幸運-Luck-
極貧生活が続いていた。
「草ばっかりあきたんじゃぁ~~」
「主よ。キノコも食べられよ」
「同じ草じゃーキノコも草もおんなじゃぁ~」
「いっしょくたにするのはようあらへんで」
雪姫が作った得体のしれない弁当箱をよそめに草などを食べるアイリ。
「何故たべていただけないのかしら」
(こんな禍々しいオーラをはなつ食べ物があるか!)
食品からは泡がふきだし紫色にひかっている物体が弁当箱につめこまれていた。
ラムゥトが試験管をとりだし採取している。鑑定結果がきになるところだ。
「オロロロ・・・雪姫ショックですわ」
「空に猫がとんでみえる~」
アイリは幻覚かと、うたがったがどうやら違うようだ。
巨大な茸の頭が猫のようになっていることから猫茸と名付けられている。その胞子が飛んでいたのだ。
猫人のホークアイからきいたことがあったアイリは猫茸の胞子をつついた。
「にゃぁ~」「にゃ~ぅ」「にゃ~ぁ」
猫のような鳴き声とともに塵となってきえた。
猫茸は自生しやすくサイズも大きいので食材としては重宝されていた。
ぐつぐつと煮込む鍋に猫茸をくわえていく。
「にゃぁにゃぁうるさいのです」
煮立つ毎ににゃぁにゃぁと気泡がはじけていった。
「ホークアイただいま参上にゃ」
猫茸鍋につられてやってきたホークアイがしなやかにのびた尻尾を振る。
「猫人にとって猫茸は生活必需品にゃ」
「借金で首がまわらなくなっているときいたにゃ」
どこから聞きつけたのかホークアイは猫の手を貸してくれるようだ。
「招き猫といって福をよびこむアイテムがあるのにゃ」
これをつかえと渡してきた。
にゃんごろにゃんーー。
招き猫はにゃんにゃんいうと手を招き始める。
するとネギをもったカモの魔獣鴨葱が現れた。
「料理につかうといいにゃん」
ラムゥトは加工の魔法をつかうと一瞬で鴨葱を鍋の具材に変化させた。
「ごちそうになったのだぁ!!」
アイリは目を輝かせながら鍋をむさぼった。
招き猫はなおも幸運を招き、ギルドから大工房でのダンジョン攻略依頼がきた。
大工房採掘地域にダンジョンが発生したのでその調査を行えということだ。




