メイリラルド歴686年(2) Side彩美
私は北原彩美、高校3年の18歳。
「早く起きないと遅刻するわよ?」
「はーい」
いつもの通りに起き、母が作った朝ごはんを食べながらニュースを見る。
「おはよー」
「彩佳おはよう」
「彩佳も早く食べなさい」
「はーい」
着替えて家より少し遠くの学校に通よっている私は早く出ないと間に合わない、だから早く着替えて家を出る。
「おはよ、気をつけていくんだぞ」
「いってらっしゃい」
「いってきます!」
部屋を出た時に父と兄、そして玄関で母と妹に挨拶をして玄関の扉を開ける。
さて、今日も頑張ります…
「か?」
あれ?いつもならコンクリートの地面に足をつくはずなのに…なんで穴が?
「…へ?きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
何が起こってるの!?
* * *
目を開けると森にいた…え?ここどこ?周りを見渡しても何もない…さっきの穴はなんだったの?家はどこ?
少し歩いても何もない…。
「どこなの…ここ…」
どうすればいいの、そう思ったら全身の力が抜けた。
「このまま…死んじゃうのかな…」
そう思いながら私は目を閉じた。
* * *
次に目を開けるとどこかのベットに寝ていた。
「…夢?」
「あ、起きた!」
「へ?」
声のする方を見ると12歳ぐらいの女の子がいた。
「お母様呼んでくるね!」
そう言って女の子は部屋を出て行った、周りを見ると豪華な部屋…物語に出てくる貴族の部屋みたい。そういえば女の子がお母様って言ってたよね…貴族なのかな?そう思っていたらノックが聞こえた。
「失礼するわ」
そう言って入ってきた人に驚いた、黒目黒髪…日本人?
「目が覚めて良かったわ、貴方には聞かなければならないことがあるから…とりあえず自己紹介ね、私はユーリ・ミドル・サーベイト。貴方は?」
「私は北原彩美です、あの…日本人、ですよね?」
私の質問にユーリさんは笑った。
「えぇ、そうよ。さっそくだけど彩美さんは何故この世界にやって来たか分かるかしら?」
「いえ…朝に学校へ行こうと家を出たら大きな穴が開いて落ちたんです」
ユーリさんに今までのことを全部話した。
「なるほど、歪みに巻き込まれて彩美さんは来たっという結論でいいみたいね」
「呼び捨てでいいですよっ、ユーリさんの方が年上ですし」
「あら、でも地球での私は16歳、18歳である彩美さんの方が年上よ?私の方こそ呼び捨てでも構わないけど」
「無理です!」
絶対に無理!
「ユーリさんは何というかえーっと…こう、物凄い会社の社長みたいな雰囲気が出ていてとても呼び捨てなんてできません!」
とりあえず呼び捨てにできない何かがあるの!
「はは!…くくっ…物凄いっ会社のっ…ふふっ社長っ…ふふ!」
大きな声で笑ってる…ビックリ。
「そ、そんなに笑わなくってもいいじゃないですかっ」
「ふふ…ごめんなさいね」
むむ、まだ笑ってる!
「もう、ユー「グー…」……」
「ふふ、そういえばお昼なのよね。異常は無さそうだし、食事にしましょうか…紹介しないとだしね」
「うっ…はい」
お、お腹すいた。
* * *
「広いお屋敷ですね」
「これでも狭い方なのよ?夫の実家はこれの倍はあるし王宮は論外の広さ」
「倍…」
倍とか…広すぎる、私だったら絶対に迷子になるよ、確実に。
「この部屋よ」
部屋を見るとイケメン二人にさっきの女の子がいた。
「軽く紹介をしましょうか…彼女は彩美 北原、この度はの歪みでこの世界に来た私と同郷の人よ。彩美さん、右が夫のルドレイク、向かいに座っているのが息子のラトルク、その隣に座っているのが娘のマリアよ」
「よろしくアヤミ殿、ようこそメイリラルドへ」
「よろしく」
「よろしくねアヤミお姉ちゃん!」
「よ、よろしくお願いします」
美男美女家族…。
「失礼します」
「ちょうどいい所に来たわ…彼女はメリア、もう一人ルイという子がいるのだけど我が家の使用人兼友人よ」
「メリアと申します、何か不自由がございましたらお申し付けください」
「あ、彩美と言います!よ、よろしくお願いします」
「冷めないうちに食べましょうか」
ユーリさんの言葉に食べ始めるのを見て私もひとくち食べたらとてもおいしくて完食してしまった。




