メイリラルド歴611年(1)
ついにこの日がやってきた、あの時私が召喚された場所に召喚する側として立っている。この場には陛下とアランシス、お義理父様とルドがいる。
「…始めます」
息を吸い、召喚魔法を唱えると魔法陣が現れ人影が見えた…4人いる?
光がなくなるのと同時に私は驚きで言葉が出なかった。
「な、なんだ?」
「え?」
「?」
「…」
なんで…どうして…ここに…ローブのフードをかぶっていて正解だった、話をしないとなのに言葉が出ない。
「突然のことと存じますが落ち着いて話を聞いてください、とりあえず別の部屋で」
代わりに言ってくれたルドは4人を陛下達に任せ、部屋を出たのを確認すると私のフードを取った。
「どうした?」
どうして、どうしてどうしてどうして!あの子達だけは巻き込みたくないのに!
「ユーリ、落ち着け」
気付けば抱きしめられていた。子供をあやすように背中をポンポン叩かれる…少し落ち着いた。
「今召喚されてきた人達は私の知り合いなの、苦しい生活をしている中で唯一私を見てくれた、親友だって言ってくれた…この世界に来て会うことは無いと思っていたのに、こんな形で再開するなんて…驚いたわ」
「じゃあ彼らも地球から来たのか…この世界と向こうの世界では何か繋がりがあるのかもね」
「そうかもしれないわね…私達も行きましょうか」
「覚悟はできたの?」
「えぇ」
こっちに来てからの向こうの世界がどうなったかは分からない、もしかしたら存在が消えているかもしれない…でも召喚者なのだから、仕事はしっかりとしないとね。
そう思いながらドアをノックした。
部屋に入ると扉を背に4人が座っていた。
「必要なことは言っておいたぞ」
「ありがとうございます陛下」
陛下の声に振り向いた4人が驚いた顔をしていた、気付いたのかしら?
「メイリラルドへようこそ」
「優莉?」
「私の名前は時の神子ユーリ、よろしくね」
4人とも動かない…。
「恵理、そんな変な顔しないで…可愛い顔がもったいないわよ、和樹も金魚みたいに口を開け閉めしないで、幽霊を見たような顔しないでよ真人、里奈は…どうでもいいか」
「私だけ酷いよ優莉っ!」
「優莉…なのか?」
「優莉?」
「ゆ、優莉?」
「はぁ…正真正銘私よ、七瀬優莉…今は違うけど」
皆まだ納得できていないみたいね、無理もないけど。
「だって私達、さっきまで集合場所で優莉を待っていたんだよ?」
「そうそう!」
「…何時ぐらい?」
「確か…7時5分」
私が家を出たのが7時ちょっと過ぎ…私がいなくなったのと同時に向こうでは時間が止まっているというか流れが遅いのね。
「私が7時過ぎに家を出てから数分後にこの世界にやってきたの、それから今まで…えーっと」
「90年だよ」
「…私がこの世界にやってきて90年が経っているわ」
「90!?」
そうよね、驚くわよね。
「…106歳?」
「そうなるわね」
地球から見れば長生きしているように思うけど…この世界はすごいから。
「ちなみにこの世界の平均寿命は500歳よ」
「「「「……」」」」
「…とりあえず、陛下から聞いたと思うけど…今、この世界は封印されていた魔王が復活し侵略を始めようとしています。世界を調整する時の神子として勇者4人で魔王討伐をお願いします」
いきなりだけど、4人なら大丈夫。
「俺はいいぜ」
「僕も」
「私だって」
「うん!」
「みんな…ありがとう」
「親友の頼み事だもの、断る理由なんて無いわ!」
あぁ…まさかこの世界で2回も聞けるなんて…。
「すまないな、異世界の者を巻き込んでしまって」
「陛下、それは私も含まれていますよね?」
「あの時はな、今はもうこの世界の住民だろう?」
まぁリリアさんから神子を継承した時点でこの世界の住民になったけどね。
―――キーンつ―――
…最近歪みがないと思ったら今来るのね…こんな時に、まったく。
「こんな時にまったく…陛下、後はお願いします」
「?あぁ、気をつけてな」
ルドが出した手を取り瞬間移動で歪みの所まで行った…さっさと終わられましょう。




