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0話:導火線:戦争の始まり
2146年10月12日、深夜3時。
南セイカイ海上に浮かぶテンヤンの要衝「白嶺島」に対し、ヤマト連邦の特殊作戦部隊「第零戦団」が降下を開始。
通信施設を20分で制圧、人工衛星による電磁攻撃がテンヤン本土の都市機能を混乱させた。
この作戦は、ヤマト連邦最高安全会議によって「神代作戦」と名付けられていた。
宣戦布告なき開戦――それは世界秩序の崩壊の始まりだった。
◼️ 稲守 剣一
ヤマト連邦防衛軍 総司令官。冷静沈着な戦略家だったが、テンヤンの人工衛星攻撃で家族を失い、強硬路線に転向。
「勝てる戦争」ではなく、「意味ある戦争」を目指す。
◼️ 李 曼峰
テンヤン人民共和国・第九方面軍将軍。人民の未来を信じる理想主義者。
祖国を守るために戦うが、内部腐敗と恐怖政治に疑問を持ち始める。
◼️ 宮ノ杜 澪
ヤマト連邦情報庁のエージェント。テンヤン内部の反体制派と接触し、国際秩序の裏側を知る。
任務と正義の狭間で苦悩する。