沖縄ミッドナイト!
時刻は21:30(フタヒトサンマル)。
ノ之字運動で間合いを取り、沖縄侵入時間を22:00と設定した我が艦隊は、
戦闘食も終わり全戦闘員は士気旺盛。
主砲の試射も終わり(凄い破壊力になってた。水柱も以前の数倍。)、
各艦の艦長との打ち合わせも終わり戦闘開始の合図を待つのみ。
(無電も未来の無電で傍受不可能。(デジタル無電)暗号も不要だそうだ。)
「お使い様、いよいよですね。」
「ええ、敵は膨大な数。コチラの強みは無制限斉射出来る事、速度が敵の倍。
そして打てば必ず当たる事です。」
「それでも敵の射撃を食う心配がありますな。」
「そのためにも船体と舵を徹底的に補強したのです。
エンジンとスクリューだけでは直線行動しか出来ません。
ですので・・。」
何とも・・。
敵をかく乱する意味のための速度アップだそうだ。
「主舵操舵員、藤原曹長!」
「ハッ!」
「貴様に大和の命を預ける。操舵は全て貴官に任せる。
思うがままに大和を操舵し勝利に導いて見よ!」
「了解しました!!」
藤原曹長、群馬出身。
実家稼業は豆腐販売業。
雨の日も雪の日も毎日自転車で榛名山を越え豆腐を販売してた。
帰りの下り道では自転車を自在に操り、次の豆腐を取りに帰ってた。
その彼が何故か海軍に入り、大戦艦大和の操舵主任となり、艦隊の命運を握る事になるとは・・。
お使い様が指を鳴らすと何時もの操舵輪の横のもうひとつ椅子やハンドルが現れる。
バトルシートとか言うらしい戦闘時専用シートだそうだ。
全ての制御をこのシートで行えるので説明を受ける。
(車のコックピットと同じに設定してます。)
彼は操舵席に据えられた椅子(パケットシートと言うらしい。)に座り、
シートベルトを着用、操舵輪を握ると全艦乗員に持ち場のシートに座れ!と指示して、
大和を操縦すると.....!
何と!大型戦艦が湖面を舞う蝶のように海面を疾走する。
かつて榛名山の峠を下る時、自転車で思い描いてたラインを大和で再現出来る。。
スゲ!!これぞ俺の本当の仕事だ!
提督に従い左右に舵を切るのとは訳が違う。
大和を俺の思う通りに軌道出来るなんて!!
彼は沖縄突入まで数度操舵を繰り返し、カンを飲み込んだみたいだ。
22:00(フタフタマルマル)
いよいよ無敵艦隊は沖縄海域に全速で突入。
各艦全てが50ノットで侵入し、自由戦闘とした。>戦闘終了時は旗艦大和から宣言する。
それまではとにかく敵を撃退するのみ。
>同士撃ちはガンサイトにレッドマークが出て発射不能となるので心配無用。
各艦、水を得た魚の如く海面を舞う。
敵に衝突寸前まで接近!
急旋回しながら敵を撃破!
敵艦隊は大和が発射する主砲の砲撃に一撃で轟沈。>駆逐艦は消滅。
大和他の発射管制官は大忙しだ!
目標は無尽蔵に転がってる。
今撃たないで何時撃つの?な状態でレーダー連動のガンサイトに敵が映ったら即座に発射。
マシンガンみたいに連射出来る大砲なんて世界初だわ!
敵が哀れに思えるが、数では負けてる。
少しでも敵を消せ!!な思いで全艦、疾走し敵を打ちまくってた。
藤原曹長は操舵輪をグリグリ回し、巨大艦のテールを振って敵に機動を読ませない。
敵が射点に付いた!と思ったら即座にテールを振り敵を交わす。
伊藤長官も藤原曹長の操舵技術に惚れ惚れしてた。
「お使い様、彼は凄いですね。」
「ええ、もし未来なら世界一のレーサーになってるかも知れません。
素晴らしい操縦技術です。」
実家が貧乏で小学校も通えなかった彼だが、不思議とメカには強く、
自転車も壊れたら自分で修理してたのだ。
海軍に入ったのも稼業を営む親が賭博で店を潰してしまい、途方に暮れて海軍に入ったのだ。
陸軍は何かイヤでね。(;^ω^)
無心で操舵してた彼は敵を感じたら即座にアクセルを抜き、舵を取り急旋回。
「ドリフトだ~~!!」
ヤマダはビックラして大声で叫んでしまった。
まさか大和クラスでドリフトを拝めるとは?
「伊藤さん、戦闘が終わったら彼の階級を上げてください。
彼は海軍の宝ですよ!!」
珍しくお使い様が大興奮して藤原曹長を褒めたたえてる。
だが本当に見事な操舵だ!
まるで大和が生き物の如く機動し敵を翻弄した。
戦闘が終了したら特進を依頼しよう。
某峠マンガの真似です。