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異世界召喚されたら時の神子になりました  作者: 森崎優嘉
第三章 4代目時の神子 レイラ
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メイリラルド歴881年(2) Side真也

俺の名前は中条真也、平凡な17歳の高校生だ…たぶん。よくクラスの奴らにはチートとかリア充とか言われているが彼女はいない。


いつもの時間に起き朝食を作る、俺の両親は仕事で海外にいるがよく電話が来る…正直うるさい。出来上がった朝食を食べ制服に着替えるといつものようにインターホンが聞こえ幼馴染が来る。


「おはよう、真也」

「おはよう、いつも早いな莉磨」


幼馴染の名前は中村莉磨、同い年で家が隣同士で親同士が大親友だとか。生まれた頃からずっと一緒にいる、莉磨は基本無口であまり表情豊かではないがかなりの美少女だと思う…ファンクラブがあるらしいからな。


「今日もお弁当、作ったから」

「あぁ、いつも悪いな。別に作らなくてもいいんだぞ?」

「ううん…真也、いつも遅くまで部活してて疲れているでしょう?お昼はしっかり食べないと」


俺は剣道部でもうすぐ大会だが…まぁ莉磨の料理は美味いからいいか。


「ありがとうな」

「うん」


家の鍵をかけて歩き出す。


「今日の授業は何があったっけ?」

「…3限に体育があることは覚えてる」

「それ以外は?」

「……」


実はこいつ、覚え悪いんだよな…将来が心配だ。


「教室行けば分かる」

「そうだな」


俺は思い出したんだが莉磨は無理そうだ、そう思った時いきなり辺りが光りだした。


「なっ!」

「真也っ…」


強くなる光に莉磨を抱きしめ目を閉じた。




   *   *   *




目を開けると…どこだここ?


「ようこそいらっしゃいました、ご説明しますのでこちらへどうぞ」


とりあえず俺たちは別の部屋へと移動した。


「ようこそいらっしゃいました勇者方。僕はここ、メルゼルク王国国王のラストロン」

「中条真也です」

「…中村莉磨です」

「シンヤとリマだね」


勇者か…そういえば莉磨が勇者召喚の本をよく読んでいたな、莉磨を見ると無表情だが目が輝いている。

王様が言うには俺達とは違う別の勇者によって魔王は倒されたはずなのに魂だけとなって復活した、今度こそ完全に消滅させるために召喚したということか。


「僕の母親も異世界人だよ。ちなみに端に立っている2人、男の方は君たちと同じく数百年前に勇者召喚で来ているし横にいる彼女の祖母は時の神子召喚でやって来た異世界人だ」

「初めまして、270年前になるか?勇者召喚でここに来た飯田和樹だ、ちなみに俺と一緒に来た他の3人も日本人だよ」

「そうなんですか!?」


まさかの同郷…ん、待てよ?今270年前って言ったか?おい、この人一体何歳だよ…。


「時の神子のレイラと申します、私の祖母もカズキさんと同じ所から来たと聞いています」


時の神子というのは世界各地に発生する歪みというものを直し、世界のバランスを整えている人だそうだ…同じ日本人という彼女の祖母も現在生きているそうだ、勇者召喚より90年も前にいるって…この世界の平均寿命が知りたい。


「このままだと世界が危ない、どうか協力してもらいたい」

「お願いします」

「…分かりました、莉磨もいいよね?」

「うん」

「ありがとうございます」


俺と莉磨は部屋に案内された。その間莉磨がリアルメイド…とつぶやいていたが無視しておいた。この世界の勉強や剣などの特訓は明日から始めるそうだ、剣道部の俺にしては剣術が楽しみだ。


「こちらがリマ様、お隣がシンヤ様のお部屋となります」


王宮侍女…ラスカさんに部屋の説明をしてもらいあとは自由となった。


「…とんでもないことになったな」

「うん」

「向こうの世界はどうなっているんだか」

「本だと色々…時が止まっていたり止まっていなかったり」


確かに、莉磨から借りた本は色々だったな。


「帰れるといいね」

「…そうだな」


なぜ元勇者4人がここにいるのか、予想ができるが今は考えないようにするか。




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