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異世界召喚されたら時の神子になりました  作者: 森崎優嘉
第三章 4代目時の神子 レイラ
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メイリラルド歴881年(1)

私は今日、ラストロンに呼びだされた。


「今日、父上がいらっしゃる」

「…え?」


私が部屋に来てからラストロンの一言…急すぎるよ前国王。


「…急だね」

「あぁ…魔王について直接話したいことがあるそうだ」


去年ルークと聞いた地下の話は約束通りラストロン達には話していない、何回も魔王が初代時の神子の身体を奪おうとしているけどお祖母様の結界と母様の守りで奪えないでいる…奪われるのは時間の問題、早く魔王を倒さないと危険な状況にある。


「レイラとルークにも聞いて欲しいそうだ」

「分かりました」


私とルークにもって…何を話すんだろう。




   *   *   *




「久しぶりだな、ラストロン」

「お久しぶりです父上」


前国王アランシス様がやって来た。


「ルークもレイラも久しぶりだな」

「お久しぶりです」

「お元気そうで何よりです」


軽い挨拶をしたところで本題に入った。


「お前たちも知っている通り、去年より魔王の活動が活発になっている。このままでは危険だということは知っているだろう…だが、はっきり言って我々にあの魔王に勝利するのは不可能だ」

「ッ…それは」

「ユーリ殿が魔王を倒したのは俺もその場で見ている…確かに魔王は死んだはずなんだ、だが魔王は魂となって生きていた」


強力な力を持つお祖母様でも倒せなかったなんて…。


「俺と父上、ユーリ殿との話し合いの結果もう一回勇者召喚をやってみないかという事になった」


え!?


「この世界には力の強い者たちもたくさんいる、だがそれだと厄介過ぎる…父上達はもういい年だ…そうなると動けるのは俺やユーリ殿とルドレイク殿、ラトルクにマリア、元勇者4人でも足りないくらいだ」


アランシス様の父でラストロンの祖父にあたる初代国王ライドレシア様と私の曽祖父である初代宰相のレイだリア様は確かに高齢で力になれない、そうなると本当に動けるのは少ないんだね。


「元勇者たちでも駄目なのですか?」

「あいつらだけでは無理だ」

「…分かりました、召喚の儀は」

「私がやります」

「いいのか?」

「はい」


元勇者4人は時の神子だったお祖母様が召喚したと聞いた、だったら今回の勇者召喚も時の神子である私の仕事。


「なるべく急いでくれ」

「はい、ならば一週間後に」

「よろしく頼む」


こうして召喚の儀を行うことが決定した。




   *   *   *




あっという間の一週間だった、あれから準備に追われ忙しかった。

場所は過去にお祖母様と元勇者4人を召喚した場所。

この場には私とルーク、ラストロンと元勇者で現在騎士団の副団長を務めているカズキさんがいる。


「始めます」


息を吸い、召喚魔法を唱えると魔法陣が現れ人影が見えた…2人だね。

光がなくなり黒髪黒目の男女だと分かった


「…日本人か?」


カズキさんの小さな声に私は恐らくそうではないかと思う、だってお祖母様と同じなのだから。


「ようこそいらっしゃいました、ご説明しますのでこちらへどうぞ」


ラストロンが混乱しているだろう二人を連れて隣の部屋へと向かった、私も着いて行く。


「ようこそいらっしゃいました勇者方。僕はここ、メルゼルク王国国王のラストロン」

中条真也(なかじょうしんや)です」

「…中村莉磨(なかむらりま)です」

「シンヤとリマだね」


ラストロンが2人に説明をしている反応はあまり驚いていない、そういえばカズキさんが向こうの世界にも勇者召喚の物語があると言っていたっけ?


「僕の母親も異世界人だよ。ちなみに端に立っている2人、男の方は君たちと同じく数百年前に勇者召喚で来ているし横にいる彼女の祖母は時の神子召喚でやって来た異世界人だ」

「初めまして、270年前になるか?勇者召喚でここに来た飯田和樹だ、ちなみに俺と一緒に来た他の3人も日本人だよ」

「そうなんですか!?」


驚きだよね。


「時の神子のレイラと申します、私の祖母もカズキさんと同じ所から来たと聞いています」


時の神子という言葉にはてなを浮かべた2人、ラストロンが軽く説明する。


「このままだと世界が危ない、どうか協力してもらいたい」

「お願いします」

「…分かりました、莉磨もいいよね?」

「うん」

「ありがとうございます」


特訓や勉強は明日からということで勇者たちは侍女たちが部屋に案内した。


「真人達を呼んで今回の勇者を鍛えるか」

「そうしてもらうと助かるよ」

「連絡してみるか」


『和樹?どうしたの?』

『恵理か、里奈と真人は?』

『近くにいるよ』

『そうか、実は…』


カズキさんが説明している中、私とラストロンはお茶を飲んでいる。


『召喚されてきた2人も日本人かぁ、分かった。剣術は和樹と里奈、魔術は私と真人で教えればいいね』

「あぁ、よろしく頼む」

『はいはー』


そう言って通話が終わった。


「許可が出たようだね」

「あぁ」

「私も、母様とお祖母様に連絡しておきますね」




   *   *   *




自分の執務室に戻り私は母様とお祖母様に連絡した。


「母様、お祖母様、召喚の儀が成功しました」

『そう、よかったね』

『今回の勇者はどういう人?』

「それが…お祖母様と同じ故郷の人達です」

『あら…やはり日本とこの世界は繋がっているのかしらね』

『絶対にそう』


別の世界からやって来てもいいと思うのに…不思議ずぎる。


『勇者の特訓は和樹達に任せるわ、私達はいつも通り警戒を』

「はい」

『気をつけてねレイラ、母様も』

「はい、がんばります」


明日から色々と忙しくなりそう。


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