのコアが輝いた気がした。
「御意」
「フゥーハハハ!では参るぞ!」
しばらくすると、下卑た野次が飛び交う戦場の様な拓けた場所に出た。
首都モスクボルグの郊外にある草原で漢達は火花をちらしていた。
荒野とも草原ともつかぬその土地は放課後の憂さ晴らしにはうってつけであった。