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異世界召喚されたら時の神子になりました  作者: 森崎優嘉
第三章 4代目時の神子 レイラ
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メイリラルド歴881年(3)

次の日、私が王宮へ行くとカズキさん達元勇者とシンヤさんとリマさんの現勇者が顔を合わせているというすごい光景を目にした。


「へー真也君と莉磨ちゃんは17歳なんだぁ、私達は16歳の時に召喚されてきたの」

「召喚されたら優莉がいて驚いたね」

「向こうの世界の時間はどうなっているんですか?」

「止まっているみたい。私達4人と優莉はいつも集まって一緒に学校へ行くのだけど、あの時私達4人は揃っていてあとは優莉だけを待っていたの…そして優莉は私達が揃った時間に家を出た、それからここに呼ばれて私達も召喚された。でも私達が召喚された時、こっちの世界では90年も経っていたの」


お祖母様と元勇者の召喚の話は少ししか聞いていないかったな。


「真也達が家を出たのは何時だ?」

「確か7時ぐらい…それから5分ぐらい経った時に」

「僕達が優莉を待っていたのも7時5分くらいだったんだ」

「……」


それじゃぁ、向こうの世界の時間は止まっているっということがはっきりしたということ?


「ラストロンの母親も日本人なのは昨日聞いただろう?、当時18歳だった彼女も同じ時間に家を出た矢先に歪みに巻き込まれ、この世界に来ている」


わぁお。


「確証されたね」

「だな」


ですね。


「さて!じゃぁ私と和樹が剣術、恵理と真人が魔法を教えるねその間に世界のことを教えていけばいいでしょう?レイラちゃん」

「はい、問題ありませんよ」

「優莉とマリアに連絡した?」

「はい、お祖母様は勇者の特訓をすべてカズキさん達に任せたと言っていました」


とても投げやりな感じだったけど。


「んじゃあ、最初は軽くこの世界とか色々説明をしてから別れて練習しようか!誰がどっちやる?」

「俺はどっちでも、莉磨は?」

「魔法、やりたい」

「だったら真也が剣だな」


決まったね。


「んじゃあ俺達は準備してくるから勉強の方はよろしくな、恵理」

「は?なんで私なの」

「レイラちゃんはお仕事あるし、恵理は教えるの上手だから!」

「別に私は構いませんよ?」


まぁ、途中で歪みが出たら中止になるけど。


「…分かった」

「え、いいのですか?」

「レイラちゃんが苦労したら優莉に殴られるわ」

「え」


お、お祖母様…。


「…では、よろしくお願いします」

「えぇ、任せて…早速始めましょうか」




   *   *   *




勉強が終わり、特訓に移った。私は先ほど歪みが発生したので直しに行き、戻った今報告書を書いているけど…丁度執務室の窓から勇者達が練習している中庭を見ることができるから中々面白い。


「そうそう、そんな感じ…次は水を出してみようか」

「はい」

「水が湧き出るような想像を…」


端ではマサトさんとエリさんがリマさんの魔法練習をしている…あ、水が出た、さすが勇者に選ばれただけあって呑み込みが早い。


「はぁぁ!」

「おっと!さすが剣道部だな、でも…まだまだ!」


キィン!と剣がぶつかる音がする…庭の真ん中ではカズキさんとシンヤさんが戦っている、リナさんは…シンヤさんの戦いをじっくり見てる。


「はぁ、はぁ…さすが副団長ですね」

「はっはっは!まぁな、だが…真也も中々強いな」

「私達もね、向こうでは剣道やってたんだよ!私は全然だったけど、和樹なんて全国大会まで行って優勝しちゃうんだからビックリだよー」

「…まさか、旭丘高(あさひおかこう)の飯田って」

「和樹のことだよ」

「……」


優勝者なんてカズキさんは前からとても強かったんだね、シンヤさんがびっくりしてる。

さて、仕事に戻ろうかな…?おかしいな、さっきまであった紙が無い…そう思って顔を上げたら何とそこには母様がいた。


「か、母様…」

「ふむふむ、中々うまく書けてるのね。安心したわ」

「さ、流石に慣れたから」


地下にいるはずの母様が何故ここに?


「あの、母様は何故ここに?」

「今まで結界を強化した時の不安定さで離れられなかったけど、ようやく安定したし勇者の顔も見たかったから来たのよ」


そうだったんだ。


「どれどれ、わぁ久しぶりに4人を見たな…あ、あれが今回の勇者ね…中々強そう」


そう言いながら母様が窓を開けると中庭にいた皆も母様に気付いた。


「あれ?マリアちゃんだ!久しぶりー!!」

「久しぶりですリナさん、エリさん達も元気そうで」

「マリアちゃんこそ、最近まったく見ないから心配してたんだよ?」

「あはは、色々忙しかったもので」


主に地下の件でね、とりあえず私と母様も中庭に出た。


「貴方達が今回の勇者ね?初めまして、レイラの母でマリアと申します」

「ちなみにマリアちゃんはレイラちゃんの前の時の神子だったんだよ」


憧れの母様です。


「…っていうことは、優莉さんの娘さん?」

「はい」

「マリアちゃんは本当に優莉そっくりだからマリアちゃんの顔に黒髪黒目にすると優莉だよ」


確かに、お祖母様と母様はそっくり。母様の外見はお祖母様から、髪と瞳の色はお祖父様から受け継いでいるんだよね…伯父様は完璧にお祖父様似、性格はお祖母様に似たと言われているけど。


「真也と言います」

「…莉磨です」

「シンヤ君とリマちゃんね、色々大変だろうけど頑張ってね?」

「はい、ありがとうございます」


色々って…まぁ、色々か


「マリアちゃん、今まどこ行ってたの?」

「色んな所に行ってました、主に母の使いのようなものでしたが」

「うわぁ、優莉の使いって…恐ろしや」


お祖母様の使いっていうだけで元勇者4人が震え上がるなんて…お祖母様、一体向こうの世界で何やってたんだろう。


「シンヤ君、リマちゃん…この世界は今、表は平和なのだけど裏では危機が迫っているわ。なるべく異世界人を巻き込まないように手をつくしていた母でさえ勇者召喚を認めるしかなかった…私は前回の魔王討伐にはまだ生まれていなかったからカズキさん達から聞いた話ししか分からないのだけど、どうか気をつけて」


前回の魔王討伐は確か612年、母様が生まれたのはそれから62年後の674年。


「ありがとうございます」

「大丈夫だよマリアちゃん!私達も付いているから、万全の準備で望ませるよ!」

「ふふ、お願いしますリナさん」


私も頑張らないと。


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