五話 僕の完全に違う休日
朝十時。
家のチャイムがなった。
もう起きていた僕は、玄関に向かう。
「こんにちは••••無事で、良かった」
そこには、私服の店員さんがいた。
僕に緊張が走る。
「あの、彼女さんとは、まだ続いてるの?得体が知れないから、、辞めた方が、、」
「あの人は、、あの場で偶々というか、、腹が減ってそうだったので、奢っただけで、、」
店員さんは、ほっとため息をつく。
安心したように。
「そっか、、なら、良かった。今日は、それだけ。また本読もうね」
手を振り、店員さんは去っていく。
また僕は嘘をついてしまった。
「君。どうかしたのかな?落ち込んでいる?」
玄関へ、美少女が歩いてくる。
液状化した手で少し頭を撫でられた。
「••••何でもない」
ボソッと、僕は言う。
退屈な日々からの、脱却だから。
自分だけが知っているという興奮も、あった。
「お、お前、、それ、やっぱり、、俺を食った、、」
「おー。姉貴かー?にしては手が変だなー」
「••••聞いた通り、見た通りだな。店員共から」
ヤンキー三人が、アパートの前に居た。
完全に、見られている。
「••••だったら、死ね」
突如、一人のヤンキーが殴りかかってくる。
僕は目を見開く。
「暴力は好まない。幼体同士の喧嘩は危ないよ」
伸びた美少女の手が、これを防ぐ。
ヤンキー達全員が、目を見開く。
「あ、あ、これ、やっ、やっぱり、証拠、証拠」
「おーおー。お前は落ち着けよー。ブレてるぞー。全部」
一人が、スマホを取り出す。
手が震え、そのスマホを落としそうでも、あった。
「い、行こ!良いところがあって!どいて!」
「あれ?君が連れてってくれるの。このタイミングで。何処かな」
笑顔になった美少女手を引っ張り、家を出た。
走り去る。
「あ、あれ?彼女さん、いたの」
◾️◾️◾️◾️◾️
行く場所がなかった。
二人でただ通学路を歩く。
「ここはいつもの道だね。君は歩きたくなったのかな?」
美少女は笑顔でそう言う。
いつもの、通学路だった。
「….うん。そう….」
僕は、俯く。
嘘を付いたのも、何もかも。
気分が、悪かった。
「よしよし。君が落ち込む必要はないよ」
頭を人間の手で撫でられる。
どこか、落ち着いた。
「やっぱり、、いたんだ、、大丈夫なの、、?その彼女さん、、」
遠くから、店員さんが、駆けてくる。
息も切らしていた。
「…..」
僕は急いで、近くの路地裏に走る。
美少女と一緒に。
つい、入ってしまった。
危険な場所に。
「あれ。ここは。似ているね。君とあった場所に」
笑顔の美少女。
だが、僕は、路地裏に入るのが、初めてだった。
緊張して、辺りを見回す。
狭くて、ゴミがあって。
ある種、独特な雰囲気。
自分から入らなければ、知れなかった。
「はぁ、はぁ、大丈夫、?脅されたりしてない、?」
店員さんも、路地裏に駆け込んでくる。
汗も、かなり流していた。
「知り合って、、遭難したらしくて。だから、匿ってて、、」
僕は、話す事にした。
店員さんに。
「あなたは、、はぁ、遭難、中」
「概念として言うのなれば、肯定しよう。遭難してしまった。君の心配する気持ち。理解しよう」
笑顔の美少女は手を液状化させ、変形させる。
店員さんはびっくりしたように、目を見開く。
「説明、、していい?あのヤンキー達にも、、」
「君が嫌でないのなら。全く問題はないよ」
◾️◾️◾️◾️◾️
僕は、説明した。
ヤンキー達にも。
全部。
「やや、やっぱり、、ももう、危害、危害を加える気は、ないんだよな、?」
「おー。これは人間じゃねぇー。すっげぇな!なんだこれ!」
「••••ちっ。やっぱあの液体はこいつ由来か」
家の前で。
素直に。
「君達を食べる気は全くない。食糧も十分ある。であれば、危害を加える理由もない」
美少女は手を変形させ、そう言う。
皆は、驚く。
「おおお、俺の、つけらられたた、手は、何だ、何だ、?大丈夫、なのか、?」
「それは、君への詫びだ。傷付けてしまった君の腕を、完全に再現したものだ」
ヤンキーは、息を吐く。
涙も、ポロッと溢す。
「はははぁ、はぁ、男らしくもない、焦った、、」
「いつも通りの生活に戻れるじゃねぇーかよー。よかったなー」
袖で、涙を拭くヤンキー。
に肩を組む、他のヤンキー。
「ごめん。黙って、、」
「、、治ったのも、、お前が連れて来たからだ、、気にするな、、またカラオケ、、行こうな、、」
「じゃあなー。一旦帰るかー。また今度なー」
ヤンキー三人は去っていく。
泣いているヤンキーは、少しフラフラする。
それを、肩を組んでささえるもう一人のヤンキー。
家の前には、僕と美少女だけが、残った。
「住処に戻ろか。君も。普段、昼食をとっている時間帯がもう近い。食事は一定の方が、君達は健康でいられるよ」
「….うん。分かった」