六話 未知との別離
日も暮れて。
星空の広がる、夜になった。
「…ごめん、昼は、付き合わせて」
ようやく僕は謝る。
もう、あれから六時間は経っていた。
口に出すタイミングが、無くて。
「何を謝るんだ。今日は君と出歩けて、素晴らしい日だった」
頭を、液状化した手で撫でられる。
これで、僕は落ち着いてしまった。
「別れの前には丁度いい。君に感謝を」
「わ、別れ？別れ、、別れ、、」
笑顔のような、真顔のような、美少女。
別れ。
「蜈ュ莠懃噪隲冶??ゥ滓「ー逧?ゥコ髢馴悚蜍慕函貅が功を奏したようだ。もうじき迎えが来る」
「….分かった、、」
ある種の、必然だ。
遭難中ならば、助けは来る。
でも、最後に、聞いておきたかった。
「どんな、、所なの？帰る、所、、」
恐る恐る、僕は美少女を見る。
最後に、聞いておきたかった。
「君。気になるかい？少し待ってね」
表情を変えない美少女は、腕を液状化させる。
これで、僕を飲み込んだ。
頭に流れ込む。
宇宙。
星々。
空間。
過去。
現在。
「はぁ、はぁ、そこ、なんだ、、故郷、、」
僕には、あまり理解出来なかった。
読書をするより、分かりやすいのに。
でも、未知だった。
「….帰れて、本当に、よかった、、けど、またいつか、会えたら、、」
「、、ならば。君に渡してもいいかな？これを」
真顔の美少女は、手から謎の塊を出す。
首輪型の、固体だった。
前、ヤンキーを拘束した物の細いバージョンだ。
それを、美少女の手で、首にかけられる。
「これさえあればまた会える。君と」
美少女は、笑顔になる。
真顔の部分は、もう無かった。
「君達の言葉で、さようなら。また、いつか」
近くの窓が、開く。
そこから、巨大な液体が入って来る。
液体になった美少女は、それに飲み込まれた。
「、、またいつか」
外を見る。
夜空の中に、巨大な半透明のクラゲらしき、生物がいた。
直後、消える。
残りは、首にかけられた半透明の固体だけが、あった。
「、、これって、こんなに硬かったんだ、、」
固体を、少し握ってみる。
圧倒的に硬かった。
僕は気づいた。
どこにでも、未知はあった。
知らない事は、いっぱいで。
ただ、僕が思い込んでいただけだった。
でも、本当の未知もある。
初めて、僕は。
それを、よく知りたいと、そう思った。
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