199.鏡 義成
二週間後。
介抱の甲斐あり、ベッドに横たわっていた目の前の男は無事目を覚ました。
衰弱してはいたが、目立った外傷も無く、失われた体温さえ回復すれば当然の帰結であった。
ただ、少し気になるのは極端に魔力が少なくなっていた事だ。
魔法を使えるか否かという問題は別として、生物であらば魔力を大なり小なり有しているのが普通である。
これは生命の源である魂、感情、記憶といった代物、これらの総称こそが魔力と呼ばれているのだから、当然の話だ。
魂も感情も記憶も持たないモノなど、生命ではなくタダの物なのだから。
故に目の前の男も魔力を有していて当然なのだが、妙に魔力の気配が希薄であった。
――まるで、何らかの要因で外部から吸い上げられたかのように、枯渇寸前の状態だったのだ。
しかしながら、魂自体に影響は及んでいないようなので、魔力的な意味でも命に別状は無い。
ただ、目を覚ますのに随分と時間が掛かったのはこの魔力が欠乏していたのが主因なのかもしれない。
他者の魔力なんて、不用意に分け与える訳にも行かないしね。そういうのは精神汚染の原因になるし。
……それに、精神汚染なんかで記憶が混乱して貰っては困る。この男には、聞きたい事がいくつもあるのだから。
「――ここは……」
「お目覚めみたいね」
半裸の状態でベッドから上体を起こす男。
無論、両手足を手錠で拘束し首輪も付けているのでそれ以上動けはしないが。
「ああ、御免なさい。貴方が何者か分からないし、危険人物だと困るから悪いけど拘束させて貰ったわ。能力、魔法を使用すれば即座にその首輪が起爆するから、もしそんな事をすれば命は無いと思ってね」
最悪殺すが、有無を言わさず殺す訳にも行かないので、最初に警告だけ告げておく。
これを聞いて尚、暴れるのであらば処分もやむなし。
話す余地があるなら、会話の中から情報を引き出す。
「始めに聞かせて貰うわ。貴方は一体何をしにこの世界に来たの?」
――この男は、この世界の生まれではない。
それはもう間違いなく確定的だ。そうでなければ、あれだけの技術力を有した機械の数々を何処で手に入れたのか、説明が付かない。
私同様に、何処かから持って来でもしない限り。アレは今のこの世界にあって良い技術レベルの代物ではない。
「この、世界……?」
拘束具に気付いていない訳は無いだろうが、どうやら抵抗する意思は無いようなので、質問――もとい、尋問を始める。
「貴方、名前は?」
「――義成。鏡 義成って名前だ。あんたが俺を助けてくれたのか?」
「拾ってきたのはルナって子よ。私は単に介抱してただけに過ぎないわ」
名前をすんなりと述べた辺り、どうやら記憶喪失とかそういう面倒な事態にはなってなさそうで一息付く。
硬そうな髪質の黒髪に、やや白い肌。
あまり表情に緊張は見られず、澄んでいるとも淀んでいるとも言い難い黒い瞳がこちらを見詰める。
――そんな顔を、何処かで見たような――
「義成、ね。貴方は一体何の目的でこの世界に来たの?」
「……この世界って……そういやここは、一体何処なんだ?」
「ここは、ファーレンハイト領に存在する、聖王都ファーレンハイト、その郊外よ」
「ファーレンハイト、って確か……」
現在地が何処なのか分かっていないようだったので、義成という男に現在地を伝える。
それを聞き、何やら思慮に耽る義成。
やがて結論が出たのか。
「――何で俺がこの世界にいるのかは分からないけど、俺は戻らなきゃいけないんだ。これ、外してくれ」
自らを縛り付ける拘束を外すように言ってくる。
残念だが、外す気には到底なれないわね。
「戻るって、何処へよ?」
「リゼ達は、思念滞留域って呼んでた。あそこでまだ、あいつ等は戦ってるんだ。俺だけが、逃げる訳にはいかないんだ」
何処と無く焦りを感じさせるような、真っ直ぐ芯のある物良いで断言する義成。
「……貴方が何を考えてるかは知らないけど。私達が貴方を見付けてから、もう既に二週間が経過してるわよ」
「――それは、本当なのか……!?」
嘘は言ってない。
義成の介抱を始めてから、意識を取り戻すまでの期間を告げた所、目を見開き、明らかにその表情から困惑、そして絶望感を漂わせている。
部屋全体を、沈黙が支配する。
「――やっはろーん! 悪ぃけど返事ねぇから勝手に上がらせて貰っちゃったぜぃー? 元気してるぅー?」
沈黙の支配がぶっきらぼうにぶち壊される。
一切空気を読まず部屋に現れたのは、口を開かなければイケメン、そして妙に私とルナに絡んでくるライゼルという男であった。
「……何かしら。今、忙しいから要件は後にして貰えるかしら」
「……あらら、怖い表情だこと。折角の美貌が台無しだぜミラちゃん」
「邪魔だって言ってんのよ。とっとと出て行かないと、こっちにも考えがあるわよ」
怖い表情? 生憎私はこれが素だ。
ライゼルなんて男は今はどうでも良い。
今片付けるべき案件は、目の前の義成という男だ。
優先順位を変えず、ベッドへ目線を向けると、義成は妙に困惑した様子を見せる。
「ライゼル……!? お前、無事だったのか!?」
「無事? おいおい行き成りお前は一体何を言ってんだ?」
「何を言ってんだはこっちの台詞だ! リゼとシャルは無事なのか!?」
「誰だよそいつ」
「誰って、リーゼロッテとシャーロットだよ! お前何か前々から知ってる的な口振りだったじゃねえか!」
「ああ、誰かと思ったら俺様の姉弟子様か。つーか、まるで話が飲み込めねぇんだけど一体お前は俺様の何なのさ?」
話が飲み込めないというのは、私も同感である。
「……分かった。取り敢えず、お前と出会ってから今までの流れを全部話す」
ライゼルという男の存在が切欠なのか、義成はその口を開く。
――義成という男がライゼルと出会ったのは、ファーレンハイトの王城内だったという。
何でも義成はリーゼロッテとシャーロットという人物と共にファーレンハイトの王城へと侵入。
義成が住んでいたという、ここではない別の世界を攻撃したファーレンハイト王――グラウベを問い質し、最悪討ち取る覚悟で城の真正面から突撃したという。
そこで、王城の警備に当たっていたライゼルと遭遇。リーゼロッテとライゼルが交戦する事になる。
リーゼロッテがライゼルを足止めをしている間に、義成とシャーロットはグラウベの下へ辿り着く。
そして交戦し、グラウベは難なく義成とシャーロットを撃退したという。
グラウベが義成とシャーロットを排除しようとした所、横槍が入り、グラウベは重傷を負う。
その横槍を入れた人物は逃走し、その人物を追うべく、義成は新たにライゼルを味方として加え、その人物――ライゼルによるとナイアルという名らしい――を追い掛けるべく、思念滞留域へと突入。
そしてそこで、限りなく神に近い存在だという、神殺七光剣――かつてこの世界で「破壊神」と呼ばれ、初代勇者との死闘の果てに討ち取られた筈の存在。
決して滅ばず、ありとあらゆる事象を「抹消」する力を持つ、神殺剣レーヴァテインと交戦したという。
神を自称するだけあり、その戦いの最中に義成は戦線から吹き飛ばされ――気付いたら、ここに居たという。
恐らく、その吹き飛ばされた際にこの世界に落ちてきたという事か。かつての私のように。意図的にと偶然の差異はあるが。
「……お前、名前は?」
「? 鏡 義成って名前だ」
「義成か。生憎俺様は、お前みてぇな奴知らねぇな。多分お前、時間軸か世界軸がズレてる。多分レーヴァテインの奴が余計な真似したせいでこんな面倒な自体になっちまってんだと思う。お前が居たその場所に戻るには、そのズレを修正して飛んで行く手段を見付けねぇといけないぜ?」
……私に有益な情報は入ってきているのだが、私が話から除け者になっている気がする。
「……ライゼルとの話は悪いけど一旦ここまでにして貰うわ。私の質問にも答えて貰うわよ」
「ああ、分かった」
二つ返事で了承する義成。
先ず始めに、最大の懸念である所を確認する。
それは即ち、この義成という男は私の居た世界からの刺客なのか否かだ。
元々、私の居た世界では思念滞留域を突破し、元々彼等が居たという世界――この世界への移動が可能か否か、その手段を模索している最中であった。
その研究データは軒並み破棄し、機械も破壊したから計画は頓挫したとは思うが、それでも私はこの世界へやってくる事には成功してしまった。
私が来れたなら、私の世界から第二第三の人物がやって来る可能性はゼロではない。
故に、この男がそうなのか否かは何よりも優先して確認したい事項であった。
「多分、違う」
私の質問に対し、否定の意を示す義成。
地名も一致し、私の世界と酷似している点が多数あったが、何よりも大きい最大の差異があった。
「リゼ達も言ってたけど、俺の世界はその魔力っていうのが物凄く希薄らしいんだ。ほぼ無いって言っても良い位だってさ」
「魔力が無い世界……?」
それは、私の世界ではあり得ない。
呼称こそ違うが、私の世界でも魔力は普通に存在し、機械制御によって魔法は日常的に用いられている。
そこまで考え、気付く。
言われてみれば、この義成という男の周囲に散乱してたという機械の数々。
その全てが動作に一切の魔力を要求しない代物ばかりだ。あれらが魔力の無い空間でも動作するようにするしか無かったと考えれば、説明も付く。
……魔力の無い世界、か。興味深いわね。
この義成という男の持ち込んでいる機器類を見るに、相当な技術力を有する世界である事は間違いなさそうだ。
「そいつの言う事は全面的に信用しても良いぜ。この俺様が保証してやるよ」
義成の言う説明に何か感じる物があったのか、ライゼルが話の信憑性に太鼓判を押してくる。
「そう。頼りない限りね」
「そりゃーねーだろうよぉーミラちゃーん」
ライゼルが口出ししてきたのでサックリと流す。
だが、多分この男……義成は嘘を付いていないと思われる。
口調に淀みが無く自然だし、そもそもあんまり感情を隠すのが得意な人では無さそうだ。
「……そういえば少し気になったんだけど。神殺七光剣って一体何よ? 初耳なんだけど」
義成もライゼルも、何故か知ってて当然のように話を進めているが、私からすれば初耳の単語なのだが。
「ミラちゃんみたいな世界の裏事情に詳しくない人だと知らなくても無理ないかもしれないねぇー。だけどミラちゃん。世界には知らなくても良い事ってのはあるもんだぜぃ? 余計な事を知ったばかりに、後ろからブスリと刺されるなんて事も……! あっ! でも俺様としてはぁー、ミラちゃんには是非ともブスリと挿したいって言うかぁー」
「知ってるのね。知ってるなら話して欲しいんだけど。多分、私も無関係じゃない気がするからね」
私の記憶の中に、似たような代物に関する情報があったしね。
ライゼルの無駄口の多さに辟易しつつも、要点を纏める。
何でもライゼルはその神殺七光剣と既に遭遇しており、ライゼルが知るのは「抹消」と「時」の力を司る神殺七光剣が世界には存在しているという事だ。
どうやらこの世界に全ての神殺七光剣が存在する訳ではないらしく、ここではない別の空間を含め、至る所に点在している可能性が高いとの事。
また、これはライゼルの推測だが、そもそも名称が神殺七光剣なのだ。恐らくこの限りなく神に近い存在は、全部で七種存在していると考えるのが自然だと。
そして以前、ライゼルはその内の一つである「抹消」の神殺七光剣という相手と交戦し、これを退けたという。
「――『時』の神殺七光剣、か」
神殺七光剣。
初耳だが、それが恐らく正式な名称なのだろう。
私の世界に存在している、「時」を司る神の力の結晶。
アドリアという男は、そう口にしていた。
そうか。つまりアレは、「時」の神殺七光剣が正式な名称、正体という訳か。
確かにこの世界ではない、私の世界にも存在してるみたいね。
「……どうすれば俺は元の場所に戻れる? 知ってるなら、教えて欲しい」
質問に対する受け答えではなく、明確な意思が宿った言葉でこちらに問う義成。
「思念滞留域を破って、更に『時』の力を用いて時間軸を調整出来れば戻る事は可能だと思うわ。その際、タイムパラドックスを防止する為に少しだけ時間をズラす必要はあるけどね」
理論上は、それで良い。
ただ理論上と現実の間には、とても大きな谷間が待ち構えている訳だが。
「そんな出力を出せる程の魔力を一体何処で用意するのかって話になる訳だけどね」
魔法を発動する為に必要なのは、要は魔力だ。
どれだけ強力な魔法であろうと、魔力さえ用意出来るなら大抵は何とか出来る。
だが途方も無い魔力をどうやって用意するのだという問題が常に付きまとう。
それこそ、魔力極点の地を利用してその周囲の膨大な魔力を――いや、ここまで大掛かりな作業となると魔力極点の魔力だけでは足りないかもしれない。
不足分を補えるだけの強力な術者が必要になる。
「魔力極点なら行けるんじゃねーの?」
「それだけじゃ足りないわよ。それに、白霊山までどうやって行く気なのよ」
「おいおいミラちゃーん。魔力極点の場所知ってるなんて物知りだとは思うけどさぁ、なーんでわざわざそんな面倒な場所まで行くのさ? 魔力極点だったらトゥーレ村跡地があんだろ?」
「……何処よそこ」
「大農業都市ファーマイングから数キロ離れた場所の、トゥーレ村が在った場所だ」
それも初耳だ。
何でも、ライゼルの話によるとこの世界の魔力湧点、白霊山の対となる魔力流点の地はこのファーレンハイト領内にあるらしい。
思わぬ所から、魔力極点の片割れの場所が判明する。
「そういう貴方こそ、随分詳しいのね」
「……昔、色々あってな。調べてたんだよ」
色々、ねえ。
正直ライゼルという男の言う色々ってのはロクでもない事な気がしてならない。
「そういや、俺の持ち物は何処にあるか知らないか? この位の大きさで、ものぐさスイッチっていう名前らしい、魔力で動くスマホみたいなヤツなんだが」
「……すまほ、って何だ?」
「…………これの事?」
何で私の持ち物の名前を知ってるのかは知らないが、普段から持ち歩いている携帯端末を義成の目に晒す。
ライゼルは聞き慣れぬ単語故に、頭の上に疑問符を浮かべているが。
「ああ、それだ。悪いけどそれ、返してくれないか?」
「返すも何も、これは元から私の持ち物よ。貴方に渡す道理は無いわね」
一体何を言っているのだこの男は。
「……どういう事だ?」
「アレじゃね? 同じモノがこの世界にも存在するっていう状態なんじゃね? あれ、でもそうだとすると――」
ライゼルはどうやら時の法則に関する知識が多少あるようで、どうしてこうなったのかの考えに至ったらしい。
時間軸が違う、世界軸が違う。
もし義成に対するライゼルの仮説が正しいとすれば、それはつまり――
「――ああ、成る程。だったら色々納得が行くわ」
馬車やリュックといった、何らかの物資を運ぶ為に用いるような代物の類が一切何処にも見られない。
にも関わらず、とても一人では持ち運べないような大きさ、数々の機械製品に銃火器。
あれらが全てものぐさスイッチ内の亜空間に収納されていたものの数々だとすれば、納得だ。
「おい、どういう事だよ説明してくれよ」
「多分、貴方の持ってたっていうものぐさスイッチ、壊れたわ」
「……えっ」
「タイムパラドックス防止の為なのか、人や物を問わず、同じモノが同じ世界に現れると、後から現れたモノは世界から消滅するのよ。貴方の周囲に色々道具が散らばってたし、貴方の持ってたっていうそのものぐさスイッチは壊れた、そう考えるのが自然よ」
……そうなる。
このものぐさスイッチは、「時」の神殺七光剣とやらの力で保護されている。
故に通常の物理的・魔力的な破壊は一切不可能で、こんな精密機械ななりをしているが、堅牢な盾であるとも言える。
だが、世界の法則という絶対的な力が相手ならば、破損も有り得るかもしれない。
実験していないので予測の範疇を過ぎないが。
「……魔力が無い世界なのに、何でこのものぐさスイッチを貴方が持ってる訳?」
「ああ、それはシャルが持ってきたんだ。元々は、俺の世界になんて存在しないさ。そんな超技術の産物はな」
ああ、他所から持ってきた訳ね。
「一応貴方の周囲に散乱してた銃火器や電子機器なんかは回収したけど、ものぐさスイッチが無いんじゃ、持ち運ぶのは無理そうね」
「この際、銃火器さえあれば他はもうどうでも良い。何としてでも俺はあの場所に戻らなきゃならないんだ」
「随分と使命感に厚い事で」
「……大切なヒトの命が掛かってるからな」
「まぁ、義成くんとやらの決意なんざどうでも良いけどさぁ。レーヴァテインが絡んでる時点で俺様ももう他人事じゃねえや。俺様に出来る範囲なら協力してやんよ」
「本当か?」
「流石に俺様、こんな重要案件に嘘言う程馬鹿じゃねえつもりだぜ。ああ、そんな訳だからミラちゃーん! 俺様、ミラちゃんに色々協力して貰う事になりそうだけどお願いねぇー!」
「は? 何でそこで私に話を振る訳よ。協力するのは勝手だけど、私を巻き込まないでくれるかしら」
折角平穏無事な日常を堪能しているのだから、余計なトラブルに私を巻き込まないで欲しいわね。
「――前にレーヴァテインが目覚めた時は、偶然に偶然が重なってなければこの世界の生命全部が消え失せてたかもしれない。それ位の脅威だと思って良いぜ」
何時に無く真面目な口調で語り始めるライゼル。
普段は適当な事を抜かし、無駄口ばかり叩く軽薄男だが、この男が真面目に話している時の内容に嘘があった時は今まで一度も無い。
「マジであの野郎が復活したってなら、世界崩壊の危機だ。この義成って男に協力するしないっていう選択肢自体が無いっつーか、何とかしないと世界規模でヤベェ。あの野郎が本気を出せば、時間軸とか世界軸とか一切関係無しに全世界丸ごと『抹消』しかねない。それが出来るだけの力を持ってんだ、アイツは」
「……そんなのと戦ってどうして貴方がここにいるのかしら?」
「まあそこは色々事情があるっつー事で」
……まあ、この義成という男が元の世界に戻る為の手助けとやらを、全くしたくない訳でもない。
彼から、それ相応の報酬を貰えるのであらば、するのも悪くないとは考えている。
「私としては、助力をするならそれ相応のモノ……報酬を貰いたい所ね」
「――金か」
断言する義成。
まあ、普通であらばそう考えるのが自然よね。
ただ生憎、私はもう金には困ってないのよ。
「私が欲しいのは――貴方の持つ記憶。正確には、貴方のいる世界ってヤツの座標情報ね」
私の居た世界でも、私の居る世界でもない。私の知らない世界。
魔力が存在せず、魔法が存在せず、科学のみで繁栄したというその世界。
私は、そこを見てみたい。そこに行ってみたい。
そこであらば、もう私はあの男の影を見る事も無くなるかもしれないのだから。
(一体どれだけ先の未来のお話になるのかサッパリ予測が付かないけれど)
※ネタバレ注意※
ライゼル・リコリスは次に書くお話の主人公、ストーリー終了後の時間軸設定
鏡 義成はこの物語全体の終章の主人公、中盤のラスボス戦途中の時間軸設定
なので義成の物語がきちんとした文章として投下されるのはまだまだ先のお話となります
プロットは、ザックリだけど出来てる
でもそこまで行くのに一体何年掛かるんだろうなぁ……そこまで読者が飽きずに付いて来てくれるのか
一応全部読まずとも各主人公のお話はそれ一つでまとまるようにしている、つもりではある
あくまでも知ってれば更に楽しめる程度の要素にしておきたい
神殺七光剣は、全ての物語の主軸となる要素
その全てが規格外の力を持ち、また「他者の願い」を「自分勝手に」叶える性質がある
力を与え放置する事もあれば、自分に都合の良いように願いを叶える事もある
故に本当に自分が望んだ通りの形で願いが叶うかは不明




