砂漠の虎!転生のバウンティハンター
俺はいつの間にかこの世界に、
転生したようだ、
ここは2030年の中東、
上司、と言うより、隊長はあのロンメル元帥だ、
自分は単独行動が何故か許されている、
彼曰く『ヴェレル・ポカージュで折紙付だ』
と言っている、
装備は全て旧式、
と言うより、この時代では骨董品みたいな装備ばかりだ、
動いただけで騒がれ、写真を撮られる、
ティーガーIを3両
LT-38を20両
V号戦車パンター5両
ヤークトティーガー2両
ベルゲティーガー1両
そして、
最近稼いだ賞金全てをつぎ込み買った近代武装、
10式戦車とオールテレーンクレーン、
何故か日本人の戦車長までついてきたが、
ここは気にしないでおこう
俺たちが相手にするのは、
テロリスト集団、『ピエロ』、
センスがない名前だと俺も思う、
俺たちにとって、
テロリストとやり合うのは最早日常茶飯事で、
もう、日常の習慣と化している
本拠地はスエズ運河が望める丘の上に、
木造の質素な掘っ立て小屋に住んでいる、
そして、
今日も依頼が何時も通りに舞い込んできた、
「はいもしもし?第二滝近郊のオアシス?スーダンか、承知しました、」
ロンメルがつやのある黒電話の受話器を本体に戻し、
電話を切る、
「おい、大佐、俺は全員を起こしにいく、先に行ってきてくれ」
そう言うと制服に着替え、
梯子で二階に上がって行った、
俺は何故かロンメル元帥から大佐と呼ばれている、
本人曰く『響きがいいから』だそうだ
「エンジンかかってるか?」
我が愛するティーガー戦車の元へ駆け足で向かう、
「ヴィットマン戦車長!大丈夫です!!」
油まみれの部下が報告する、
「よし、出撃だ、ナイル上流の第二滝付近のオアシスでやつらが出没したそうだ、」
部下に説明しながらティーガーに乗り込む
「用意はいいか!パンツァー・フォー!!」
1200馬力のディーゼルエンジンが唸りをあげた
土煙を上げ、
ティーガーがその勇姿を見せ付けるかのごとく、
急発進していった
速度はあっと言う間に60を超える、
一方、
本隊のロンメル隊は今やっと全員が起きたところだ
「ここから南南西に真っ直ぐだ、リビア砂漠とヌビア砂漠に挟まれたここだ、ガルビーヤ砂漠に出たら一気に南進しろ、RPGとか何とかって言う奴は気にするな、増加装甲と爆発反応装甲にケージ装甲、それにシュルツェンの四段構えだからな、ベルゲティーガーはついてきてるか?よし、8時間後には現地到着だ、」
全員の返事が返ってくるのを確認し、
俺は調べ物に没頭する、
「右だ右!!40mmのテクニカルだ!!建物ごと抜け!!」
砲塔内に指示を出す、
ゆっくりと砲塔が旋回し
コンクリートの壁で隠れたテクニカルを狙う
56口径8.8cm KwK36 L/56g主砲が火を吹く、
住民は相変わらず戦車の後ろに向かって逃げ惑う
ボコッとコンクリートの壁に穴があき、
向こう側で爆発音が聞こえた
増加装甲が火花を散らした
やつらの自動小銃だろうか、
建物の影から複数の火線がティーガーに突き刺さる、
しかし、
戦車相手に自動小銃では豆鉄砲以下だ、
「左の建物!!榴弾装填急げ!!」
8.8cm榴弾が装填手の無駄の無い動きによって砲身の中に消える
砲身を向けたと同時に、
現れたのは対戦車砲を積んだテクニカルである、
「まとめて吹き飛ばせ!!」
榴弾がやつらの足元で炸裂し、
全てを吹き飛ばす
テクニカルは哀れにも、
自分の腹を此方に見せていた
「後方!!対戦車砲の群れだ!!クソ!!民間人を盾にする気か!!」
民間人が逃げる方向に対戦車砲がずらりと並ぶ
「路地に逃げ込め!!急げ早く!!右だ!!」
キャタピラーの接地面が音をたて車体を路地に隠す、
「民間人は!!」
「殆ど避難が完了しました、本隊が突入します」
一際デカイ発射音が複数聞こえた、
「ヤークトティーガーだ、」
テロリストが悲鳴を上げ、
豆鉄砲に等しい対戦車砲で反撃に出るも、
LT-38の一斉集中攻撃に、
反撃もままならないまま戦力が削られていく
「流石はロンメル元帥だ、テクニカル注意!!」
ロケット弾を満載したテクニカルが前を通り過ぎる
すると、
1両のパンターがテクニカルの道を塞ぐように建物の影から現れた
砲塔が旋回し、
その主砲の70口径75mm Kw.K.42 L/70の砲弾をテクニカルに叩き込む
積んであるロケット弾にも引火爆発し、
車体は一気に粉々に粉砕する
「敵は、」
町の向こうの砂漠の丘の上を大型トラックが爆走する、
乗り込んでいるテロリストは何かをこちらに向かって叫んでいるが、
負け犬の遠吠えだろう、
やがて、大型トラックは丘の向こうに消え去った、
ちなみに今回の件の報酬は200万だ、
そして、
人々は俺たち戦車団を『砂漠の虎』と何時しか呼ぶ様になった、
ロンメル元帥も『悪くは無い』と言ってるからな、
俺たちの戦いは後に、
別世界でも繰り広げられると言うのはまた次の機会に語ろう、
とにかく、
宿命だろうと何だろうと、
俺たちの戦いは続く